見出し画像

AIの力を借りて教材づくり 算数の類似問題を作成してみた話



1. はじめに

こんにちは、小学校教師のささです。
今回は、AIを活用した教材研究の実践第3弾をお届けします!

前回の「社会科の教科書からクイズを自動生成」する方法(hに引き続き、今回は「AIの力で算数の類似問題を効率的に作成」する方法をご紹介します。

https://note.com/hiroki_sasazawa/n/nf629c4571b6e

きっかけは、 私の勤務校で取り組んでいる「満点テスト」と呼ばれる基礎基本の定着を図るための取り組みです。学期末に宿題として課題をだします。そして夏休み明けに類似問題をテストとして実施するというものです。

この練習問題の作成を効率的にできないかと考えたのが、AIの力を借りて類似問題を自動生成するという方法です。

今回もClaude 3.5といったAIツールを使って、短時間で多様な問題を作成できるのではないか。そう考え、実践してみることにしました。

この記事では、その具体的な手順や工夫点をお伝えしていきます。AIの活用に不安を感じている方もいるかもしれませんが、意外と簡単にできます。

それでは、実践の詳細に入っていきましょう!

次のセクションでは、実際にどうAIを活用したのか、その手順をお伝えします。皆さんも、一緒に挑戦してみませんか?

2. AIの力を借りて類似問題を自動生成!

今回の実践では、Claude 3.5というAIツールを使用しました。それでは、具体的な手順を見ていきましょう。

この実践の手順

a. 元となる問題の準備

まず、元となる問題を用意します。今回は、整数と少数の単元から問題を選びました。教科書や問題集から適切な問題をピックアップしましょう。

私は岡山県の教育委員会が発信している学習到達度確認テスト(小学校算数)を使用させてもらいました。このPDFデータを開き、スクリーンショット画像を準備しておきます。


b. AIへの指示出し(プロンプトの例示)

次に、AIに指示を出します。ここがポイントです。以下のようなプロンプトを使いました。

「この画像のような問題を作ってください。数値は変えてください。」

このプロンプトを出すと、AIは元の問題の構造を理解し、数値を変えた類似問題を生成してくれます。

毎度ながら一瞬で問題が出力された。


c. 出力形式の指定と調整

AIからの出力をそのまま使うのは少し扱いづらいので、HTMLの形式で出力するよう指定しました。以下のようなプロンプトを追加しています。

「HTMLの形式で」

これにより、整形された問題が得られます。必要に応じて、「問題番号に小数点を追加してください」「回答用紙に最初から小数点を打っておいてください」といった細かい指示を出すこともできます。

htmlで出力するとそのまま印刷できる。

実際にやってみると、AIはかなり柔軟に対応してくれます。例えば、「大問9では、あらかじめ解答欄に小数点を入れておいて」といった具体的な指示にも対応してくれました。

細かく指示を出してあげればどんどん改良される。
正答をつけてもらうように依頼したら、
「表示/非表示」の切り替えボタンが付いた。

ただし、注意点もあります。AIが生成した問題は、必ず人間がチェックする必要があります。時に難易度が想定外に上がってしまったり、問題の意図がずれてしまうこともあるからです。

このプロセスを繰り返すことで、短時間で多様な類似問題を作成することができます。子どもたちの理解度に合わせて、易しいものから難しいものまで、幅広い問題を用意できるのがAI活用の大きなメリットです。

4. まとめ

今回の実践を通じて、AIを活用した教材作成の可能性を実感しました。短時間で多様な類似問題を作成できるこの方法は、私たち教師の大きな味方になりそうです。

特に印象的だったのは、AIの柔軟性です。こちらの指示に応じて、難易度や問題の種類を調整してくれる点は、個別指導の観点からも非常に有用だと感じました。

ただし、AIはあくまでもツールであり、最終的な判断は私たち教師が行う必要があります。生成された問題を必ずチェックし、必要に応じて修正を加えることを忘れずに。

この方法を使えば、子どもたちの理解度に合わせた問題をより多く提供できます。その結果、「できた!」という成功体験を増やし、学習意欲の向上につながる可能性も大いにあります。

AIと上手く付き合いながら、より良い教育環境を作っていく。そんな新しい教育の形が、すぐそこまで来ているのかもしれません。皆さんも、ぜひチャレンジしてみてください。きっと新しい発見があるはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?