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「TOKYO NIGHT PARK」 ビッケブランカさん対談 HIROBA編集版 後編
【後編】AIが作曲したら?
水野 ここで話題を変えて、リスナーのメールを紹介します。せっかくなので一緒に答えていただいてもいいでしょうか。
ビッケ もちろんです!
ラジオネーム ミーカさん
「私はネットでの買い物が大好きなのですが、最近のコロナによってさらにその頻度が上がっています。そこで問題なの問題なのが、『これを買った人は、これも買っています』という提案にまんまと乗せられてポチってしまい、さらに『これを買った人は、これも買っています』と薦められ、またポチってしまう。後日、商品が届いて『これ、本当はいらなかったなぁ』ということもしばしばです。そんなとき、またAIに操られてしまったという気持ちになると同時にちょっとした恐怖を感じます。ネットで買い物するときのAIの提案をどう思いますか?」
水野 AIに提案されなくても、この人は買っている可能性はありますよね。誰かに薦められたら、ついつい買ってしまうという。
ビッケ もともとそういうタイプの方のような気もしますね。
水野 AIを使ったEQ(イコライザー)のプラグインソフトも出てきていますよね。
ビッケ 僕も使ってみましたよ!
水野 いかがですか?
ビッケ まぁ、まだ使いこなせてないのもありますけど、やっぱり自分で聞いて(EQを)かけたほうがいいですよ。
水野 なるほど。それはやっぱり技術があるからだな。
発展途上ではありますが、ミックス分野でのプラグインのAI機能も発達するだろうし、もっといくとアレンジやコードワークであるとか、さらにメロディであるとか、どんどんAIが侵入してくると思いますが、それについてはどうお考えですか?
ビッケ 当たり前の流れというか。今は将棋なんかでも、例えば藤井聡太さんが対局しているのをAIが判断してどちらの勝率が高いかを示してくれたりしますよね。藤井さんもAIの将棋ソフトとバトルして強くなっていったとか。
水野 はいはい。
ビッケ AIは将棋を指せるわけじゃないですか。このままAIができることの辞書が分厚くなっていく中で、コンポーズ(作曲)ということがその辞書に入るときが来るだろうとは思います。
水野 どっちがいいものをつくれると思いますか?
ビッケ こればっかりはAIに感情を持たせないと勝ち目はないですよ。人類の勝利!
水野 自信満々だなぁ。
ビッケ 完全に人類の勝利ですよ、絶対に。
水野 感情を分析されるかもしれないじゃないですか。
ビッケ 例えば、ちょっと転んだ人に対して「大丈夫?」とかける声と、僕みたいにどうしても仕上げなくちゃいけない曲がつくれなくて、長いこと苦しんだ人間に対してかける水野さんの「大丈夫だよ!」っていう言葉って全く重みが違うじゃないですか。そんなことまでAIにわかられてたまるか!と。
水野 急にカメラ目線で(笑)。
ビッケ それこそが人間にしかない感覚だと。他の動物にもないといわれているわけで。恥ずかしいという感覚も人間にしかないというし。そういう感覚までAIにわかるのか…まぁ、わかってもらっても構わないけどね。
水野 (笑)
ビッケ 同じ土俵でバトルできるわけですから。
水野 感情とはなんだろうか?という定義づけの話が哲学分野には数多くあると思います。それがAIの技術に導入されたときに、どう再現するのかという検証が行われていく。さっき、ビッケさんが自分の中に染みついているものを整理せずにバーッと出していったほうがいいと言っていたことは大事で、人間ってそういう偏りがあるじゃないですか。
ビッケ はい。
水野 例えば、ビッケさんが途中までつくった曲を仮に本間さんに渡したとしたら、本間さんは本間さんが培ってきた技術と理論で作業するからビッケさんらしい偏りを表現することはできない。表現しても、それは本間さんにしか出せない偏りになってしまう。どちらがいいかではなく、そういうもの。だから、その偏りはビッケさんにしか出せないものだと思うんですよね。
AIはその究極で偏りがないじゃないですか。全て合理的に、プログラミングされた通りに進んでいくことを考えると、偏りを出せないことが人間らしくないというか。偏りを演出することしかできないので。そこが分かれ目になっていくのかなと思ったりもしますね。
ビッケ おお、なるほど。
水野 感情も非合理なものじゃないですか。同じように悲しんでいる人が目の前にいても、えこひいきするでしょ。
ビッケ しますね。そういう部分でAIにできないと思えていることも今のところはあるし。でも、どうなっていくんでしょうね。できるようになる可能性も…。
水野 なきにしもあらず。
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