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マザーテレサからの学び

印度に行った時の事

40年程前に初めて印度に行って驚いた事があります。当時の印度はすごく貧しくて大都市にはスラム街がありました。貧富の差が激しく、文化的には大変精巧な仏像が売られている一方で、物乞いの人達が街にあふれている事。そして大都市の夜、街灯の少ない暗い街を歩いていると歩道に多くの人達が横たわっていて、その内の何人かは既に死んでいると聞いた事です。

今はそんな事は無いでしょうが当時Begger Industryという産業があるという事でした。まず田舎で遊んでいる子供を誘拐してくる担当者がいて、さらってきた子供の右手の腱を切ります。すると右手が鶏の足のような惨めな姿になり、成長するとそれを見せてお金を恵んでもらい易いという事です。それで集まったお金は親分が吸い上げて誘拐担当などに分けるというシステムになっているという事でした。たしかにそういう右手をした若者が結構いました。

一方取引先の人達の家の中やホテルの部屋等人目に触れない場所は超豪華で、まるでローマ時代の宮廷の中のような装飾がしてあり、貧富の差を思い知らされました。ある取引先のオーナーにその理由を聞いたところ、『外側を豪華に見せると税務署にお金を持っている事がバレて、税金が高くなるからです』と言われてある程度は納得しました。

微笑む事の効果

マザーテレサはマケドニア生まれの修道女で、インドでも貧しい街コルカタで、そこで暮らす貧しい人たちに食べるものや寝る場所を提供してきました。しかしいくら頑張っても貧しい人の数は減りませんでした。そして貧しい人たちの生活環境はなかなか改善しませんでした。

思うようにならずに彼女自身『このままでいいのだろうか』と心が揺れ動く時もあったらしいです。そんな時彼女はただ微笑んだのです。『ただ微笑むだけで、どんなにいい事があるか、私達は知らないのかも知れない』と言いました。

微笑む事には沈んだ心を明るくする効果があります。ただ微笑むだけで動揺した気持ちが鎮まるという効果があります。微笑む事は人間の精神面に多くのいいことをもたらしてくれます。

つまりマザーテレサは『心が動揺した時こそ微笑む事が大切だ、苦しい時こそ微笑む事を忘れないでほしい』と言ったのです。

精神的に動揺して困った状況に直面すると、人間は往々にして暗い表情をしてしまいます。でも暗い顔をしているとますます気持ちが暗くなっていきます。どうしたらいいか分からなくなり、動揺がいっそう激しくなっていきます。

ですから、苦しいと思う時こそ楽天的に微笑んでいる方がいいのです。微笑む事で気持ちが落ち着いてきます。それと同時に希望を持って未来に向かって一歩を踏み出す力が湧いてきます。

幸せな気持ちになります

優しい眼差し

人の目に映る和やかな光は人々を慰めたり励ましたりする力があります。特に落ち込んでいる人は優しい眼差しで見つめられるだけで元気が湧いてきます。初対面の人に対しては気の利いた言葉よりも優しい眼差しを贈る事です。優しい眼差しをくれる人を悪い人だと思わなくなるからです。

『話しやすそうな人だな』と好印象を持たれれば自然と会話も弾みます。思いがけない素敵な出会いに発展するかもしれません。口数が少ない人や、口下手な人でも周りから『何となくいい人だな』とか『癒しのムードメーカーだな』とか『あの人がいると場が和む』などと思われます。

その為のコツは自分の目線を相手の目に向ける事です。まず挨拶をする時は相手の目を見ます。ずっと見続けると相手が話しにくくなってしまうので見つめて10秒ほどしたら相手の口元や胸元に目線を移します。そして、相手の目に視線を戻します。時折『うん、うん』と頷きます。

この一連の動作を続けると『この人は、なんて丁寧に話を聞いてくれるのだろう』と相手は感動し、好印象を持ちます。

優しい眼差しと微笑みをプレゼントしましょう。笑顔は免疫効果を高めて病気になりにくくし、ストレス解消の効果もあるそうです。また最初は作り笑いでも、笑っている内に本当に気持ちも和らぎ、気分が上向きになると心理学では言われています。


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