好きを表現する(改)


目次
①出会い
②戸惑いと気づき
③リミッター
④今までとこれから

①出会い

私が好きになった人は、男性7人のアイドルグループHE★VENSの桐生院ヴァンさんです。

彼に出会ったのは、2019年6月に公開された劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダムという映画でした。

当時の私はアイドルに全く興味がなく、うたのプリンスさまも全く知らない門外漢で、たまたま友人がこのアニメのあるキャラクターに面白いほどはまったのに興味が出て、本当にちょっとどんなものか見てみようという、軽い気持ちで映画に行ったのです。

でもその映画は、ただの音楽とダンスとイケメンを観に行くつもりだった私の想像を、遥かに越えていました。

きらびやかなステージに登場したアイドルとともに全身が震えるほどの悲鳴のような歓声が会場中に響き渡り、アイドルの一挙手一投足にため息が漏れ、ざわめき、ときめくファン、その声援を浴びて更に輝き煌めくアイドル。
愛し合うことに照れも迷いもない世界。
その甘美な世界にすっかり酔いしれた私は、名前も知らなかった、ひとりのキャラクターが忘れられなくなってしまい、気がついた時には、映画館と自宅を往復する毎日が待っていました。



②戸惑いと気づき

最初は戸惑いもありました。
当時の私は心に決めた大好きな人がいたので、他の人を好きになる自分なんて想像もしていなかったからです。
でもその彼はどんなに好きと言っても、ただ見てることしかできない人で、自分の息子より年下の、遠い世界で必死に戦う男の子で、恋……というには後ろめたい、見守る、見届ける、それが精一杯な人だったんです。
勿論今も彼の事は本当に大事な人で、大好きは変わらない。
でも、私は、今にして思えばなんですが、満たされない思いがあったんだと思います。
思いきり、愛したいっていう欲求が……
アイドルである彼はその私の渇望に答えをくれたんだと思います。
アイドルだから恋しても普通って思えるのも、嬉しかった。
私はずっと好きな人に好きって言いたかった。
なんの憂いも躊躇いもなく、ただひたすらに好きって


彼のいるHE★VENSというグループは、自分達のファンをエンジェルって呼ぶのですが、エンジェルを本当に愛してるってわかるし、その言葉を信じることができるんです。
それは彼らにとってエンジェルが必要な存在だからです。
好きな人に自分を必要だって言ってもらえる。
こんな幸せなことって他にないって思います。
自分なんて何の魅力も取り柄もない、ただのおばちゃんだけど、エンジェルである限り、彼の輝きの基になれる。

そして、彼がくれたメッセージは、自分でも知らなかった一番欲しい言葉でした。

「心さらけ出して欲張りに生きようや」

「限界決めんとはちゃめちゃに楽しもうや」

そんな彼の言葉は私の心に深く深く刺さったのです。


③リミッター


ずっと昔、恋愛がうまくできなくて、いっぱい傷つけて傷ついて壊して失恋して、その最低最悪の失恋から学んだのが、ちゃんと距離を計って人と付き合う術でした。
それは決して悪いことじゃない、上手く世の中を渡っていくためには当然の事です。のめり込まない、やり過ぎない、愚かな振る舞いをしない。
でも、心の奥に、リミッター外して恋がしたかった欲望が残っていたのかもしれません。
そんな背中を彼が押してくれて、受け止めてくれたような気持ちになっていたのだと、今思います。



④今までとこれから


彼を好きになって最初のクリスマスに、彼からカードをもらいました。
ブログでみんなに公開された、私はそのカードを見たとき、心から嬉しくてたまらなかった。
それはサンタさんのカードでした。
とても子どもっぽい、色紙で作ったカード。
それをもらったとき、本当に彼にとって自分(エンジェル)が大切にされてるって感じた。
私(エンジェル)が喜ぶように、笑顔にしようって、一生懸命考えて、思いやって、手をかけてくれて、尽くしてくれてるって感じた。まるで小さな子どもを慈しむように、無条件に愛されてるように感じて、そして私は泣いていました。

普通ならドン引きされるであろう100通以上ものラブレターだって、ありがとう手紙嬉しいわって言ってもらえる。
重すぎるような、こわいくらいの愛情表現も、アイドルの彼なら笑って受け止めてくれる。
思いっきり愛しても、迷惑じゃない……
お誕生日プレゼントに、彼のセーター編んでるときも、めちゃくちゃ楽しかった。
彼のことを思いながら手を動かしてだんだん形になっていくのがしあわせだった。
完成したときは、実際には贈れない現物をもて余してしまって、一瞬虚無になったけど(笑)


でも決して私を拒絶しないって思える相手に大好きって言うのは、遊園地で遊ぶみたいな安心感があって。
生身の人間との恋じゃないから、どんなに執着しても傷つけることも傷つくこともないし。


アイドルは、愛されるのが仕事なので、愛が肯定されてるのは、とても安心できるし、ファンは多い方が嬉しいから、たくさんのお友だちと応援できて、ひとりぼっちじゃないのも本当に楽しい。

ファッションやメイクも、外に出てみんなと応援するってなれば、楽しいし、キラキラした世界にふさわしい自分に、少しでも近づきたいって、いろんなチャレンジもしたくなるし。
香水なんてほとんど買ったこともつけたこともなかったけど、香りを纏い、香りでイマジネーションを膨らませる楽しさも覚えた。


彼に片想いの彼女がいて、嫉妬心に苦しんで、本気で恋してるんだって自覚せざるを得なかったりするのも、スパイスって言えるかもしれません。(そこまで楽しむ余裕は、未だないけど)


彼を好きになれて、本当によかったって思えるから、どんな過去でも、今の自分に辿り着く為には必要な道のりだから、大事にしたいって思えるようになった。
勿論、どうしても許せない出来事までは肯定はできないし、しなくていいし、そこはそんなことがあったのに死なないで生きてきたところがえらいって思うくらいでちょうどいいかなって、そういう風に思えるようにもなった。

今は、ずっと憧れてた、片想いの全部をやってるんだと思う。
そうした、やってみたかった恋の全部をヴァンがさせてくれてる。
他にもまだしたいことはいっぱいあるけど、これからどうなっていくのかは、今は未だ、わからないです。
ただ、もっと夢中にさせたるって言ってくれる彼を信じて、一緒に生きていきたいなって思っています。









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