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審美眼

人の顔は目や鼻、耳、口などパーツの形や数、またそれらの配置は殆ど同じなのに個性があって皆、別人に見えます。人種によって傾向が違うのは遺伝から来る要素が多いらしいです。

約25年前、イランの東部でアフガニスタンとトルクメニスタンの国境近くにあるイスラム教シーア派の聖地マシャド市を訪問した事がありました。そこの商店街で衣服店の店番をしていたオッサンが自分に似ている事に気付き言葉が通じなかった事もあって、お互いに顔を見つめ合った事があります。

後でイラン人の友人に聞いたところによりますと、この地域にはチンギスハーンが遠征した時にモンゴル人が残した遺伝子があるとの事でした。ハザラ人と呼ばれる種族でアジア人の顔つきをしているとの事でした。大いに親しみを覚えました。マシャドの男たちによると隣国トルクメン人の女性が優しくて綺麗で評判が高いとの事でした。

一方、サウジアラビア人や果てはアフリカのスーダン人にもアジア系の顔をした人たちが居て、彼らもモンゴル人の遺伝子によるらしく改めてチンギスハーンの偉大な功績に触れた気持ちになりました。

審美眼

美人か不美人かという審美眼は4歳から7歳までの間に作られるらしいです。子供に美人と不美人のイラストを見せてどちらが美人かを答えるテストをすると4歳児の場合は65%が正答であるが、7歳児で行うと正答率はほぼ100%になると言われています。

これはテレビや雑誌、広告や絵本で学んでいく為と思われます。ドラマのヒロインは皆美人ですし、CMや広告に登場する女性たちも皆、現代流行の美人ばかりです。絵本のヒロインも皆美しい顔に描かれています。反対に悪い魔女や怖い継母は醜く恐ろしい顔に描かれています。そういうのを見続けていると、自然にどういう顔が美しいのか学んでいく事になるのでしょう。

従って、美人か不美人かというのは単に時代の流行で作られている面があります。また美人というのは全てのパーツが平均的な顔という見方もあります。従って誰もが認める典型的な美人は個性が乏しい顔とも言えます。逆に不美人な顔はどれかのパーツが平均から大きくはみ出しているというケースが多いみたいです。

ではなぜ男性は美人に惹かれるのかというと、一つの説は遺伝学から説明したもので、平均から外れるという事は多かれ少なかれ突然変異であり、突然変異は生物学的には弱いとされています。その生物の平均的な数値に近いという事は、安定した遺伝子を持っているという事であり、美人に惹かれるというのは不思議ではありません。

戦前やそれより前の時代では『これが美人』という典型的な形状がありましたが、当然それに当てはまる女性は少数派でした。ところが整形手術が普及した現代においては多くの女性たちが美人レースに参加しています。それによってファッション、エステ、ヘアーメーク、化粧品など多くの産業が成り立っています。

パーツの配置について

社会が発展して女性の地位が向上すると社会的な要求から美人の範囲は広がりました。ところが、不思議な事に各パーツの配置については黄金比のバランスがあるみたいです。

例えば目の間隔は1対1.2対1がいい。また顔全体を『額の生え際から目のライン』『目のラインから鼻の先』『鼻の先から顎の先端』の3つのゾーンが等分になっているのが一つの黄金比です。

他にも小鼻の先端から目尻、眉尻のラインが直線になっているのも理想です。美人タレントさんなどを見ていますとこういう所は大体共通しています。

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表情について

人は真剣になった時や物事を考える時は目を開いて眉を寄せます。逆にボーとしている時は目が大きく開かず眉の間も空きます。それで人は無意識に眉と目の間が狭い人は知的に見え、そうでない人は賢くないように見えます。

優しいという印象も同じです。人は笑う時や機嫌のいい時には目尻が下がります。逆に怒ったり不愉快な時は目尻が上がります。それで人は目尻が下がった人を見ると優しそうな人と感じ、目尻が上がった人を見ると怖そうにみえるのです。

最後に

20年ほど前にバーレーンに何回も行っていた頃、私の顔を見てアラビア人の取引先の人から『何で日本人は皆、同じ顔をしてるんですか?』と真剣に聞かれたことがあります。彼らはアラビア人や印度人、西洋人、黒人の見分けはできるが、日本人は見慣れない為に見分けがしにくいみたいです。見慣れている動物は猿や鹿でも個性が判別できると聞いた事がありますが、それと同じみたいです。

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