成人式と恋(？)

今年、僕は成人式を控えている。かつての級友達との再会を楽しみにしているわけだが、１人だけ会いたいのに会えないであろう人がいる。

中学時代同じ部活で２年間同じクラスだったあの子。一般的な特別な関係ではなかったのに、今でも彼女が脳裏にこびりついてる。

彼女はいわゆる「百合」のような面があった。彼女が愛してやまないYという女子の魅力について数時間ぶっ通しで聞かされたこともあるし、バレンタインのチョコをYに直接渡すのは恥ずかしいから代わりに渡してきてほしいといわれたこともある。キューピッド役をさせられていたわけだ。その分、彼女のことは学年の他の男子よりもわかっているつもりだったし実際そうだった。こんな曖昧で複雑な関係のまま卒業を迎えて今は成人式目前となっている。

当時、明確に彼女を好きだと思ったことはない。だが、当時あの子が他の男子と話をしているといい気はしなかったし、彼女に告白しようとする友人には妨害行為を繰り返していた(今考えれば酷い)。これは世間一般で言うところの「好き」に当てはまるのか、大学生になった今でも正直わからない。ただ、高校で何人かと付き合ったが、頭の片隅の片隅には常にあの子がいた(今思えば本当に失礼だ)。恋愛関係になったわけでもないのに、だ。

休み時間に寝ている僕の肩を叩き、Yについて語ることもあれば、日直の仕事をしている僕に早く部活にいこうと急かされることもあった。夜に好きなバンドについて電話越しに語ったこともあった。今現在東京事変が好きなのはこの時の彼女のせいだ。いつだって彼女といる時は楽しかった。居心地がよかった。もうあの頃の日々は戻ってこない。

恐らく彼女は成人式には来ないだろう。だが万に一つ、会えたならあの頃の答え合わせをしたい。