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十二支「寅」の性格~地支からみる四柱推命

十二支は陰陽五行よりも古い思想を持つと言われ、生命の調生を表しているとされます。したがって、本来は地支は天干よりも重要視されるものです。

今回は十二支の三番目にあたる寅(中国語では虎)について説明します。
虎の字源は皮の模様を表す象形文字からきたとされます。

寅は「螾(いん)」で「動く」ことを意味します。
春が来て草木が生ずる状態を表しているとされています。

日本には野生の寅(虎)は生息していません。

ただし、干支が入ってきた当時、朝鮮や中国に渡って学んだ僧がおり、それらの人が虎を見て「日本書紀」などに残していた痕跡が見られます。


虎の習性

トラは、チーターやライオンと異なり、草原のような視界の開けた場所で見られることは滅多にありません。

熱帯林、北方林、背丈の高い草むらなど見通しの悪い場所に多く生息しています。トラの縞模様は、茂みなどに身を隠す際、体の輪郭をぼかす効果があるといわれています。

警戒心が強く縄張りをもって静かに待ち伏せしつつ、一気に襲いかかって獲物に大きな攻撃をします。単独で狩りをすることが特徴です。

地支の寅


季節は孟春で旧暦最初(二月)の月です。
五行は陽に属します。
東北の艮(うしとら)方位に属し、艮は八卦掌ではもともと大地が生えている場所を指し、転じて寅は「広い渓谷」という意味があります。

日支が寅に属し、時柱が戊辰(魁罡 (かいごう))と出会う人は「龍虎の咆哮」と呼ばれ、「龍吟ずれば雲起こり、虎嘯けば風生ず」のライバル関係となります。

蔵干に(甲・丙・戊)の三つの陽干が含まれています。(古歌によると)
そのためか寅年生まれの女性は気が強く婚期が遅れる、という俗信が生まれてしまいました。

ただし、玉井奥訣、淵海子平、三命通會では蔵干は余、中、正の順に「己、丙、甲」なのでこの考えは間違っていると言うことになります。

どれを採用するとしても、気候が近いところから発祥して、発展したものを選んだ方が無難だと考えます。

寅は亥とで合化しますが、虎が猪(豚)を狩る立場になるので一方的になります。

冲 艮→坤で気門の高低差の関係。
輪刑 寅が巳を、巳が申を、申が寅を刑する。
害 寅は巳(蛇)は捕ろうとして草臥れて、看取らざる(巳寅申)を得ない。

五行と寅の性格


甲寅(きのえとら)

梅花の候

 冷静で几帳面なタイプで、ひとの面倒見もよい。周囲からの人気は高いですが、寒暖に左右されやすく、身弱だと疲労があらわれやすいため、注意が必要です。

丙寅(ひのえとら)

迎春の日の出

 世話好きで親切なタイプです。利己的ではなく、周囲を盛り立ててくれるのが上手なため好かれやすいです。芸能的な素養もあります。

戊寅(つちのえとら)

虎視眈々と

 強い競争意識をもっており、相手と競うことに充実を感じます。一方で「動かざる事山の如し」で優柔不断なため、実行するのに時間がかかるところもあります。うまくリーダーシップをとってこそ吉。

庚寅(かのえとら)

獲物に剋ち財となす

 自分の感情に正直で、束縛をきらう自由人です。周りからは気分屋だと思われることもあります。衝突を恐れず好きなことには、持ち前のバイタリティーでどんどん邁進していきます。タイガースアイ、虎の爪、虎徹。


壬寅(みずのえとら)

白虎は西方を守護するとされた

 ロマンチックで、直感重視の人。洞察力にすぐれており、他人を評価する姿勢がシビアです。自然体で生きることを是として、ピュアで素直なため駆け引きは苦手です。津波のような強さがあります。

日本には虎の現物が存在しなかったので、創作においても単純に獰猛なイメージとして描かれていることが多いです。
たとえば川に住む妖怪の河童を「水虎(すいこ)」と呼ぶそうですが、なかなか寅のイメージは膨らませにくいですね。
虎はネコ科なので猫の習性をヒントにしてみるといいかもしれません。


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