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Google検索の心穏やかな使い方

随分昔の話になりますが私はサーチエンジンの会社に勤めていました。その会社は結果から言えば破竹の勢いだったGoogleに淘汰されてしまいました。Googleの人気が出たのは軽いこと、正確なこと、広告がなかったことでした。当時のGoogleは検索結果に広告を出すことをそれほど頻繁に行っていませんでした。今やサーチは広告まみれになっています。最近の検索結果ページの上位に並ぶのは信頼性が高い正確な回答ではなく広告やおすすめの検索結果、SEOに長けたウェブサイトです。そもそもが営利企業なので当たり前といえば当たり前です。営利企業であるということを理解した上で心穏やかにありがたく使いたいです。

確度の高い検索をするために複数のキーワードを使って絞り込むことも有効ですが、広告を避けて自分の求める情報に辿り着く簡単な方法があります。今日は私がよく使う方法はBooleanサーチコマンドを使ってSEO対策された商用ドメインの検索結果を除いてしまう方法です。そのためには site: コマンドを使ってセカンドレベルドメインをacとgoに指定します。
おすすめはこちらのコンビネーションです。 

site:ac.jp OR site:go.jp OR site: ここに検索したいワードを入れる

このコマンドを使うとSEO対策していない上に情報として価値の高いアカデミック(ac.jp) と 政府機関 (go.jp) の日本語のサイトが表示されます。
例えばホテルという検索ワードで両者を比較してみましょう。

通常の検索結果上位表示
通常の検索結果下位表示

こちらはBooleanを使わずにホテルを検索した結果です。10億ものページが検索されトップページはホテルファインダーとSEO対策されたOTAページです。ちなみに2ページ目にすら広告が出てきます。次にBooleanを使ったページです。

アカデミックと政府機関ドメインに絞った検索結果

広告は表示されず政府や自治体、大学などのページが表示されます。コロナの宿泊療養に関する情報が出てきています。検索結果も10億から470万に減っています。セカンドレベルドメインを指定することで確度高く情報を手に入れられます。

別の検索ワードを使ってみます。「痩せる」で検索しました。

Booleanコマンドなし
Booleanコマンドあり

検索結果は2800万から2万5千に激減です。ソースが政府と学術機関からだけに絞られているからです。いかに商用サイトが多いかがわかります。健康関係の検索は広告やあまり参考にならない胡散臭いページが多くあります。医学情報の場合はこのBooleanを使って論文からだけサーチするのもおすすめです。そうするとこうなります。国内の論文からのみ検索できます。当然ですが広告はありません。

コマンドは site:ci.nii.ac.jp に検索ワードです。

検索結果はわずか502になりました。これなら痩せることに関した論文も見つけやすいですね。 

もし英語が得意ならこのコマンドです。海外の論文から信用度の高い検索結果が出てきます。 国立医学図書館や医学論文ディポジトリーからの文献が検索できます。

site:pubmed.ncbi.nim.nih.gov と英語の検索ワードです。

しかし最近はGoogleもこのBooleanを使うと検索結果にこのようなセクションを加えるようにもなりました。これは便利そうに見えますがクリックすると基本的にSEO対策された一般サイトが表示されるようになっています。私はクリックしません。クリックするとこれが標準装備になってしまうので。

信用あるソースからの情報を得るのは重要です。できる限り煽りやフェイクニュースから身を守って心穏やかな生活を送りたいですね笑

今使ったBooleanサーチコマンドはいちいち打ち込むのは大変めんどくさいです。最近このようなサイトを見つけました。

まとも検索

自動的にBooleanコマンドを付けることができるのでとても便利です。探し物をする際におすすめです。

Noteなどで自分の意見や論拠を伝える際には論拠となる情報ソースを確認した上、発信する際には提示することは自分がフェイクニュースにならないようにするためにも重要かと思います。私も何らかの情報を発信する際にはできるだけ根拠となる論文やソースを一緒に提示するように心がけています。

今、戦争のニュースや新型感染症についての情報などさまざまな憶測に基づく情報が錯綜しています。ウイルスからマスクで自分を守るように、誤情報のウイルスから自分を守るマスクとしてBooleanコマンドを使ってみるのも良いかも知れません。(でもマスクと同じように完全には遮断しないのでそこのところご理解ください)


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