2023.Dec 12 Centre Culturel Communal CharlieChaplin にて
2023年12月12日。
昨日の興奮も冷めぬまま起床。
まだ夢の続きでも見ているようにボーっとしています。
朝食をパールピアスさん、Azusaさんとご一緒して昨夜のコンサートの話や諸々の話を。楽しい時間というのはあっという間に過ぎ去ってしまい、
Azusaさんはこの後すぐにLondonへ戻り、我々はGare de Lyon駅よりTGVでLyonへ移動です。(電車の車両が長いっ)
2時間程でLyon Part-Dieu 駅に到着。
駅の側のホテルに一旦チェックイン。
雨の中、Lyon郊外Vaulx en Velinにある劇場Centre Culturel Communal Charlie Chaplinを目指します。
Lyon Part-Dieu駅からタクシーで会場に向かったのですが、Mapで見ていたとおり、少し辺鄙な場所でした。雨ということもありホテルまでの帰りが心配になって、タクシーの運転手に帰りはこの辺にタクシー捕まるかと聞いたら「電話してくれたら10分で来るから」と言われ電話番号を貰って安心してタクシーを降りました。
先ずは会場の受付で同行したパールピアスさんがチケットをピックアップ。開場時間まで近くのお寿司屋さん(雨で他の店は軒並み閉まっていたので)に入って腹拵え。
なんと店内には、パリ公演に来ていた女の子達が‼︎
「あっ昨日来てましたよね?」と声をかけたら、どうやら台湾の女の子達で、そのうちの1人の子は少し日本語ができるとの事。
会場時間になり再び会場へ。
プログラムをもらって席に着いたら1列目を買ったはずが仮設で前にもう一列増えていて、地元の小・中学生くらいの子供達が引率の先生と共に座り、キョロキョロしてる。クラシックのコンサートなんて生まれて初めてなんじゃ無いかな?
そして会場の責任者⁈の女性がフランス語で挨拶と注意事項を話し、いよいよ始まります。
演目はParis と同じ。
Chopinの”Scherzo”からスタート。
一体何万回くらい弾いたんだろう…などと考えながら
漢らしく力強い旋律と歌い上げる部分のコンタラストが絶妙で1曲目からどんどん惹きつけられていきます。
続く”Nocturne”の情感たっぷりの演奏に胸が締め付けられ涙が滲みます。何度聴いても、目を閉じて聴き入ってしまう曲🥹
そして角野さんの”3 Nocturnes”へ。
角野さんならではの美しい繊細な和音の展開にうっとりしてしまいます。Cateen Labでレクチャーして頂いた和音の話を理解していればもっと良かったのでしょうが..😅
(この演奏中に考える事じゃないでしょ)
Chopinの2曲と角野さんのNocturnesが終わって、端正なBachの”Partita”。
最終楽章のcapriccioz は角野さんがその名の如く気まぐれな感じを持ち前のリズム感で表現‼︎
Paris公演では舞い上がって細かい残響などを気にする余裕がなかったのですが、Lyon の劇場は残響がハープシコードの音に聴こえて一瞬驚きました。
休憩前でしたが拍手が止まらず、袖に一度引っ込んだ角野さんが再び登場。観客に深々とお礼して退場。
昨日の今日なのに…やっぱり凄い‼︎
途中、身体障害者の子が奇声を発して、音と音の間が一瞬途切れたような瞬間があって私はドキッとしてしまいましたが、角野さんはそれを掻き消すようピアノに没頭して見事に立て直し、再び観客も角野さんの世界に引き戻されて行きました。
休憩後は久石さんの世界を角野さんが広げていく。
会場のお客様が引き込まれていくのがわかる。
足でリズムをとって始まるKapustinの”eight concert etudes Nº1 Prelude”!お客さんから声が上がる‼︎やっぱりKapustin を弾かせたら天下一品‼︎国が違っても皆わかるんですよね!
Parisの劇場と違って親子連れや子供達が比較的多いLyon公演。
会場には4年10ヶ月前にLyonのコンクールに角野さんが出場した時の審査員の方も観にいらしていて、日本人のファンの方は少なめ。
間髪をあけず”胎動”。
今日も美しくそして”追憶”。
Lyonではグランドピアノ一台だったので、”追憶”の雰囲気が全く違うものでした。
この曲はやっぱりアップライトで聴きたい曲。でもグランドピアノverを聴くことができて、良かった‼︎
また違う世界が出来上がっていて、実際に聴くことが出来たからこそ、こうやって比較ができるんですね。
そして最後は”Bolero”。
Paris公演ではアップライトとグランドピアノを駆使してアプライトで抑え気味に始まりアップライト+グランドピアノ、そしてグランドピアノで盛り上がりを上手く表現していたんですが、一台のグランドピアノでいったいどうやってこの曲を表現するのか本当に興味津々でした。流石角野さん、左手のリズムを的確に寸分の狂いもなく弾き続けながら右手の弱音からスタート。そして徐々に盛り上がりをみせていく。どうやってコントロールしているのでしょう?どんどんうねりを作っていって、まさに角野さんを中心に音が劇場に広がって行き、我々観客を包み込んでどんどん巻き込む感じ、そう竜巻のように🌪️
最後の方はピアノ弦が切れてしまうんじゃないかと思うほどのフォルテ(ffffff位)で。1台のピアノだけでそれも1人でこんなに盛り上げていけるんだなと改めて感動しました。
やっぱりBoleroは凄かった🔥
割れんばかりの拍手の渦。
お辞儀をして袖に引っ込みますが、拍手が鳴り止みません👏
アンコールの1曲目は、先程の物凄く強い”Bolero”とは打って変わって”The Christmas Song”.
しっとりと歌い上げる角野さんの”The Christmas Song “。もうあまりにも有名なこの曲、大人たちはウットリ聞き惚れていました。角野さんのsophisticated されたアレンジの中にやっぱりBoleroのエッセンスが所々入っていて、その度に笑いが起こります。
そしてトーク。
最初にフランス語で話されて、お客様は大喜び。
そして英語で、4年前に初めての国際コンクールをリヨンで受けて3位になり、またここに帰ってきたみたいなことを話されていたと思います。
それから”One more song?”と言って弾き始めた”きらきら星”客席から笑いが起こります。
曲が展開してアップテンポになっていくに従って
私の前の席の子供達もノリノリ‼︎心から楽しんでいる様子‼︎
最後は割れんばかりの拍手の渦👏
たくさんの人が(1列目の子供達も)スタオベ‼︎
拍手が鳴り止まない〜‼︎
今日も凄かった〜‼️
演奏中に突然想像もしないような事態が起こった時でも、冷静に対処できる角野さんの機転に余裕すら感じてしまいました。
いや凄いな‼︎一体どうなるんだ⁈と不安に思った観客も少なく無かったはずなのに。
新たな一面を目の当たりにしたLyon公演でした。
昨日のParisでは、人生初生角野隼斗(呼び捨てすみません🙇)を体験してボーッと夢なのか現実なのかわからないような状態に陥ってしまいましたが、今日はもう少し冷静に聴くことができました。
更に、昨日Paris公演で全力を出し切って演奏した角野さん、細いのによく2日も続けてこんな演奏できるな…なんて余計な心配もしちゃいましたよ。
この日は、この劇場の2023-2024の公演予定の冊子にサインをいただきました🙏
帰路に着くためタクシーに電話しようと思ったのですが、フランスの地名が読めない😅ということに気付き、図々しいとは知りながら、会場の受付の女性にタクシーに電話してもらい….ところが教えてもらったタクシー会社に電話しても雨で出払っていたのか応答無し😰
(心の声;何度もかけていただき本当にありがとうございました🙇)
結局タクシーは捕まらず、もう23:00になろうかと言う時間でどうしよう😰😰と思っていた矢先、パリ公演で一緒だった女の子達にどうやってホテルまで帰るのかと聞くとバスを乗り継いで帰ると言うことで、一緒にバス停まで行く事にしました。
なんとか乗り継いで彼女達に降りるバス停まで教えてもらって無事ホテル到着💦彼女達がいなかったら帰って来れなかった…‼︎本当に助かった〜😭
今日も山あり谷あり大変な1日となりました。
いや本当に疲れた〜
そして、一夜明けて先ずは4年前、角野さんが初めて受けた国際コンクールである、Lyon international piano competitionのファイナルでコンチェルトを演奏した教会、Eglise Saint Pothinを見てきました。
2019年の角野さんのツイートにもあるように、残響時間が長っ🙀大変な場所でコンチェルト弾かれたのだな…と可哀想な思いを抱くと同時に、聴いてみたかった想いも湧いてきましたとさ…
さてさて次はValenceだ‼︎
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