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人との交わりについて

今は世界中がコロナ禍蔓延で、日本でも緊急事態宣言が発令され掛かっていて特に飲食を共にするような人との交わりについては強く制限されています。早くこの話に書いたような通常に戻ってほしいと思います。普通の時であれば、海外や遠方からのお客様が来られた時、また身近な人でも心の距離を縮めたい時、食事やお酒の接待をします。

人との交わりについて

相手によりますが、私はお酒の席では商売の話は出来る限りし始めないようにしています。買ってほしい、安くしてほしい等の気持はわざわざ口に出さなくても相手は百も承知しています。商売の話を持ち出すのはそれだけでヤボだと思います。人生観・夢・遊び・旅行・趣味に関することなどの自己開示から始めます。なぜかといえば自分という人間をよりよく知ってもらうことが商売に繋がると思うからです。

一生に一度しか訪日の機会がないような海外からのお客様に対しては特に相手に合わせた接待内容で、いい思い出を持って帰っていただけるような内容にすることを心掛けています。

反対に取引先に招待された場合は相手にもよりますが、相手が負担に思っていると感じる時や商売のネゴに使おうとしていると感じた時はできるだけ接待を受けないようにしています。買ってほしいから御馳走し、機嫌を取ってくれているとすれば、接待でやり玉にあがっている官僚のようにタダ酒が呑みたいというのならともかく打算で偽善の笑顔を浮かべる接待など意味がないし気分も悪い。

また取引先に借りを作ることのマイナス面を十分に心得るべきです。接待費用はなんらかの形で価格に上乗せされていると考えるべきで接待を受けてその会社から商品を購入すれば接待を受けた側が実は接待費をそっくり払っていることになります。諸般の事情でやむなく接待を受ける時は驕りかえして借りを作らないようにしておく事を心掛けます。多くの場合、接待を受ければそのツケは自分に返ってくるものです。
 
『一流ホテルの効用』

一流ホテルのラウンジは最上階にあって眺望がすばらしく、窓の外を見ているだけで気分がいい。しかも便利だ。雨が降っても地下駐車場からそのままロビーに上がれる。空調もいい。トイレもきれいです。必要ならその場で部屋も取れます。食事もできます。酒も飲めます。これほど便利な場所は他にはありません。

そして一流ホテルの何よりの効用は話のスケールが大きくなるということです。大きな仕事を仕掛けるには舞台装置は重要な役目を果たします。煙が立ち込める小汚い焼鳥屋でチュウハイを飲みながら億円単位の話をしたのでは現実味がありません。話は店の格と雰囲気に正比例します。デートの時、焼肉屋と高級フランス料理店では話の内容も質も口調さえも変わってくるはずです。場所は人間の心理に大きく影響を及ぼします。

たとえば部下を情で絡めようとするなら、小料理屋のようなアットホームな雰囲気の店がいい。熱燗を差しつ差されつするうちに話題は自然とプライベートなものになっていくはずです。自分の力を部下に見せつけておきたければ高級フランス料理店に連れていきます。

話題は日本経済や会社の将来、ビジネスマンとしての在り方など気取ったものとなります。部下の口から愚痴は出にくくなるでしょう。逆に愚痴をこぼさせて本音を引き出したければ居酒屋がいいでしょう。意外に見落とされているのが、ホテルの昼食です。一流ホテルの一流サービスがビジネスランチなら数千円で受けられる。

これは商談の場所として狙い目です。夜だとどうしても酒になり、相手が酔って話がグズグズになる。ビジネスランチはあくまで一流ホテルか高級感ある処で食べる事。定食屋や牛丼屋などでは逆効果。商談はあくまで豪華に優雅に、が基本です。

『若さを失わない秘訣』

交際・交わり・付き合い、これらに絶えず注意することは大切です。物事には慣性とリズムがあります。同じような種類の人ばかり集まり、同じようなことを考え、同じような話をし、同じような事を繰り返しやっていると、思考が単調になる。単調になると、これは習慣性で、生命精神が鈍ってくる。眠くなり、老化が進む。すると自分の創造性を失っていく。

ドイツに行くとアウトバーンがあります。いかにも堂々たる大道路が真っすぐに伸びている。道路もこうなりますと交通事故などというものはないだろうと思われますが、実際にはこの大道路でしばしば交通事故が起こります。単調すぎて運転手が居眠りをするのです。そこでしかたなく、ロータリーのようなものを造ってみたり、木を植えたり、いろいろ人間の精神を刺激するよう工夫してあります。我々には適当な刺激と変化が要ります。

大会社の社員には栄枯盛衰の心配がない。従って刺激がない。ちょうどアウトバーンを走っているようなものでじきに眠たくなって居眠りをはじめることになります。絶えず自分を眠らせない為にはグループでの交友を慎むことです。交友はできるだけ変化のあることが必要です。

自分とは専門違い、畠違いの良友を持って絶えず変化のある話を聴くことです。これは実に有効です。つまり、いつも同じような人間が集まって同じようなものを食べ、同じような事を考えて、同じような話をして、同じようなことをして終わってしまわないように、努めて変わった人に会って、変わった話を聴いて、変わった考え方を教わってそれを自分に生かしていった方が若さを保つ事ができます。

たいていの人はその会社のそれも近い年齢の人、その課内、官庁の同じ部局というように、同じ種類の人間だけが集まっているといい気持ちになる。ところが、いい気持ちになると、考えも言葉も行為も同じ型とリズムにはまってしまう。そうすると眠くなる。同じ会社においても他の課、官庁とかあるいは思想界とか芸術界とかの変わったところの交友を持つように心がける。自分を絶えず変化させる。弾力あらしめるように心がける事が若さを失わない為に必要です。

接待を上手に活用して人との『間』をうまく取り、商売を繁盛させ、人生を充実させられたら幸せかと思います。早くコロナが終焉してほしいです。

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