日本冒険編 | 28年間の集大成と未来
こんにちは、自転車で世界一周をするひろです。今までやってきたことや大きく変わったターニングポイントなどをご紹介します。
今回は自転車での日本横断編についてご紹介します。
冒険前
冒険の目的
それまで手にしていたほとんどのものを捨てて日本を横断する冒険に飛び出すことを決意した。世界を冒険してワクワクという『興味』の幅は広がったが、自分の国を知らなかったことに気づいた。だからこそ今回は自分の生まれた世界を体験しよう、いや、しないといけないと思い始めた。
ただ冒険をすることは決めたが2つ問題があった。それが「どうやって周るのか」「どう周るのか」ということです。今までの旅は飛行機と電車を使った全て流れに身を任せてって感じの旅だった。
ただ今回は旅を成り立たせるツールと周り方をしっかり決めておこうと思った。あの時の旅は目的はほとんどなかったが今回は具体的な目的がしっかりある。だからテキトーな考えで旅をしても何もその目的を達成することはできないと考えた。だからこそ周るツールと周り方はしっかり考えた。
周るツールと周り方
周るツールは今回の日本旅は色々考えていたが自転車で旅をすることを決めた。今までは飛行機と電車を使った旅をしていたがそれだと問題がたくさん出てきた。
などなど、、、特に『現地を深く感じることができない』ということは僕にとっては致命的。日本のことを知るってなった時にその地域ごとの魅力や特性を知ってるのは現地の人々とのコミュニケーションがとても重要になってくる。
ただそもそもどうして現地を深く感じることができないのかというと、飛行機や電車で現地に行くと最終電車や飛行機の離陸時間などが決まってるから常に時間を気にしないといけない旅になってしまう。
そうなると頭の中の優先事項は電車に間に合うってことを重視する旅になってしまうので、より重要な現地の人とのコミュニケーションを蔑ろにする可能性がある。
自転車で旅をするなら時間には基本的に左右されない。そして実際にかなりスピードを出していくわけではないので比較的現地の人とコミュニケーションしやすいツールだと思った。
そして周り方は出発を群馬県で日程を2023年1月か2月頃と設定していた。だから群馬から下に向かっていくことに決めた。
冒険の始まり
嬉しさと寂しさの前夜祭
出発前日の夜はおじいちゃんとワインを2人で自然と飲む流れになった。普段と変わらないおじいちゃんの夜の晩酌に付き合ったがいつもとは雰囲気は違う。おじいちゃんの雰囲気はどこか切なさを感じた。
孫が新しい一歩を踏み出すってことに対しての嬉しさと一緒に生活していた場所から離れていく寂しさから来ているのだろう。いつもは僕から声をかけて飲もうということはないがこの日だけは自分から声をかけた。
ワインを飲みながら哲学、旅、将来の話など話が弾む。前日になると話の内容に関わらず「この話をしっかり聞いて大切に心に刻もう」と意識するようになる。その前とは変わらないなんの変哲もない話なのに不思議だ。
自分自身の中でもこの瞬間を本気で大切にしようという気持ちが自然と出てきた形が現れているのだろう。
ワインも飲み干し「また明日」と一言ガラス越しに伝えた。ゆっくりと逆を向いて電気を消して、食べたものを台所に持っていくおじーちゃんの姿を見て思った。
僕は一人一人色々な人から支えられて今がある。その一人一人の人からいただいた恩がたくさんある。そして次の旅でもその頂いた恩をたくさんもらうだろう。だからこそ一瞬一瞬の出会いと別れを大切にしないといけない。
その背中姿から頂いたものの大きさをふと感じた。
当日の朝陽とともに
今でも忘れない。普段なら7時とか8時とかに起床するのにこの日だけは朝5時35分に目が覚めた。和室の窓から差し込む朝陽がまぶたの上を照らして目を開ける前に「今日行くのか」と心で感じながらゆっくりと体を起こす。こういう日ってなぜか気持ちよく早起きができる。
そして2階に上がるとお母さんが朝ごはんとお弁当としておにぎりを作ってくれた。まさに大切に心に刻む瞬間はこういう瞬間の一挙手一投足だ。細かい部分にも感謝を伝えながら朝食をゆっくり食べ始めた。
そして朝食を食べ終わり、いつもの散歩道を一周してから群馬の実家を出発する瞬間が来た。お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがわざわざ外まで出てきて「頑張って」と一言もらい、しっかり握手を交わした。
そして自転車に荷物を積んで自転車を押しながら前に進む。前に進みながらも前が見にくくなりつつも、ちらっと振り返るとずっと手を振り続けてくれる3人の姿がそこにあった。
「ありがとう」と心の中で唱えながらゆっくり坂を下っていき旅が始まりました。
冒険を通しての7つの気づき
2月から6月までの5ヶ月で自転車で日本横断は完遂した。途中いけないところなどもあったが1つの区切りとして完遂した。その5ヶ月にわたる旅の中で次の旅につながる本当に大切な気づきがあった。
01 やっぱりどこまで行っても灯台下暗しな世界
群馬→茨城→千葉と今まで慣れ親しんだ地域を旅していく中で「やっぱり全然知らない世界が広がっている」と感じた。特に茨城県は生まれ育って20年以上住み続けていた場所。
だから思った。どこまで行っても世界は未知であり続けるんだって。だとしても知らない世界が本当に多く、旅を始めて来て良かったと心から思った。このままもしずっと知らないままでいたら死んだ後に信じられないほど後悔するだろうと思った。
02 偽りのありえない
今回の旅で50人以上の人と旅の道中で話し合った。そこで「これどうぞ」と何かをいただく機会がとても多かった。これって本当に不思議なこと。仮に普通に生活して、道を歩いていても水やおにぎりをもらう機会なんて絶対にない。
ただ今回、自転車に荷物を積んで旅をしたことで自分の中に刻まれていたあり得ないと認識していた固定観念の世界をぶち壊した。そう、自分で勝手に考えてる"ありえない"なんてことはないんだってことに気づいた。
03 根拠のない自信
旅をする前に「本当にできるのか?」と不安になっていた。ただ1日1日前に進んでいくにつれてこの不安は漠然としたもので希薄なものだと気づいた。人間は一般的に漠然とした正体がわからないものに対して恐れを抱く。これも同じ。
日本横断なんてできるか分からないけど世界冒険した自分があったんだからできるっしょ。逆にできないという論理を組み立てる方がよっぽど難しい。
根拠のない自信が生み出す一歩は未来を作り出す。
04 コミュニケーションの重要性
現地の人とコミュニケーションをとっていく中で人の優しさを強く感じることはもちろん、旅の目的である日本を知るということも深く学べた。やっぱり現地の深みを知る術はそこに住む人に在る。
今回は日本を冒険する中で日本を知るって目的でのことではあるが、他のことにも転用される考えだ。現在は人とコミュニケーションをとる意識が薄れている。というより時代が作り出したサービスがコミュニケーションの価値を低く感じるようにさせてしまっている。
実際に現地に行って分かったことがたくさんあった。それ以外に人が人を繋いでくれたり、旅の副産物的な出会いがところどころあった。
05 チャレンジ風な見た目が阻んだ主体性
今回の旅でもっとやるべきだったと感じたのが主体性だ。主体性がなくても周りの人が声をかけてくれる。なぜか?それは自転車にたくさん荷物を載せていて頑張ってる人がいるという雰囲気作りがおそらく良かったから色々な人が声をかけてくれた。
ただ道を歩く人などに自分から声をかける回数は少なかった。それをしなくても声をかけてくれるだろうとどこか心に余裕があった。ただもし人に声をかけるだけじゃなく、自分からアクションする自分がいたら何か今とは変わっていたのかもしれない。
06 28年かけて見つけた、興味関心の『ワクワク』を超えた『好き』の正体
子供の頃に死というものを強く感じ、自分の好きなことをどんどんやらないと人生もったいない、そう思って国際交流イベントを開いたり、語学サービスを作ったり獅子奮迅の勢いで日々を過ごしてきた。ただその本当の『好き』とは何かが見えてこなかった。
ただ今回の旅を通して現時点におけるその輪郭がはっきり見えてきた。それは"未知に触れ、体験がイメージを越える瞬間を作り続けること"だ。つまり自分がまだ知らない、もしくはイメージはできるけどそのイメージを超える可能性を秘めているものに挑戦することだ。
フィリピン留学での韓国人との出会い、世界を冒険した時の難民との生活、今回の日本旅を達成した時の感情、などなど全てのシチュエーションで僕はこの自分が今いる状況『好き』と感じていたと旅を通して強く思った。
好きというものの大枠が見えてきたことで28年間は過ぎてしまったけれどそれがあっての今であり、今後はもっと方向性が定められてきたので加速させていく。
07 コーチの「優秀者になれ」という言葉の奥底
最後に小学生の頃にコーチから頂いてずっと心のどこかに閉ざされていた言葉。この言葉の解釈がようやくできた。これは『優秀』と周りが認知する存在、つまり主観で見るのではなく、客観視しなくてはいけなかった。
「優秀になれ」とは周りから見て優秀(=素晴らしい)な人だねと言われる存在になれという意味だったと、旅を終えてから見返したSNSのメッセージを頂いてから気づいた。そしてその存在を僕も納得して受け入れている。
ようやく未解決だった『好き』『優秀者の正体』の2つが自分の中で解放された。
冒険を経た未来への道筋
僕が感じる好き、どういう存在になるべきかが見えてきた。そして今回主体的に動けていなかったなどの自分の弱みが見えてきた。
これらの自分の芯となる部分のパーツが見えてきた中で次に歩み出す世界。
それは自転車で世界を冒険して現地の人からウェルカムと言われる存在になる挑戦をすること。
ここに向かって今から突き進んでいく。
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