☆Pencil+マテリアルにマップを使う

3ds MaxのNPR(ノンフォトリアリスティックレンダリング)用プラグインのPencil+マテリアルでマップを使用する場合の設定を紹介しておきます。テクスチャマップに影を直接描いてしまう場合は、標準マテリアルの拡散反射光にビットマップとして入力して、自己照明の値を上げておけば話は済んでしまいますが、光源の方向に応じた影を生成したい場合(現場では良くCG影とかっていいます)は、Pencil+マテリアルにマップを入力する必要があります。実はPencil+マテリアルでテクスチャなどのマップを使用する場合には二通りのやり方があります。そこがちょっと気が付きにくい部分です。簡単な例で確認してみましょう。

・ゾーンにマップを入力する方法

ここではシーンにティーポッドを追加してPencil+4マテリアルを適用しました。「グラデーション」の設定はプリセットから「P_2Zone」を設定しています。

使用するマップは簡単に「高度な木目」マップを使ってみます。まずは「高度な木目」マップをゾーン2のカラーマップに入力します。レンダリングするとこのように明るい部分のマップが表示されます。

次にゾーン1の影の部分に同じマップを入力してみます。すると図のようにゾーン1の部分にマップが表示されますが、同じ色になってしまうので影の部分がなくなってしまいます。

ゾーン1の部分を影色にするには、ゾーンカラーの合成方法を変更します。合成方法を「乗算」に変更します。するとゾーンカラーの基本色がマップに乗算されるのでマップの明度が落ちて影色になります。影色の明度や彩度はゾーンの基本色の色やマップ不透明度、合成方法のブレンド値を調整することで影色をコントロールすることができます。

・標準マテリアルの拡散反射光にマップを入力する

Pencile+4マテリアルにマップを使用するもう一つの方法、Pencil+4マテリアルの基本パラメータに入力されている標準マテリアルの「拡散反射光」に入力する方法を解説します。まずは、Pencil+4マテリアルに入力された標準マテリアルの「拡散反射光」に「高度な木目マップ」を入力します。ゾーン1とゾーン2のゾーンカラーの合成方法は「乗算」にしてあります。このままレンダリングすると、マップにゾーン1とゾーン2のカラーが少し乗った状態になります。

拡散反射光に入力したマップの色でレンダリングしたい場合は、グラデーションの基本色をグレースケールにします。例えばゾーン1を濃いグレー、ゾーン2を白といった感じです。変更してレンダリングすると図のようにマップの色が活きた状態で影色も作成することができます。この方法では入力したマップの色にカラーを簡単に乗せることができるので、設定色をベースとして夜色や夕景色などを設定するというときには便利ではないでしょうか。

・おまけ

最後におまけです。基本パラメータに入力された標準マテリアルの拡散反射光にマップを入力する方法では、ゾーンのカラーマップにマップを使用することで、2つのマップを合成することもできます。図はゾーン1のカラーマップにOSLのHalftone Dotsを入力した例です。このように『スパイダーマン:スパイダー・バース』みたいなルックも可能です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?