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不思議の国のみちるちゃん

不思議の国のみちるちゃん


キャラ多数でちらばってます。

男1女2不問1

声劇していただけるなら…推奨は女性2名と男性1名、不問1名

メインはみちる(女)とラビ(不問)。王様と王子様は兼役(男)で、悪い魔法使い(女)

脇役はその場で誰かが入る「くじら」方式で最小4名でできると思います。
楽しくやってくださいm(_ _)m


【メインどころ】

有栖川みちる…恋に遊びに大忙し、夢見る高校一年生。将来の夢は素敵なお嫁さん。童話倶楽部所属。

日向先輩と王子様…(日向先輩)みちるの先輩。高校二年生。将来な夢は童話作家。僕の絵本が子どもに夢を与えるんだ。童話倶楽部部長。(王子)ファンタジーな国の王子様。日向先輩に似ている。

ラビ…うさぎのマスコットのような生き物。ミッ○ィーは僕のマブダチさ。フルネームは「ラビット伊藤」

王様…ファンタジーな国の王様。えろじじぃ、えろかっこよくない

悪い魔法使い…ファンタジー国の悪い魔法使い。王様が借金を払わないため国にモンスターを放った。国を乗っ取ろうと画策中。デイトレードをやってる。

ウルフマン…相撲取りではない。超人でもない。魔法使いが従わせているモンスター、狼男。


【端役どころ】

側近1…悪い魔法使いの側近

側近2…悪い魔法使いの側近


モンスター…悪い魔法使いが作ったモンスター

ヤクザ風のモンスター1…悪いま法使いが作ったモンスター、集金専門。

ヤクザ風のモンスター2…悪いま法使いが作ったモンスター、集金専門。


村人1…斬られるだけです。

村人2…斬られるだけです。

村人女…斬られるだけです。

長老…斬られるだけです。

名も無き兵士1…斬られるだけ

名も無き兵士2…斬られるだけ

名も無き兵士3…斬られるだけ


ラルフ…勇者一行(2行くらい)

ジョン…勇者一行(2行くらい)

レイカ…勇者一行(2行くらい)


☆はじめに

キーンコーンカーンコーン

みちる「はじめまして!わたし、有栖川みちる!高校一年生、童話倶楽部所属。おっちょこちょいで、ちょっとファンタジスタな15歳」

隼人「あはは、みちるちゃんはおっちょこちょいだなぁー」

みちる「この人は日向先輩。童話倶楽部の部長さん。私の憧れの人なの。」

隼人「さぁ、放課後だー。みちるちゃんーこっちへおいでー☆いっしょに図書室で倶楽部活動しよーよー、あはーあははー☆」

みちる「ああ、待ってくださいよー、せんぱーい、日向せんぱーいー。」

隼人「よぉし、図書室まで競争だー、はははははー。」

みちる「もう、せんぱいー。学校の廊下は走っちゃだめですってー、ふふふー。」


タタタタター、タタター(走り去る)


ペラ(本をめくる)

みちる『そんなある日。私がいつものように図書館で大好きな童話を読んでいたら。』

ラビ「(みちるちゃん、みちるちゃーん)」

みちる『どこからか私を呼ぶ声が聴こえてきたの。』

ラビ「みちるちゃん、たすけてよ、みちるちゃーん。ファンタジーの世界が大変なんだー。」

みちる『…え?本が光って…きゃー!』

みちる「本の中に吸い込まれちゃったの。ここから私の、ちょっと不思議な冒険のはじまりです。」


(タイトル)不思議の国のみちるちゃん ― 剣と魔法のファンタジー ―


☆はじめに

ザシュ(剣で斬られる音)

村人1「ぐはぁー!」

キンッガシュ(剣で斬られる音)

村人2「ギャー、」

モンスター「グオー、コロセー、ミナゴロシダ!」


ラビ「ファンタジーの世界へようこそ!あ、自己紹介ねー。僕の名前は「ラビ」、この世界の案内人。うさぎのような耳とシッポがトレードマークさ。」

(それはそれとして)

村人(女)「お願い!この子だけは、この子だけは!」

モンスター「シネー!!」

村人(女)「きゃー!いやー!!!」

ザシュ(剣で斬られる音)


みちる「…。」

ラビ「本を愛してくれてありがとう、みちるちゃん。僕は本の中でずっとみちるちゃんのこと見てたんだよ、へへ。」

(それはそれとして)

モンスター「ジジィ、タカラハドコダ?」

長老「だ、だれがおまえらなんぞに!!」

モンスター「ナラバシネー!」

長老「ぎゃあああ」


ラビ「実はね、本の世界がちょっと大変なことになっちゃったの。」

みちる「…」

ラビ「みちるちゃん?ねぇみちるちゃんってばー。」

みちる「うん。で、ここ、どこ?」

ラビ「どこって?やだなぁ、ファンタジーな世界だよ?ほら。」


名も無き兵士1「くそぉ!我が剣にかけて、この国は我らが護る!でぇやああ!!」

キン、キン、ザシュ(剣撃)

名も無き兵士1「ぎゃああ!!足が!足がぁあああ!!」

ラビ「剣でしょー?」

モンスター「ウォオオオオオオ!コロセー!」

ウォオオオン!ガォー!コロセ、コロセー!!(モンスター達)

ラビ「不思議な生き物たち☆ほら、立派なファンタジー。」

みちる「なんでっやねん!」

ラビ「がふっ!!」

みちる「ファンタジー違いじゃボケぇ!空飛ぶ馬車はどこ!?お花畑でたわむれる妖精さんは?これじゃ伝説の勇者が伝説の剣探してドラゴン倒す究極のファンタジーじゃないかい!ワレえ!」

名も無き兵士2「くそう!魔物め!やらせはせん!やらせはせんぞー!!(走り去る)」

名も無き兵士3「武器の性能が戦力の違いでないことを教えてやるー!!(走り去る)」


カッシャンカッシャンカッシャン(鎧を着た兵士が走りさる)


ラビ「お花畑でたわむれる傭兵さんならいるけどねー、(ガシ、ガシ、ガシ←叩かれる)いたいいたい、たたかないでたたかないで、へこむ、へこむー!」

みちる「はぁはぁ!はぁはぁ…。」

ラビ「もー。勝手にファンタジー違いしたのはみちるちゃんでしょー?」

みちる「だって、だってオープニングのツカみと本編のギャップはなに?…まぁ…まぁいいわ。くよくよしてもはじまらない…これでもヒロインなのよ、がんばれ、みちる。ふぁいとよ、みちる。」

ラビ「おー、がんばれ」

みちる「ねえラビ、まずはどうしたらいいの?」

ラビ「この先の森の中にこの国の王様が隠れているの。そこへ行って旅に必要な武器と防具と軍資金をもらいにいこうよ。」

みちる「え、ええ。」

ラビ「あ、途中に『せーぶぽいんと』があるから『めもりーかーど』を用意しといてねー」

みちる「……リセットボタン、あるかしら?」


☆王様長屋1

ガサ、ガサ、ガサ(森の中を歩く)

ラビ「こっちだよー、こっちだよー、みちるちゃーん」

みちる「この森を抜けると王様に会えるのね?」

ガサ、ガサ、ガサ(森の中を歩く)


王様「ぎゃー!!た、たすけれくれー!(遠くから)」


みちる「え?あの声は!?」

ラビ「王様の悲鳴だ!大変、急ごう、みちるちゃん!」


ヤクザ風なモンスター1「よぉよぉよぉ、王様よー!そろそろ貸した金返してもらおうか?ああ!?」

王様「おお、たすけておくれー。」

ヤクザ風なモンスター2「ご利用は計画的にしやあせ!?ああ!?」

ヤクザ風なモンスター1「あー!めんどくせえ!!すっぱだかにしてトーキョーベイに沈めちまえ!」

王様「あーれー、およしになってー!」


ドタバタドタ、ドタバタ


みちる「……あれ、王様?」

ラビ「うん」

みちる「なんで一国の王様がヤクザのようなモンスターに返済せまられてんのよ?」

ラビ「王様も大変なんだよー?なんだかんだいって国を守らなきゃいけないんだもん。借金のひとつやふたつ当たり前だよー。」

王様「たた、たすけておくれー。国民から血税集めてくるからもう少し待っておくれー。」

みちる「…あんなん言ってるけど…たすけなきゃダメ?」

ラビ「だめー。」

みちる「えええ。でも、どうすんのよ?あたし普通の高校生なのよ?どうやってあんな化け物倒したらいいの?」

ラビ「わぁ、みちるちゃんやる気でてきたねー。じゃあねー。はい、みちるちゃん。この魔法のステッキをあげるー、ほい。」

みちる「魔法のステッキ!?かわいいー!!いいじゃないいいじゃない!やっとファンタジーらしくなってきたわね。アタシはこんな展開を待っていたの!で、で?どうつかうの?」

ラビ「まずはねー、その杖をねー、自分がかわいいなーって思うポーズで構えるのー。」

みちる「えいっ☆こう?それで?」

ラビ「精神を集中するー!杖を体の一部としてイメージー。」

みちる「ええーい!むむむむむ…」

ラビ「そうしたらねー。」

みちる「そしたら?」

ラビ「ちからのかぎりなぐるんだー。」

みちる「ぼくさーーつっっ!!!でぇやあああああ!!!!!!」

タタタタタ(ヤクザ風なモンスターに向かっていくみちる)

な、なんだテメェ!?ぎゃー!!ひぃー!!!!うぎゃーー!!!(ヤクザ風なモンスターの断末魔)


☆王様長屋2{悪い魔法使いを退治せよ}


ゴトリ、ゴトリ(転がるヤクザ風なモンスターのムクロ)


みちる「ぜぇぜぇぜぇ…ぜぇぜぇ…」

ブンッ(血を振り払う)

ラビ「やればできるんもんだね、みちるちゃん。すごいすごーい。」

みちる「…本の世界の中でしょ?本の世界の中よね?一匹や二匹殺っても構わないわよね?ねえ?」

ラビ「たっくましいなぁー。」

みちる「…汚れてしまったわ、アタシ。ああ…頭蓋骨が砕ける生々しい感覚が手のヒラに…何かネガティブな経験値が上がった気が…もう後戻り出来ない…よよよ。」

王様「おお、勇者よ…助かったぞ、例を言う。」

みちる「いいわよ、どうせ行き当たりよ…。」

王様「その強さを見込んでそなたに頼みたいことがある。実はな、この国は悪い魔法使いに乗っ取られてしもうたのじゃ。そやつはワシの城を根城とし、やがては世界を乗っ取ろうとするつもりじゃ。みちるよ、そなたの力でこの国を…いや、この世界を救ってはくれぬじゃろうか?」

みちる「いいけど…私は殴ることだけが取り柄な普通の女子高生なのよ?何か良い考えがあるの?」

王様「すまん、今のワシには金も権力もない。自分でなんとかしてくれぬか?」

みちる「…こいつ。」

王様「そうじゃな…せめて、褒美としてワシの息子をやろう」

みちる「息子って……王子様!?」

王様「ワシに似て色男じゃぞ?…インスタみるか?」

みちる「インスタって……って、5Gきっちり……え?日向先輩!?」

王様「我が最愛の息子じゃ。カミさんは国のこの有様に耐え切れず逃げてしもうて、今ではワシのたった一人の肉親なんじゃ。不甲斐ないワシに変わってなぁ、悪い魔法使いを倒しにいったきり帰ってこんのじゃ。頼む、息子を助けてやってはくれぬか?」

みちる「私が…先輩と…け、結婚!?」

王様「夜は王宮でハッスルハッスル。」

みちる「いいわ!やる!やらせてください!!」

ラビ「さっきまで乗り気じゃなかったのにー、ぐえ(←みちるに踏まれる)」

みちる「いいわよ!やってやるわ!だって、本の中といえ憧れの日向先輩と結婚できるのよ?やるわ!燃えてきたわよー!!!」

王様「おお、勇者みちる、なんて頼もしいのだ。…なぁ、ワシの情婦にならんか?」

ラビ「おー、王様エロかっこいー」

みちる「…奥さんが逃げた理由って、ひょっとしてあんたじゃないの?」


☆悪い魔法使いの館

魔法使い「ほーっほっほ!ほーほっほっほ!パンがないなら、ふ菓子を食べればいいのよ。ちょっと、ちょっとあなた?隣の国の制圧は終わって?」

側近2「はっ!もう少しであります。」

魔法使い「それが終わったらお向かいの国もとっとと乗っ取りたいのよ、早くしてちょうだい。」

側近2「ははっ、しばしお待ちを!」


タタタタタ


側近1「魔法使い様、魔法使い様!」

魔法使い「まぁどうしたの?そうぞうしい。」

側近1「隣の国のIT株が一時的に下落しております。今が買いどきかと。」

魔法使い「買占めなさい。」

側近1「はっ!」


タタタタタ


魔法使い「ほーほっほ!国を滅ぼすなんてカンタンねぇ。やがてこの世の全ては私のものになるのよ?こんなに楽しいことはなくて?ほーほっほ!ほーほっほっほっほ!」

王子「…うっ、くっ!」

魔法使い「あら、目を覚ましたの?おはよう」

王子「ここ…は?そうか、僕は捕まって…くっ。」

魔法使い「ねぇあなた?教えてくれないかしら?あなたのお城の土地の権利書と印鑑のありか。」

王子「だ、誰がおまえなんかに!」

魔法使い「残念ね。じゃあ話す気になるまで、その恥ずかしいカッコのまま放置されてなさい」

王子「えっ?あうわっ、なんだこれ!?誰の趣味これ?」


タタタタタ(走ってくる)


側近1「魔法使い様!」

魔法使い「なぁに?ナンピン買いするくらいなら損切りしなさい。」

側近1「ち、違います!異世界の人間と思わしき少女が、うさぎのマスコットのような従者をつれて森を抜けてきます。」

魔法使い「な、なんですって?」

王子「ふふ…きたか。我が国に伝わる言い伝えどおりだ。『国に悪が蔓延(はびこ)るとき、異世界より勇者現る。』お前は滅びるのだ、魔法使い!」

魔法使い「ふ、ふんっ。小娘ひとりに何ができるというの?ウルフマン!ウルフマンはいて!?」


シュタ(高いところから着地)


ウルフマン「はっ!ここに」

魔法使い「話は聞いていたわね?小娘の首、とってきなさい。」

ウルフマン「はっ!仰せのままに!」


シュタ(高いところへジャンブ)


魔法使い「ふふ、ほーほっほっほ!私の邪魔をするものは37564、ミナゴロシよー!ほーほっほっほ。」


☆森


ガサガサガサ(森の中を歩く)


ラビ「こっちだよー、こっちがお城だよー。悪い魔法使いが強いモンスターをごりごり作って待ち構えてるのー。」

みちる「…あんた、アタシを不安にさせてどうするのよ?」

ラビ「えー。ホントのこと言えば気が楽になると思ったのにー、いじいじ。」

みちる「…いいわ、どうせ殺ることには変わりないんだから。」

ラビ「たっくましー。」


ウルフマン「(遠くから)ははははは。小娘よ!威勢だけはいっぱしの勇者だなー!!」

ラビ「きたー、きたよー。モンスターだよー。」

みちる「え?ど、どこ!?」


シュタ(高いところから着地)


ウルフマン「我が名はウルフマン!狼男だ。我が爪は大地を引き裂き、我が牙は岩をも砕く!」

ラビ「でかーい、つよそー」

みちる「まままま、まってまって!こここころの準備がまだー!こっちはシケたこん棒一本だってのにどう戦えっていうのよ!?」

ラビ「こん棒じゃないもんー、魔法のステッキだもーん。」

みちる「どこのファンタジーに物理攻撃しかできない魔法のステッキがあるのよ!」

ウルフマン「ふんっ!!!」


ザシュ、バリバリバリ、ドシン(木を切って倒す)


みちる「ひっ!たた、大木が一刀両断―!?」

ウルフマン「作戦ターイムは終わったかね?こちらはいつでも準備オーケーなのだがねぇ。」

みちる「ああああ、あんなの勝てるわけがないわよー。ラビ!ラビ!あああんた、なんとかしなさいよ!」

ラビ「僕の名前は『ラビ』―、この世界の案内人。うさぎのような耳とシッポがトレードマークさ。」

みちる「この役立たずー!!!!」

ウルフマン「見苦しい、見苦しいぞ小娘。一太刀で終わらせてくれるわ!ぬぉおおおおおおおお!!!!」

ラビ「あ、きたー。」

みちる「きゃああああ」

ウルフ「はぁああああ!!!!!」


ドカーン


みちる「きゃぁ!」


どしっ(しりもち)

からんからん(ステッキが転がる)


みちる「たたた。しまった!武器が!」

ラビ「みちるちゃん、ぴーんち。」

ウルフマン「……」

みちる「……」

ウルフマン「……」

みちる「……どうしたの?や、やるならひと思いにやりなさいよ」

ウルフマン「……わぉーん☆」


スタタタタ………タタタタ(棒を取りにいって帰ってくる)


からんからん(棒をみちるの前に置く)


ウルフマン「ハフハフハフ、ハフハフハフ、ワン!」

みちる「…」

ウルフマン「…ハフハフハフ。」

みちる「…ほいっ」


ぽいっ(棒を投げるみちる)


からんからん


ウルフマン「わぉーん☆」


スタタタタ………タタタタ(ステッキを取りにいって帰ってくる)


からんからん(ステッキをみちるの前に置く)


ウルフマン「ハフハフハフ、ハフハフハフハフハフ。」

みちる「…」

ウルフマン「ハフハフハフ」

みちる「…」

ウルフマン「ハフハフハフ……わふ?」

みちる「お手」

ウルフマン「ワン☆」

みちる「おかわり」

ウルフマン「ワン☆」

みちる「おらぁ!!!とってこいワン公-!!!!」


ブンッ!!!!(ステッキを投げる)


ウルフマン「わぉーーーーん☆」


ドプン(ステッキが川におちる)


スタタタタタ…ボチャン(ステッキを拾いにいったワン公も川に落ちる)


ばしゃばしゃばしゃ(ワン公おぼれる。)

ウルフマン「わぉん!わぉーん!きゃんきゃん!きゃんきゃん!きゃ…」


さわさわさわさわ(やがておだやかな川のせせらぎだけが聞こえる)


みちる「(棒読み)ウルフマン、手ごわい相手だったわ」

ラビ「ワンちゃーん、じゃーねー。」


☆お城

ギィイイ(扉が開く音)

コツコツコツ(魔法使いが歩いてくる)


魔法使い「王子様、ごきげんいかがかしら?」

王子「…」

魔法使い「あら、よろしくないようね。まぁ、いいわ。そろそろ教えてくれないかしら?土地の権利書と印鑑のありか」

王子「…」

魔法使い「あらだんまり?つれないわね。じゃあ勝手に探させてもらうわよ。」


ツカツカツカ(王子に近寄る魔法使い)

シュルシュル(衣擦れ)


王子「へ。」

魔法使い「おかしいわねぇ、みあたらないわ」

王子「え、あ、あの、何を?」

魔法使い「じゃあ、ここかしら?」


シュルシュル(衣擦れ)


魔法使い「ふんふーん♪」

王子「あ、あの、魔法使いさん?あの?目がすわって…」

魔法使い「ねぇあなた?」

王子「はい。」

魔法使い「思ったとおり。いい体してるわね。」

王子「…」

魔法使い「…権利書と印鑑のありか…ここかしらー♪」

王子「ちょ、ちょっとどこさわって…い、いやあああーーーーー!!!そこだめー!!!!けがされるぅうううー!!!」


ギィイ!(扉が開く)


みちる「待ちなさい!」

王子「ひぃひぃひぃ…らめ、らめぇ…ひぃひぃひぃ(←息切れ)」

魔法使い「…ち、来ちゃった(残念そうに)」

みちる「…『ち』ってなによ?『ち』って」

魔法使い「べっつにぃ(残念そうに)」

みちる「そこまでよ、悪い魔法使い!私は『みちる』!あなたを倒してこの世界を救う勇者よ!」

王子「…たた、たすかった、えがったぁ、えがったよぉう…」

ラビ「あらー、あられもないすがた、色男も大変ねー。」


魔法使い「ほほ、ほほほ。良く来たわね、小娘…いえ、勇者みちる。ふふ…まさかウルフマンを倒すほど成長していたとはねぇ、ふふふ。」

みちる「自滅してたわよ?あのワン公」

魔法使い「(聞いてない)ふふふ、でも私を倒せるかしら。見かけで判断しないことね。私はウルフマンより強くてよ?」

みちる「比較対象が微妙よ、微妙」

魔法使い「(聞いてない)さぁ!かかってらっしゃい!ほーほっほっほ!」

みちる「…」

ラビ「みちるちゃん、みちるちゃん」

みちる「…なによ?」

ラビ「盛り上がってきたね。」

みちる「勝手にね。」

ラビ「よぉし、僕もお手伝いするよー。よぉいしょっと。みちるちゃん、今こそこれをつかうんだ!」。

みちる「こ、これは?」

ラビ「伝説の、魔法のステッキだよ。」

みちる「…使い方は?」

ラビ「前のと同じー」

みちる「物理的ふぁんたじぃいいいいーー!!!!でやぁあああああ!!!!」


タタタタタ(魔法使いに向かっていく)

ザッ(構える)


みちる「マジカルブラスト!ファイ、ヤー!!!!」


ブン!(上段斬り)


みちる「リリカルジェノサイドサンダー!!」


ブン!(振り下ろしからの中段斬り)


みちる「メルヘンブレイクブリザードストームゥゥゥ!」


ブンブンブン!ブンブンブン!(一回転しつつ繰り出す回転斬り)


ラビ「すごーい、魔法っぽいこと叫んで斬りかかってるー。」

みちる「うっさいわねぇ!気分よ気分!でぇやああああ!!」


キンキンキン(攻撃がはじかれる)


みちる「っ!だけど!!」


ザザッ(間合いを置く)


みちる「つよい!わたしの剣技が通じないなんて!!」

魔法使い「ほほ、あまいわね!最近の魔法使いはね、格闘技も必須科目なのよ!あなたの動きはもう見切ったわ」

みちる「…く」

魔法使い「ほら、ガードががら空きよ!?きぃえええー!」


シュバ(魔法使いが飛び掛る)


魔法使い「すきありぃ」

パシ、シュン、パシ、カランカラン(鞭で伝説の魔法のステッキをはじきおとす)

みちる「し、しまった!伝説のこん棒が!」

ラビ「伝説のこん棒じゃないもんー、伝説の魔法のステッキだもーん。」

魔法使い「ふふ、武器がなければ魔法も使えない、あなたはただの小娘、ふふ。」

みちる「…」


パシ、パシ(鞭の音)


魔法使い「そしてあなたを片付ければ邪魔ものはいなくなる…これで私はこの国の、いえ、世界の女王となるのよ。」


パシ、パシ(鞭の音)


魔法使い「さぁ!女王様とお呼び!!ほーほっほっほ!ほーっほっほー!」

みちる「く…こ、ここまでか…みんな、ゴメン!…え?みんな?」

(間髪いれれず)

ラルフ「(あきらめるな!みちる!)←天の声」

みちる「…え?」

ラルフ「(オレたちの分まで戦うって誓ったろ!?最後まで諦めるな、みちる!)←天の声」

ジョン「(そうだぜ。お前の力は刃を交えたオレが一番良く知っている。勝てないはずないさ)←天の声」

レイカ「(そうよ!負けちゃったら許さないんだから!)←天の声」

老師「(個は全、全は個。大気に耳を傾け大地の声を聴け。さすれば魔力は授かれる。わかるな?みちるよ。)←天の声」

ラルフ「(みちる!)←天の声」

ジョン「(みちる!)←天の声」

レイカ「(みちる!)←天の声」

みんな「(みちる!!)←天の声」


みちる「み、みんな!…てか誰よあんたたち。」


ザッ(構える)


みちる「でも…私がやらなきゃいけないよね。いいわ、最後までやるわ、私。」

パチ(鞭の音)

魔法使い「ほほ。ふっきれたようね。いいわ、相手になってあげる。さぁ…かかってらっしゃい!!」

みちる「でぇ、でぇやああああ!」


タタタタタ(走ってくる音)


側近2「ま、魔法使い様!大変です!」

魔法使い「何よそうぞうしい!いいところなんだから後におし!」

側近2「先日の決算報告において!売上高、経常利益を水増ししたむね、マスコミにリークされました!」

魔法使い「な、なんですって!?」

側近2「側近に裏切りものがいます!東京地検特捜部から証券取引法違反の疑いで家宅捜索を行うとの情報が!」

魔法使い「ふふ…終わったわね…。私の負けよ、みちる」

みちる「…は、はぁ…。」


☆ハッピーエンド

ガチャガチャ(拘束具を外す音)

みちる「大丈夫ですか?せんぱ…いえ、王子様?」

王子「う、うう。助かったよ、みちる。ありがとう。魔法使いを倒すなんて、君は本当の勇者だ。」

みちる「…え、ええ。」

王子「勇者みちる…いや、みちるよ。どうか、私と結婚してほしい。」

みちる「え?」

王子「今から私は国を立て直さなければならない。私はまだまだ未熟で、君のような強い女性に支えてくれると心強い。私のため、民のため、ついてきてくれるか?みちる。」

みちる「…は、はい。」

みちる「(きゃー!(>▽<)キター!!本の世界とはいえ、あこがれの日向先輩と結婚できるのよ、きゃー!!!!(>ワ<) )」

王子「すばらしい!夜明けだ!新しい物語の始まりだ!さぁゆこう!みちる!」


ラビ「こうして、悪い魔法使いを倒した勇者みちるは、平和になったファンタジーな世界で幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでた…し?」


王子「あ、でもちょっと待ってね。」

みちる「え?」

王子「こういう大事なことはママにも報告しないとね」

みちる「…へ、ママ?」


ピッピッピ、トゥルルルル、トゥルルルル(携電話)


王子「あ、もしもしママン?あ、うん、ボクだよ?元気だった?え、お父さん?相変わらずだよ、困っちゃうね、あはは」

みちる「…ま。」

王子「え?うん、僕は元気だよ?たまには実家に帰ってきなよ。僕、ママの玉子焼きが食べたいな、あは。」

みちる「ま、ま…」

王子「え?うん。そう、あのね。あのね。今度僕、けっこんするの」

みちる「マザコンはいやー!!!!!!


バキッ、ドコッ(殴る)

カランカラン(携帯が転がる)


王子「ぐはぁ!な、殴ったね!二度も殴った!父さんにも殴られたことないのにっ!!僕は殴られた!何故だ!?」

みちる「ぼうやだから、さああああ!!!(バキッ)」

王子「ぐはっ!!!あーれー!おかあさーん!!!」

ラビ「めでたしめでたし」


☆トゥルーエンド

キーンコーンカーン(チャイム)

パサッ(原稿用紙の音)


隼人「というお話はどうかな?みちるちゃん」


カァー、カァー、カァー。(カラス)


隼人「僕の自信作なんだよ、どおかな?」

みちる「…。」

隼人「みんなにはナイショだよ。実はこれ、出版局に持ち込もうと思ってるんだ。でもキミに一番にみせたく(て)」


ビリ(原稿を破る)


隼人「…あ。」

みちる「…。」


ビリ、ビリビリ(原稿を破る)


隼人「あ、あれ?」

みちる「……えへ☆」

隼人「あ、あ、あはは。」

みちる「えへへ」

隼人「あはははは」

みちる「えへへへへへ」

隼人「もう、相変わらず厳しいなぁあー、みちるちゃんはー!」

みちる「ええー?そんなことないですよー☆」

隼人「あははーこいつぅ。よぉし、夕日に向かってグランド10周だ!行くぞみちるちゃんー!」

みちる「あーん、待ってくださいよー。せんぱーい。ひゅうがせんぱーい!」


ラビ「めでたしめでたし」


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