修学旅行の行事評価をフォーム&スプシにしたら、宿泊学習の引率がホワイトになった話。
はじめに
今回のテーマは学校行事の評価・振り返りです。PDCAサイクルを回すと言う観点からで、学校行事が終わったあと行事評価を行うことはどの学校でも行っていると思います。今回は校外学習や宿泊学習といった行事の評価について、Googleフォームとスプレッドシートを使った実践を紹介します。働き方という視点からも、かなりオススメです。
私は小学校の担任として1泊2日の修学旅行で引率教員5人と実践してみました。
運用の具体① フォームは出発前に作成しておく
これが一番重要です。帰着後に振り返り用紙を作って配るのではなく、指導計画を立てる時点でフォームを作っておくことをオススメします。行ってきたあと振り返るのではなく、準備や事前指導、業者との打ち合わせの段階から形成的な評価として気づきを入力しておくことが良いです。
入力項目例としては
・気づきの種類
・内容
・観点
の3つだけです。記名はいりません。手間を増やすものはカットです。アドレスから追跡できますし。
運用の具体② QRコードにして引率教員資料に貼り付けて共有
出発前に引率教員で打ち合わせを行うことがあると思います。その時の配布資料の中にQRコードを忍ばせておきます。そして「試しに一つ、ご自身のスマホで入力の練習をしてみましょう」と声がけします。こういう練習をすることでICTのハードルを下げることとなります。もちろん学校で使用している端末でもいいのですが、機動力となるとやはりスマホが一番扱いやすいのでは。
運用の具体③1つの気づきで1件送信
入力後の整理をする段階でこれがポイントになります。先程の入力練習の際によく確認しておきます。これを守らないと後で作業工数が増えてしまいます。データベースファーストの原則「1レコードに1つの情報」です。スプレッドシートを「気づきのテータベース」的に使用するわけですから。
運用の具体④ 観点ごとに整理できるようにスプシに予めQUERY関数を組んだ別シートを準備しておく
回答が集まるスプシに別シートを追加しておきます。便宜上「整理」シートとしておきます。この整理シートのA1セルに以下のように入力します。
=QUERY('フォームの回答 1'!B:D,"select D,B,C where C != '' order by D asc",1)
すると時系列ではなく観点ごとに気づきが整理されます。
メリット①鮮度抜群の気づきを引き継ぐ
従来の行事評価と言うのは、用事が終わった後、与えられた視点に基づき、それぞれ気づきを記入していく形式が多いと思います。その瞬間には気づいたことやこうすればよかったということも時間が経つと忘れてしまうことも多いでしょう。 気づいた項目について、すぐに入力できると言う良さがあるのです。
校外学習ではバス移動であったり、グループごとに見学している間の待ち時間であったり、宿泊学習のホテルでのひとときであったりと結構な時間が生まれます。ちょっとした時間にスマホでいじいじするだけで評価が完了するのです。
メリット②到着後、即「お疲れ様〜」
このシステムを運用したことで、先日の修学旅行では、児童の就寝確認後に行う「夜の反省会」すら実施しませんでした。また、学校到着後にお菓子食べながらの「到着後の反省会」もカットできました。
つまり子どもが寝たら先生方も「おやすみ〜」、到着後、即「お疲れ様〜」でみんなスマートに勤務終了でした。
これぞ働き方改革ではないでしょうか。実に「ホワイト」な修学旅行引率となりました。
メリット③後日、行事評価を記入する作業ゼロ、まとめる作業ゼロ
地味に面倒なのが後日作業です。会計報告やら実施報告書みたいな教育委員会や保護者に示す書類も準備しな蹴らばならない状況で少しでも仕事が減らせるのはありがたい事です。
「整理」されたシートをプリントアウトすれば引き継ぎ完了。
こうすることで学年主任の先生や主担当の先生がわざわざ内容ごとに意見を入力したり、並び替える手間がなくなります。
おわりに
割と多くの学校で、Google フォームを使った行事評価自体は行われていると思います。 やはりポイントは事前に作っておいて、事前に共有しておくことが大事なのかなと思います。即時入力ができるメリットは大きいですね。
そしてもう一つ、私の記事でも度々紹介しているスプレッドシートのクエリ関数は、学校現場を救うのかなと私は感じています。これをマスターするだけで多大なるメリットがあると思います。 自分たちの職員室での職場環境、働き方を考える上でもぜひ取り入れてみて下さい。
宿泊行事などの校外学習に限らず、学校行事の振り返りにはこのシステムがオススメです。
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