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「企画書に感動!?」[指定企画]地方観光DX!フリーランスチームで、全国の困っている地域の活性化をいくつ手がけられるか(2)

こちらは私が参加しているランサーズ株式会社主催の「新しい働き方LAB」の「研究員制度」指定企画「地方観光DX」の研究計画書noteです。


◆プロポーザル獲得

あっという間に夏が過ぎ、気がつけば秋はすぐ目の前。もうその匂いがしてきそうです。そして気づけば私はここ最近、抜けるような青い空の下、カメラを持ち、車で駆け、空に向かってドローンを飛ばしています。

海岸で風待ち

7月に仲間たちと応募したプロポーザル。見事に案件を獲得しました。
個人的にはプロポーザル応募や、案件獲得は経験があるのですが、それはあくまで自分の会社内での話。フリーランスのメンバーがアライアンスを組んで取るという体験は、もちろん初めてです。

なぜ案件が獲得できたのか

こ勝因、それは女性の感性やベテランと若手のコラボレーションを前面に出したこと、そしてクライアントがそこに魅力を感じていただいたこと。ここに尽きます。つまり自分の会社や、これまでのネットワークでは出せなかった企画を提出できたというのが大きな糧です。
その企画書の中身とは?

<案件アウトライン>
◎クライアント:西日本の某県観光連盟様
◎案件概要:県内の観光地100ヶ所以上の観光写真を撮影
◎成果物の活用:観光PR素材として旅行会社のパンフレット、マスメディアの掲載など幅広く提供し活用

仕様書/募集要項

この企画は10名を超えるメンバーがチームを組んで企画競争に参加しました。ざっくり役割を紹介しましょう。

◎プランナーさん:コンセプトの策定と裏どり
◎PM(プロジェクトマネージャー)20代の女性 
   感性を生かしたコンセプト執筆
◎プランナー兼マネージャー:企画書のリライトとトンマナ制作
◎フォトグラファー多数:20〜50代までの女性男性混成チーム

◎私は何をしたか?
自分の法人をフロント企業として提供しました。
プロポーザルは原則として法人が参加対象になっています。今回の観光DXでは法人を持つフリーランスが何名か参加していますが、プロポーザルにはフロントになって契約をする企業が必要な際に、メンバーが法人格と共に主体的にチームを組んでいきます。

私の役割は、法人の名前で企画書を出すことになるため、主として企画書の実現性、予算とのバランス、これまでの参加経験をもとにした他者との差別化、クオリティの管理などを担当しました。

これまでのプロポーザルとの決定的な違い

これまでのプロポーザル(自分の会社で参加したこと)と全く異なることを掲げてみます。
従来)企画案作成から、企画書の執筆まで全て1人でやった
今回)役割分担し、各人のスキルや経験を企画書に落とし込めた
   加えて個人的には企画書を俯瞰的に見ることができて細かな気づきが活きた

<メリット1> 実績が広がる

大手企業であれば複数の案件実績を持ち、多彩な事績を企画書に掲載できます。しかしフリーランスは個人、あるいは小規模な法人が主体なため実績数には限りがあります。
加えてプロポーザルの実績とは主に直接受注案件を指すため、代理店や広告会社発注の仕事はカウントできないという問題も。
ですので複数のフリーランスが集まるということは、それぞれの実績も加えられるということで、それだけでも大きなメリットになります。
しかもメンバーの方に「すごい人」がいると、それだけで有利になる可能性もあります。

<メリット2> 異なる目線で企画を掘り下げ

今回の企画要件には「外国人観光客向けを意識した撮影スポットを盛り込むこと」が条件でした。そこでデータ分析に強いメンバーさんがデータに基づき、どのようにスポットを決めるのかコンセプトを策定してくれました。
自分の会社ではできないことです。そもそも営業ジャンルが違い過ぎます。
専門家の知見と調査が活かされた企画書は、イコールエビデンスのある提案となります。
また自分のようなクリエイターではない別の職種の方の意見は、普段思いつかない目線が多く、企画書がどんどんブラッシュアップされていきます。

<メリット3 普通では組めない人とコラボする化学反応

実験に参加していなければ決して出会うことのなかったメンバーと協業できることは最大の収穫です。
今回のチーム、最大の立役者はプロジェクト・マネージャーに手を挙げてくれた若手の女性メンバーです。

多くの場合、プロポーザルではベテランを中心にチームを組みます。プロジェクトのリーダーもベテラン、しかも男性が中心にいることもまだ割と普通にあります。
今回は「写真」という感性と技術が必要な商品です。技術はベテランに分がありますが、感性は若い世代、しかも女性の方が豊かなのは間違いない事実。

そこでみんなで話し合い、企画書は私を含むベテラン勢が章立てやアウトラインを作成し、PMさんが執筆することになりました。また彼女が撮影した完成豊かな写真を随所に散りばめました。
写真を含む映像コンテンツ業界。プロポーザルの競合他社はおそらく新聞社などの地元メディアや広告会社。男性が中心のチームになることは予測できました。
若い世代の写真に関する考え方や感受性、女性ならではの表現が、他社との完全な差別化になると思っていました。


実際の企画書の作成では、PMの彼女の感性が存分に活かされることになります。彼女が執筆した企画書の冒頭から引用します。

このチームは、
◆経験豊富なベテラン ◆経験は浅いけれど感性豊かな若手(20〜30代) の両方が参加しています。 若者〜人生経験豊富な方まで、幅広い年齢層の方の気持ちに共感し、寄り添えます。
ベテラン陣の確かな技術力と、若手ならではのフレッシュな感性や着眼点を掛け合わせて、 このチームだからこその写真を撮影します。

企画書より

「寄り添える」という言葉は僕の仕事に対する姿勢で最も大切なことです。その言葉が彼女から紡ぎ出されたことにびっくりです。多分この一言で、企画書ひいては今回撮影される写真のイメージが湧いてきます。

デメリットやリスクは?

とはいえフリーランスのアライアンスはメリットだけではありません。今回私にとって一番懸念だったのは「初めてのメンバーで品質をどこまで担保できるか」という部分でした。
写真や映像を撮るクリエイターはたくさんいます。しかしクリエイティブとは正解がない分、品質に大きく差が出ます。全く初めて仕事を組むメンバーがどんな写真を撮ってくるのかは未知数でした。

しかしそれも「ある程度の人数が集まる」ことで回避できるのです。それは企画書の売りでもあった若手とベテランのコラボレーションです。
経験値を踏むと当然実績が増えてきます。つまり検証が可能となります。そうした一定の品質を持つフォトグラファーと、若手が組むことで補完できることがわかりました。

業務の写真の場合、いわゆる定番的な写真を撮ることはマストです。それに加えて情感のある、いわば感性で撮る写真が加わることで、深みを増していきます。
若手が感性が得意ならば、ベテランは定番を撮るスキルがあります。組むことでお互いに刺激を受け、スキルアップにも繋がります。
マネジメント側としては一定の品質を担保することができるのです。この仕組みはとても重要だと思います。「楽しく仕事しようぜ」で終わるのではなく、品質の担保された商品を納品してこそプロの仕事だからです。今回は実験ではありますが、クライアントからみれば「実験」ではなく「取引」なのです。
これは今後も強く自分に言い聞かせながら、参加していくつもりです。

「感動しました」ご担当に伝わった企画書

さて。仕上がった企画書は「読みもの」としてもじわーんと暖かくなってくる、そんな内容でした。
そして締切から数日後、無事にプロポーザル通過の連絡をいただきました。当初は県内の事業者に決まるかと思っていたそうです。

審査員一同、提案内容に感動していました。私(ご担当者)も、とても丁寧な企画書だったので、県外企業様であっても安心してお願いできるな、と思いました。

ご担当からのメールを一部要約

夏。撮影開始。

山の中にある街の朝にて。

現在10名近くのフォトグラファーと、マネージャーによるチームで撮影が始まっています。

アポ取り、許可どりを一気に担うマネージャーさん、交通手段がないフォトグラファーに車を提供するクリエイターさん。東京から身軽に飛行機で大分に入り、2週間以上滞在してじっくり撮影するベテラン。
実に多彩なメンバーによる、スタイルもさまざまな撮影スタイルです。僕は何人かの方とご一緒しましたが、改めて「仕事って楽しいんだ」と思わせてくれるそんな時間でした。
新しい働き方とは、実は仕事の楽しさと、スキル向上のきっかけを見つける実験でもあるのかもしれません。

今回受注した業務は来年3月まで撮影が続きます。本企画の最大のセールスポイントである女性フォトグラファーは、この秋に現地に入り、本格的な撮影が始まる予定です。

#私の働き方実験

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