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【劇感想】占い師はクイズ司会者の夢をみるのか?

ふと数えてみたら、4〜5年の付き合いがあるってことになるのだが、草彅健太改め草梛祐史が曰く10年ぶりに立つ演劇の舞台があるということでそれを観劇し、その感想を写真とともにTweetしようと思っていたが、140文字という制約で書き綴るのはもったいなく、また、それを続けて、続けてってやるのも面倒だということで、これを書き綴っているわけだ。(同じく、科は違えど、同期であった中田悠衣さんにも「ぜひともTweetしてください!」って言われてしまったけども)

140文字以上を読みたくない人用に感想を先んじて書くならば、

「P.K.ディック流の『胡蝶の夢』的シナリオ、それに対して主人公視点以外の視点、いわゆる“神の視点”のアプローチを行った作品を観劇できて、ヒロキ感激!(そして、ヘッドショットされて脳漿炸裂) #ガイアクルー

だからそれでいいやって人は以下は読まなくて大丈夫。

4〜5年来の付き合いの草彅健太改め草梛祐史の苦労や勉強小僧にしか見えない見た目については、今の記述以上にここでは触れず、心に残り、またメモが走った内容について書くと、やはり演目順か、『ロボット登場』である。

極力説明を省きつつ、かと言いながらフルべくフリは抑えつつ、などといった野暮天の感想は申しません。また、あらすじは、なんか、おおよその公開をされているようだが、情報過小という貴重な体験がしづらい現代社会に置いて、仔細を踏まえた感想など一種の公害でしかないので避けてすすめる。

作演出の沙汰青豆さんとお話したわけではないので、私の一方的なラブコールでしかないが、P.K.ディックが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』などで書いた“一部の有機物が持っている感情を無機物も持つのか”などといったテーマに関して、それを氏がやるならば、舞台のうえでどういった形で表現するのかということかという作品だと思っている。

つまりは、“誰が感情を持つヒトなのか”であり、そもそも“感情はヒト以外が有しているものなのか”と言った一種のヘンペルのカラス的な証明を要求されるテーマについて行った思考実験を舞台を通して行ったのである。

荻島が表していた感情は、果たして本当に感情/情感であるのか。それを定義するのは同種のヒトであるが、しかしながら、ロボットという種からも同じくそれだと定義されるのか。大きな声をだし笑い、涙を流し、怒れば、感情を持っていることになるのか。それについては、ぜひとも観劇の上、ご自身で思考を巡らせて欲しい。

そして、同じく、と記載するレベルでネタバレになるのではないかと感じるが、この流れで移りたい『ドロップ』である。

完全に俺が養成所時代からの1ファンでしかないことを実感したが、中田悠衣さんの演技が今年、生で見た舞台の演技で一番好きだ。雰囲気、空気感、所作といったところが、学生時代に公演を夢見て書き綴ったプロットに出てくる人物そのままであり、逆説的に無意識化に中田さんをモデルとして書いていたのではないかと思うほどだった。

それを一番に感じたのが、彼女が演じた赤の見せどころである。俺はひねくれものの糞野郎だから、観劇するときは深く舞台に入り込まないように観ている(ほんと糞野郎だ)のだが、その場面では、映画『2010年宇宙の旅』でスターゲイトを通るときの映像が脳内でフラッシュバックしながら、彼女の演技を食い入る様に観てしまった。

ここまで名前を出しているが、実際同期ってだけでさしたる関わりも持たなかったのに、インパクトあまり普段なら絶対言わない「『ヘルタスケルター』の沢尻エリカの演技のような凄みがありました!」という演じることを生業にしている方を他の表現者にたとえてしまうとい大大大大、大失態をしてしまう程だった。(本当に、なんとお詫びを申し上げればいいのか……)

そんな、劇団GAIA_crew番外公演『宇宙船GAIAの奇妙な惑星旅行』。11/29が最終公演日なので、少しでも興味を持った方は是非にも足を運んで観てください。

もれなく、『平成教育委員会』の勉強小僧がいますので。

―あ、タイトルは完全に語感っす。他意はまじで一切ないっす。

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劇団GAIA_crew番外公演『宇宙船GAIAの奇妙な惑星旅行』

会場:東高円寺・笑や

http://www.gaiacrew.com/stage/spaceship_gaia.html

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