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2050年の日本酒 in USA

アメリカの日本酒市場、2050年にはどうなっているだろうか。ロジスティクスの将来像などを参考に想像してみた。

①アメリカ国産酒の進化:
アメリカの日本食レストランが現在の2万店から4万店に倍増し、日本酒需要が急増するのに応える形で、アメリカ産の日本酒が質量ともに拡大するだろう。

月桂冠、松竹梅、大関、八重垣などのビッグフォーがビック10になり、獺祭や八海山に加え、他のブティック蔵元もアメリカに生産拠点を作ったり、現地のブリュワリーへ出資が相次ぐだろう。オリガミ、コロラド酒など、アメリカ資本の蔵元が中西部を含む全米50州に進出するだろう。大手ワイナリーやビール会社が日本酒を手がける可能性もある。アメリカには、韓国系オーナーの日本食レストランが多いので、ジンロが参入したら影響が大きそうだ。

山田錦、雄町、五百万石などメジャーな酒米のアメリカ現地生産が本格化し、AIを使った製造技術のノウハウも加わり、アメリカ国産酒の品質が格段に向上するだろう。最後の課題として、酒作りに適した水を求めて①米国内で良質の湧水を探す、②ろ過技術の研究、③日本から仕込み水のバルク輸入、などが行われるだろう。

その結果、全国新酒鑑評会で金賞を取るアメリカ産日本酒が続出し、日本市場に逆上陸するかもしれない。

②蔵元から消費者へ直送:
ロジスティクス6.0の実現で、日本の蔵元からアメリカの消費者へ小口かつ高速宅配が可能になり、例えばカンザス州に住む消費者からの注文を受けて、岩手県の蔵元から生原酒の4合瓶1本をクール便で翌日配達できるようになるだろう。アルコールの国際取引、連邦・州レベルの規制が緩和されるだろう。

③卓上酒メーカーの登場:
自宅で簡単に酒が作れる卓上酒メーカーが開発され、コーヒーメーカーの感覚でフレッシュな酒を楽しむことが可能になるだろう。アマチュア杜氏が金賞を取ったり、オリジナルブランドを発表したりするだろう。

ただし、将来の世界で、自由な国際取引が可能になるか、あるいは国ごとの貿易障壁が厳しくなるかによって酒の将来も変わってくる。いずれにしても、日本酒の国際化の流れが後戻りすることは無いだろう。

Photo courtesy of FeDex newsroom  


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