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心躍る瞬間。それは、美味しい日本酒を探している瞬間。

この日本酒はどんな味だろう?

ここの店主は、どんな料理に合わせてこれを仕入れたのだろう?

そんなことを考えながら、お酒のラインナップを見ている時が1番ワクワクしています。

今回は、日本酒の好きな味を見つけるために、基本的なもの3つを中心にお話ししようと思います。

そもそも日本酒ってどんなお酒?

米、米こうじ、水を原料として発酵させて、こしたもの
参照:【酒税法第3条第7号】 

日本酒は英名をrice wineというだけあって、かなり奥深いものです。

日本酒を作る蔵元は昭和と比べて減っているとは言え、全国で1,400以上、銘柄で言えば1万種類以上あると言われています。

そんなにたくさんあるなら、好きなものに辿り着くのなんて無理なのでは…?

そう思った方もいるのではないでしょうか。

そんな時は、「産地」「精米歩合」で考えてみてください。

産地別の日本酒の特徴

先述した通り、日本酒の材料はほぼ米と水なんです。

そして、蔵元はその土地の米と水を使って日本酒を作るので、その土地の特徴が日本酒に現れる傾向があります。勿論蔵元や銘柄によって味は変わってくるのですが、正直初心者がそんなに蔵元とか銘柄の名前覚えられるかって話なんですよね。(笑)

なので、ざっくりで自分が好みのものを覚えちゃいましょう!


◇普段は日本酒をあまり飲まない◇

新潟県・淡麗辛口

飲み口はキレがあり、味わいもスッキリ。

日本酒特有の味わいや香りが控えめで、クセが少ないので人を選びにくい。

◇日本酒の旨味が好き!◇

長野県・濃醇甘口

飲み口はまろやか・コクがあり、香りは華やか。

日本酒のふくよかな旨味を堪能したい人向け。どちらかといえば味や香りもしっかりめなので、日本酒のクセが苦手だという人にはややチャレンジング。

◇日本酒本来の味わいを楽しんでみたい◇

兵庫県・濃醇辛口

飲み口はさらりと軽いが、香りは芳醇で濃厚。

お米の旨味を積極的に表現している傾向があり、お米好きにはたまらない。


と、日本酒造りが盛んな場所を3県ほど取り上げてみました。

日本酒度・酸度を細かく表示していないお店でも、地名は大体書いてあるので、日本酒にあまり慣れてない方は、新潟のものを選んでおくと無難でしょう。さすが米どころ、万人に愛されていますね。


次にちょっと発展的な内容、日本酒度・酸度・精米歩合について触れてみましょう。

精米歩合って何?

精米歩合とは、精米(玄米から表層部を削った米)して残った米の割合を%で表したもの。味や香りを左右する。

このパーセンテージで日本酒の香りが変わってくるので、選ぶ際の1つの指標になります。

私たちの食用のお米の精米度は90%程度で、日本酒造りに使われるお米の精米度は70%前後、大吟醸と呼ばれる種類に至っては50%以下です。

大吟醸に至ってはお米の半分以上を磨いてしまうんですね。

何でそこまで磨くのか?と言われれば、お米の表層のタンパク質・デンプン・脂質などの栄養素は、日本酒づくりにおいては多すぎると雑味になってしまい、お酒の香りが消えてしまうからなんです。

精米歩合による香りの変化

この精米歩合、ちょっとめんどくさいのですが日本酒においては

精米歩合が高い=より磨かれている、精米度の数字が小さい

精米歩合が低い=より磨かれていない、精米度の数字が大きい

という表現の仕方をするんですね。

一般的に、精米歩合が高い方は華やかで香り豊かな日本酒になり、精米歩合が低い方は香りが控えめで米本来の香りを楽しめるようになっています。

米って磨いた方が香り控えめになるんじゃない?

なんて思った方、居ませんか?それ、私も思いました。

実は香りに変化が出てくるのは、お米に含まれている脂質の量が関わっているんです。脂質は、フルーティ・華やかな香りを抑える性質を持つんです。

この脂質はお米の表層50%までしかない栄養素なので、削れば削るほどフルーティで華やかな香りが顔を出してくるんですね。

精米歩合による味わいの変化

精米歩合は、香りだけでなく味わいにも深くかかわりがあるものです。

米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどの栄養素が多く含まれますが、前述したとおり、これらが多すぎると雑味になってしまい、お酒の香りを邪魔してしまいます。

しかしながら、この表層を削って丁度いい量にしてあげると、これが旨味となって日本酒に味わいを持たせてくれるのです!

一般的に精米歩合が高い日本酒は、すっきりとして雑味がなく、クリアな味わいになります。

精米歩合が低い日本酒は、コクがあって芳醇な味わいになります。

日本酒はその使用原料や精米歩合によって特定名称がつけられており、以下の図のように分類されます。

日本酒

参照:日本酒造組合中央会


終わりに

日本酒は日本各地で作られるゆえに、それぞれの影響を受けたものがたくさんあり、お気に入りの一本を見つけるのって難しいですよね。

一本に絞らなくても、季節で出てくる商品もあったりするので、その季節モノやお料理に合わせたものを探してみるのも楽しいですよ。

近年ではthe・日本酒という味わいの日本酒だけでなく、スパークリング日本酒が出てきたり、ボトルのデザインもおしゃれなものが増えてきて、本当にワインのような感覚で楽しめるようになってきています。

散々味や香りが云々って言いましたが、それこそ最初はボトルのデザインがかわいいから、という理由で手に取ってみてもいいと思います。そこから意外とこれ気に入ったな、じゃあ次は似ている別のものを試してみよう、くらいに思ってもらえて、その時に鵜野が「新潟のお酒が良いぞ」って言ってたな、とちょっと思い出してもらえたらうれしいです。

私の夢は大好きな銘柄の日本酒の一升瓶と、いぶりがっこを家に常備することです。

では、皆さん良き日本酒ライフを!


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