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「何か一緒にやりたいですね」が叶う日

「TOKYO NIGHT PARK」HIROBA編集版
水野良樹×ハマ・オカモト

OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんを迎えて、
ついに実現した
J-WAVE「TOKYO NIGHT PARK」の対談。
2週にわたるオンエアに加えて
放送されなかった内容まで、
熱い言葉の数々を
全4回のHIROBA編集版としてお届けします。

Part 4 「何か一緒にやりたいですね」が叶う日

水野 ハマ・オカモトさんの10年を総括するムック本が出ました。

ハマ ありがとうございます!

水野 「BASS MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES『2009-2019"ハマ・オカモト"とはなんだったのか?』」が発売中です。大変恐縮ですが僕もコメントを寄せさせていただきました。

ハマ 本当にありがとうございました。とってもうれしかったです!

水野 錚々たるミュージシャンのみなさんが熱いコメントを寄せていて「すげーな!」と。

ハマ いやぁ、本当にありがたいです。

水野 愛されているなと感じました。コメントを見て、いかがでしたか?

ハマ コメントをお願いするにあたって「基準をきちんとしなければ」と。

水野 なるほど。

ハマ 明確な基準は「一緒に演奏した方、楽曲制作に携わらせていただいた方」。その他には自分の仕事場でお世話になっている方ですね。

ムック本の裏テーマにもなりますが、「自分のことが自分でいちばんわからない」というか。この際だから客観的に聞きたいという思いで、総勢166人の方々にお願いしました。

水野 すごい!

ハマ みんな、細かいことも覚えてくれていて。僕も記憶にあったことを書いてくれている方もいれば、「そんな素振りを全然見せなかったのに、そんなふうに思っていたのか」と、うれしく思うこともあって。棺に入れたい一冊になりましたね(笑)。

水野 素敵(笑)。

ハマ 本の最終チェックが、ちょうど体調不良で寝込んでいる時期で。横になりながら、もう衰弱しきってのチェックで…自分の本なのに半泣きになりながら(笑)。そういう意味でも思い出に残りました。

水野 すごくいいエピソードですね。

ハマ 無事に回復したから言えることですよね。

水野 自分が理想としている「こんなベーシストになりたい」という気持ちと、いろんな人が寄せてくれた言葉で、重なりやズレはありましたか?

ハマ スタジオミュージシャンとして生計を立てている方が日本にも世界にもたくさんいる。技術や知識の面で僕にできないことをたくさんやられている方がいる中で、自分が現場にいることや制作に携わることでプラスになったことは何だろうと常々考えています。

「バンドをやっている人間だからこそできる仕事」と「現場を楽しみたいという思い」を大事にしながら参加させていただいている。そのスタンスがいろんな人に伝わっていて。

水野 はい。

ハマ 「演奏が上手くて最高だよね」で終わらず、一緒に共有する時間のことを書いてくれていたことがうれしかった。そういう存在、役割を担えたらいいなと常に思っているので。

水野 なんで、そんなにいい人なんですか?

ハマ いやいや。ギスギスするのは自分のバンドくらいでいいかなと(笑)。

水野 (笑)

ハマ 一個人でやるからには楽しいほうがいいという純粋な思いです。

水野 なるほどね。前に僕たちの番組に出ていただいて。オンエアを見ていて、なんでこんなに受け答えが気持ちいいのだろうと。

ハマ 結局ベースがあるのに、ベースを弾かなかったという(笑)。

水野 レコーディングでセッションミュージシャンのみなさんに集まっていただくときって、緊張感があるんですよ。

ハマ はい。

水野 気持ちよく弾いていただきたいと思うと緊張感も必要で。ハマさんと初めて会ったときに「すごく会話が気持ちいいな」と感じました。本当に。

ハマ ああ、うれしいです。

水野 勝手に、距離があるのかなと思っていたので。どんなスタンスでお話したらいいかなと思っていましたけど、本当に気持ちよくて。吉岡が仮歌でノリノリになっちゃって。

ハマ いやぁ、本当に貴重な体験でしたよ。

水野 素敵なライブを見せてもらっているような演奏で。

ハマ 完全に「せーの!」で録りましたからね。

水野 コントロールルームもノリノリでした。

ハマ うれしいです。

水野 みなさん、いろんな現場で感じていらっしゃるんですね。

ハマ そう思っていただけて、よかったなと。

水野 最後にこれからについてお話したいと思います。

ハマ はい。

水野 活動としては、バンドとセッションミュージシャンとして。

ハマ そうですね。何ができるか常に考えていかなければいけないなと。現状、ライブハウス、ホール、アリーナでびっしりと人が集まった中でライブをすることは叶わない。でも、常にバンドが動いていることを見せていく。

水野 はい。

ハマ そうしないことには、ファンやお客さんの士気が下がってしまう…。無観客ライブもひとつのやり方としてチャレンジしないといけないかなと考えています。

夏フェスも中止や延期が相次いでいますし、最低でも夏過ぎまでは今まであった景色が見られないでしょうから。そこまでは何ができるか、バンドとしても個人としても考えていく必要がありますね。

水野 たとえ小さなことだとしても、動いていることを見せる。それが、何かを楽しむ精神性を取り戻すということにつながる。

ハマ そうですね。

水野 「明日、感染してしまうかもしれない」「明日、職を失ってしまうかもしれない」と不安を感じている人がたくさんいる中で、何かを楽しむ精神性を本気で守らないといけない。社会全体がパワーを落とさないためにも、とても大事なことです。

しょうがないことですけど…どうしても尖った言葉ばかりが飛び交ってしまいがちなので。ポジティブなパワーが生まれるきっかけをつくり続けるしかないだろうと思います。

ハマ その通りですね。

水野 ハマさん、いつかまた弾いてもらっていいですか。

ハマ もちろんですよ!

水野 「何か一緒にやりたいですね」が叶う日が来ることを祈るしかない。リモートではなくスタジオやライブ会場で会えるほうが絶対にいいですから。こういった「いい約束」をしていきたいですよね。

ハマ 本当ですね。

水野 いつかまたスタジオにも遊びに来てください。

ハマ ぜひぜひ!行けるようになったらすぐにでも。ありがとうございました!

(おわり)

前回:Part 3 プロの仕事

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ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)
1991年生まれ。ベーシスト。
4人組バンドOKAMOTO’Sの活動のほか、
数多くのアーティストのレコーディングや
ライブサポートでも活躍。
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OKAMOTO‘S オフィシャルサイト

Text/Go Tatsuwa

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