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脳神経の発達と退化

昨日ペットショップで生後2か月の子犬を買ってきました。真っ黒で子熊のような風貌はあまりにもかわいくて一目ぼれでした。YouTubeで見たロシアの熊の話からステファンと名付けました。

まだ離乳食を与えねばならず、子犬用の餌をふやかして食べやすくしたものに添加物を混ぜて与えるようにショップの人からアドバイスされました。トイレの事も含めて手のかかる子ですが、かわいいので全然苦になりません。この子の脳はまだ何も書き込まれていない状態なのでしょう。大事に育てたいと思います。

脳神経の発達と退化

人間の大脳新皮質の神経細胞は生後半年から1年の赤ん坊の時が一番多く、およそ140億個と言われています。その後、神経細胞は時間と共にどんどん死んでいきます。

成人では1日に約10万個が死んでいきます。年間にすると3650万個です。そして死んでゆく神経細胞は基本的には再生されません。身体の他の臓器では細胞の再生が繰り返されますが、脳はそういう仕組みになっていません。ごく一部の再生される神経細胞は発見されているもののそれは全体から見ればごく一部です。

それではなぜ神経細胞は一方的に死んでいくのか。それは必要ないからです。これは人間の脳が成長するプロセスを思い浮かべれば分かります。赤ん坊の脳は光を見るだけでも光信号の神経回路を作り、音を聞くだけで音信号の神経回路を作っていきます。このように赤ん坊の脳は外部からの刺激を受けて、その情報を伝達する神経回路を自動的に生み出していきます。

赤ん坊の脳は外部からの刺激に反応して自動的にワンセットの安定した脳システムを立ち上げていくのです。

ところで赤ん坊が生まれてくる環境は必ずしも私達が生きている現在の環境であるとは限っていません。極端な話、それは文明が崩壊した後の世界かも知れませんし、地球とは違う惑星かも知れません。生まれたらそこは音のない世界、光のない世界だったという事もありえない話ではありません。

とすれば、赤ん坊は生を受けた環境に合わせて脳の神経回路作る十分な神経細胞をあらかじめ持っていなければなりません。その為に赤ん坊はたくさんの神経細胞を持って生まれてきます。

環境条件にマッチした脳システムが立ち上がると、たくさんの神経細胞の中にはすでに使い終わったものや、使わなかったものが出てきます。それらは言わば用済みの神経細胞です。これ以上保持し続ける必要のない神経細胞は淘汰されることになります。

この理屈からすると、戦前に少年飛行兵があったのは理に適っていると思いました。三次元の運動を鳥が飛ぶ様にコントロールする能力は普通の人生ではあまり必要のないものです。他にも外国語の習得や、体操競技、ピアノ等の楽器の演奏などは若い時に練習し始めると上達の速度がまるで違って来るのは当然の事と思います。

私には3人の子供がいますが子育ては全て妻まかせで、自分が関与した事は殆どありませんでした。今回ステファンを自分が主体になって育てる事になり、神経回路の発達を見たい興味と、可愛さに触れられる事に今からワクワクしています。

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