4歳のお誕生日

Written by wattle🌼

先日娘が誕生日を迎えて4歳になったときのこと。

「4歳になってどう?」と尋ねてみたら予想もしない答えが返ってきた話。

「4歳になりたくないの。死にたくないから。。。」

それまで待ちに待ったチョコレートケーキでローソク消し、バースデーソング、御賞味と終始超ノリノリだった彼女は、この質問をした瞬間から顔色が変わり、涙目になりながら、「死にたくない」と切実に言い出したのだった。

のん気にへらへらと「4歳どや?」と聞いていた俺は、言葉が詰まりへらへら顔のままフリーズしてしまった。せっかくのハッピーバースデーが、こんなアンハッピーな雰囲気になるなんて。。。

こちらも若干テンパってワケが分からなくなったので、無心になって思いついたことを聞いてみることにした。

「えーと、どうして死にたくないの?」

「だって、みんなに会ったりできなくなるからやなの」

そこか!4歳の誕生日にして、永遠の別れの悲しさで胸をいっぱいにしていたのか。。恐るべし4歳児。。。

とりあえず、涙目の娘のテンションを回復させるべく、会話を続ける。

「そっか〜そうだよね。死んじゃったら一緒に遊んだりもご飯食べたりもできないもんね。でも、まだ4歳だよ?そんなにすぐに死んだりしないよ。パパなんてもう30年以上生きてるし、おじいちゃんやおばあちゃんもまだ生きてるでしょ?」

「でも、やっぱり死にたくないから、4歳になりたくないの」

気にしてるやつに「そんなこと気にすんなよ」と言っても大概意味がないよね。。

その後はケーキを食べたりおもちゃで遊んだりで気を紛らわせ、なんとかその場を切り抜けた俺だった。


これには色々考えさせられた。

娘の方が、大人の俺よりも死というものをよりリアルに感じている。
思えば娘は死に敏感だった。
廊下や道路なんかに落ちている虫の死骸によく気づいて俺に報告してくる。

そして、今日・明日、一年先くらいで死ぬはずがないという根拠のない思い込みに洗脳されている自分。(自分で洗脳しているのか)

ガンで20代で逝った友人の死を目の当たりにしたというのに、俺のこの緊張感のなさよ。。


人はいつ死ぬかはわからない。そして、死んだらもう家族とも、恋人とも、友達にも会えないし、やりたいこともできない。

こんな超シンプルな事実を本気で分かっていれば、生きている時間を真剣に生きなくちゃいけないと気づけるはずなのに、なかなかどうして…

毎日全力で遊んで、嫌なことは嫌!やりたいことだけやりたい!と主張して生きる子どもの力強さを感じた一日だった。

いつまで経っても未熟なパパだが、君が4歳になるまで生きてくれたことが、それだけで本当に、嬉しい。



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