見出し画像

ネットサーフィン(いつかの日)

現代の情報の多さに嫌気がさしてTwitter、インスタ、ライン、アイフォンをやめて、ガラケーにしていた時期があった。人との連絡はWi-Fiがないと使えないiPadを使ってなんとか過ごしていた。二年前、ヨーロッパを旅行したとき私は日本と同じスタイルのiPad(Wi-Fiなしで)挑んだ。世の中にはWi-Fiが溢れかえっているし、わからなくなったら人に聞けばいいという面倒くさがりやの気持ちでむかえたが確かに不便さは、日本でもヨーロッパでも大差なく、Wi-Fiを持っていても持っていないにしても初めての場所でのわからなさは大差なかった。それより人と話せるきっかけができてラッキーとさえ思っていたし、目的地に迷って勝手に入ったカフェが良かったとか、楽しいことも多かった。Wi-Fiを街で探していると、ウィーンではマックよりもバーガーキングにお世話になった。すぐに表示されるそのWi-Fiは難しい登録もなくすんなり迎え入れてくれる。ハンバーガーは一生バーガーキングにお世話になるぞ、と嬉しさのあまり誓った。道に迷ったらバーガーキングを探せ、がおなじみになりウィーンも一週間いるとバーガーキング前でiPad片手に調べる姿もサマになってきた。しかし、バーガーキングは自分の中でWi-Fiスポットになりすぎたせいで結局一回も食べなかったのは心苦しい。
日本でも、アイフォンがない時代、アルバイトの面接に行くときは頭に入っていた道順ではうまくいかず、五分くらいの道のりでさえ三人くらいに道を教えてもらうことがあった。今思うと、優しさを試しているアンド人と話したいがための当たり屋みたいで気が引けるが、そのときは知らない人でも気軽に世間話ができる文化を実践しようとしていたのかもしれない。
話は戻る、というかここから始まる。アナログのものが好きな私であるが、最近ネットで調べる楽しさを知った。手紙ついて検索→切手→そして切手デザイナーという日本で八人の仕事を知る→切手デザイナーになるにはを検索→無理と気付いて、日本国際切手展を見つける。とこれが一日にて辿り着いた検索の結果である。
私は、初めてサーフィンをしている感覚になり、これがネットサーフィンか!とやっとこちらの世界に足を踏み入れた感じがした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?