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雑談とホームパーティー

海外出張に行くとよくホームパーティーに招待されます。特に中近東や中央アジアの国々では日本人の私は珍しいためか、親戚から友人、ご近所まで様々な人たちが集まります。そこに私は同席して雑談に加わります。一般的な会話として日本の事をよく聞かれます。

ホームパーティーと雑談

人を自宅に招くのが好きな人は、ハートがオープンで友人がたくさんいます。また周りの人に信用されやすくなります。例えばご飯を一緒に食べたことが一度もない人と、10回ご飯を一緒に食べた人だったら、誰もが後者を信用します。『一緒にご飯を食べる事』と『信用』とどんな関係があるん? と思われるかもしれません。

でも『仕事でしか会った事のない人』と『一緒にご飯を食べた事がある人』と『一緒に旅行に行った事がある人』とでは『親しさ』の度合いが違ってきます。それも一対一でご飯を食べるとか家族ぐるみで旅行するといった事でも、親しさの度合いは違ってきます。

そういう意味で、お互いの親しさを増すには、自宅に招いてご馳走したり、相手の家に行ってご馳走になったりすることはとても大事な事です。誰かの家でご馳走になったり、泊めて貰ったりする経験が増え、そういう人たちが多くなればなるほど、人間関係のネットワークが広がって行きます。心の距離が縮まる。

ホームパーティーでは雑談します。雑談は『混沌』です。リラックスした空気の中で、素直に思ったままの事が言える心地よい会話です。友達同士のおしゃべりから,仕事帰りの上司との飲み会、もしくはホームパーティーや恋人同士の思わず時間を忘れてしまう談笑まで、私達の一日は多くの雑談で占められています。

その素直で混沌としたエネルギーを主体的に味わう事ができれば、そこから確実に何かを生むことができます。むしろ混沌であるがゆえに思いもかけない発見や発明、そして誕生があるのです。要するに雑談の中にも何かが生まれる質の高い雑談とそうでないものがあるという事です。

例えば好きな人と初めてデートした時、『好きな映画は?』『好きな歌は?』『好きなお酒は』『好きな外国は?』など、それはお互いの目的がはっきりしているから、集中できて、全く苦にならないはずです。つまり相手をより深く知って、愛情を育むという共通の目的があるので、そういった雑談には質の高いエネルギーがあります。

逆に興味のない会話の中にいる自分を想像してみて下さい。『あ~あ、この話早く終わらないかな』もしもそんな気持ちで相手と会話しているとしたら、たとえそれがどんな話題であっても雑談はただの無駄話、文字通り『雑な話』になってしまいます。

その話の内容について『知りたい』という欲求があるかどうか、その主体的な意識の有無が雑談を金の卵にできるかどうかの分かれ目になるのです。海外でパーティーに誘われた時の為にも、自分の趣味や自国の事などを話題として準備するといいでしょう。また国によってはふさわしいジョークなんかを披露できれば喜ばれます。何しろ自分は酒の肴ですから。意外な事に、ウクライナでは酒の席でロシアの悪口を言うと盛り上がります。

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