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ものづくり補助金で必要となる、強み/弱みとは?

履歴書と一緒だよ

私は就職氷河期世代です。大学時代の就職活動では「自己分析」やらされました。あれ、超イヤだった・・・・。仕事上、何の実績もない学生に自己分析と言っても、分析する素材がない。

転職も何度かしていますが、こちらはスムーズに自己分析できました。何ができて、何ができないのか?
もし御社でご縁をいただけるなら、この強みをいかして、こういう風に御社に貢献したいと思っている。一方弱みに関しては、このように克服して強みに変えていきたい。
などなど、これまでの就労体験を振り返ってみて自分を分析する素材はてんこ盛りですからね。

会社の強みの見つけ方

愚痴を聞く。これに尽きます。
誰かがイライラしている。愚痴を聞きます。それが強みです。

具体例

「愚痴?は?何言ってんの?」ですよね。
実例を挙げてみましょう。

■例1■
「機械がボロすぎて、エラー起こすたびに不良品になる!これじゃ納期に間に合わない」
→(強み)「機械さえ最新型なら、良品をつくる技術はある。また、営業力も十分(おんぼろ機械でも、お客さんが仕事を出してくれるし、機械の故障による納期遅れを起こしても、お客さんが離れていかない)

→(ヒアリングすること)良品を作る技術について、職人さんにどんな工夫してるのか掘り下げて聞く。

■例2■
「どう考えても良品を納品したのに!お客さんが不良品だって言い張る!うちに○○測定機さえあれば「うちで測ったら、良品ですけどね」と主張できるけど、測れないから、反論のしようがない」
→(強み1)複雑すぎて測れない形状の製品を作れる
→(強み2)良品であると確信できるのは、熟練工自身がもつ、長年の経験による根拠があるから

→(ヒアリングすること1)複雑すぎて測れない形状の製品、他社でも作れるの?例えば、うちの外注先の○○さんとか?
→(ヒアリングすること2)良品であると確信できるのは、どういう理屈で?


■例3■

新規顧客開拓目指してるけど、中々・・・・
たま~に成約一歩手前まで漕ぎつけるけど、客先の提示価格が安すぎて割に合わないんだよ・・・・

→(強み)新規顧客開拓できないのに、決算書は黒字?ってことは、既存顧客が優良すぎる。そんな優良顧客から安定して仕事をもらえるなんて、うちの会社すごい!

→(ヒアリング)既存顧客の㈱瀬戸内製造さんと、初めての取引はいつですか?え?社長のおじい様の代から?じゃあ、70年以上の取引?おじい様の苦労エピソードとか、なにかご存じじゃないです?

→(事業計画書)主要顧客の㈱瀬戸内製造とは、70年以上の取引がある。
これは、祖父の代で、戦後の物資が不足する中、鉄材の確保に尽力した実績から、信頼を得て、取引を重ねてきた。
現在でも直近の客先からの監査時には、品質面では最高評価のAA、納期面ではAという評価であり、納期面、品質面において、満足して頂けており、現在も厚い信頼関係は続いている。

コネは強み!

製造業の強みというと、「技術力」「品質管理体制(ISO取得)etc」というイメージですよね。

一方、コネには、悪いイメージがありますが、違います。
コネは立派な強みです。

私の勤め先の社長は、もともとサラリーマンで職人していた人が独立した会社です。

なので、サラリーマン時代の友人・知人が多い。

このコネは、会社の財産ですし、もちろん事業計画書に書くことができます。

弱みはどう書く?

どう書くべきなんでしょうね?ここは意見が分かれるところです。
中小企業診断士の方々と話した感触を振り返ってみると
「弱みは書かない!」というという感じの人が多かったと思います。

私は、「弱みを書く派」です。

私は、ミスタードーナツの「エンゼルクリーム」大好きなんですが、
甘い生クリームを包む皮に感じる、ちょっぴりの塩気がたまらない。

事業計画書で言うところの
強み=ドバドバ入れた砂糖(甘い生クリーム)
弱み=一つまみの塩

というイメージで、ちょっとだけ弱み(塩)を入れたほうが、強み(砂糖の甘さ)が引き立つんじゃないかなぁと思っています。

具体例がないと分かりにくい!

・・・と、上述の話を知人にしたら、ミスド?塩気?はぁ~?と言われました(笑)

なので具体例を挙げますね

■塩気なし■
当社の強みは経験に裏付けされた技術力である。
客先提示の納期では間に合わないという理由で、断る受注がある。
特殊な工具さえあれば、当社の技術的には加工可能であるが、その工具は商社に発注後2週間の納期がかかるのに対し、客先は製品を1週間で欲しいという場合である。
その後、客先から「他社に技術的に断られ、引受先がない。御社でひきうけてくれないか?」と、納期を調整して再度、引合いが来ることがある。
これは、通常、他社では使用しない、特殊工具を使用してきた経験から積み重ねたノウハウである。

■塩気あり■
当社の強みは経験に裏付けされた技術力である。
客先提示の納期では間に合わないという理由で、断る受注がある。
特殊な工具さえあれば、当社の技術的には加工可能であるが、その工具は商社に発注後2週間の納期がかかるのに対し、客先は製品を1週間で欲しいという場合である。
その後、客先から「他社に技術的に断られ、引受先がない。御社でひきうけてくれないか?」と、納期を調整して再度、引合いが来ることがある。
これは、通常、他社では使用しない、特殊工具を使用している経験からであり、他社にはない当社のノウハウである。

しかし、このノウハウは属人化しやすい。当該従業員が長期入院や退職してしまった場合、そのノウハウを失ってしまう。
マニュアル化などを進めているが、暗黙知の部分が多く、標準化が難しい。

手前味噌ですが、なんか文章が引き締まったと思いませんか?

その後に、続く文章が「そこで、本事業でooooという工作機械を導入し、暗黙知の形式化を進めると同時に生産性の向上を図る」となれば、スムーズです。


まとめ

・・・と、こんな感じで愚痴は強みです。

xxx(愚痴)xxxさえなければ、万事うまく回るのに!と思うから
腹も立つし、イライラもする。


(xxx愚痴xxx)さえなければ、儲かるのに!というのは、すごい強みです。

「1500万円の最新型マシンを導入して(xxx愚痴xxx)を解決して、売り上げ増大を図る」

こんな感じで事業計画の大体のイメージを作ってます。


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