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本を読むよりも、映画を見るよりも、息子をどう叱ったらいいか、考えています。


本を読むよりも、映画を見るよりも、息子をどう叱ったらいいか、考えています。

3歳児、やんちゃざかり。
なかなか外にも出られない状況ですから、有り余ったパワーを家庭内で爆発させています。習い事もオンライン授業(今どきですね、ほんとに)になって、昨日もその日だったんですが、椅子に座ってられません。一生懸命あやしてくれる画面の先生に向かって「やだー!」と叫ぶ始末で、叱らなきゃならんと思うわけですが、これもなかなか塩梅が難しい。3歳だから無理もないんです。だが、やきもきはするわけです。こちらも感情的になって苛立ちが全面に出てしまって、泣き顔になったところで冷静になって自己嫌悪になったり。

ちょっと親が怒鳴ったりしたのを覚えているんですね。
そのまま風呂場で同じセリフをこっちに叫んだりするんです。

ああ、いけないなと。こんなふうに怒ってしまっているんだ。と。
結局、息子に教わっている感じというか。気づかされますね。

そもそも人を叱れるような立派な人間か、お前は。と反省したり。
当たり前ですが息子のほうがよっぽど正直でまっすぐで、たぶん僕よりよく笑っています。

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外出自粛で、空いた時間にインプットを。
本に、映画に、ネットフリックスに、オンライン人狼に。
という方がいる一方で、正直、”生活に忙しい”という方のほうが多いんじゃないでしょうか。

僕は家族のサポートもあって、なんとか仕事をする時間だったり、物を書く時間を与えてもらっています。かなり甘えている立場だなと思います。
それでもなお、ついつい苛立ってしまう自分がいたりするわけで。

「時間の余裕ができたこのときに、かくかくしかじかこんなことを頑張ってみたら?」とか造作もないように言われてしまうと「いや、みんな、前から日々の生活を頑張ってるんだよ。そして今はもっと頑張っている」と思ってしまいます。

このほとんど誰も経験したことのない外出自粛期間。
いつもの生活とは違うイレギュラーなことが起きて負担が増えるひともいれば、仕事を奪われて生活が逼迫しているひとたちもいます。不安と怒りで、なかなか精神的な安定がとれず、集中することができないひとたちもいるでしょう。
それぞれが抱える状況って、ひとりひとりが全く違っているわけで。

”正しい日々の過ごし方”なんてあるわけないんですよね。

もちろん感染予防にとって心がけるべき正解は、いくつかあると思うのだけど。

この厳しい春は誰もが当事者です。
個々人の置かれている環境の違いが、今までの生活よりもダイレクトに”差”となって出てしまいます。

自分も気をつけなくてはならないなと思うのですが、「わたしの生活」と「あなたの生活」は違うのだということを頭に入れておかないと、今まで楽しく会話できていたつながりのなかに、途端に分断が見えてしまう可能性もあると思います。

気を使いすぎても、疲れちゃいますけどね。

今に限らず、そのひとにとって大切にしている”正しさ”に対して、敬意をもっていたいなと思います。


水野良樹



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