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ドラマ「25時、赤坂で」 3話と8話を比較してみた話


大好きなこのドラマが始まってから、間もなく2ヶ月。
2人の結末を見届けたい気持ちと、終わりを出来るだけ先延ばししたいような気持ちの板挟みになっている今日この頃です。
1週間の中心は完全に木曜日になり、毎晩寝不足になりながら羽山さんと白崎くんのことばかり考える日々。ドラマが回を増すごとに、症状は悪化していく。
軽い気持ちで1話を再生させた時は、自分がこんなことになるなんて思ってもみなかった。

先日放送されたドラマの第8話のストーリー構成が3話ととても似ていたので、少し整理したいと思い、今回初めてnoteを利用してみました。
正直投稿を迷っていたのですが、このドラマに関しては「これまでやってこなかった事もやってみよう」「やれる事は全部やりたい」という気持ちにさせられているので、もう「自己満足でいいじゃない!」の精神で。
思いつくままに書いているので、不出来な所はどうか目を瞑ってみていただければとても嬉しいです。

細部まで拘って作られているこのドラマが 私は大好きなのですが、思ってもいなかったところに仕掛けや気付きがあったりもするから、この作品は本当に沼が深いし面白い。

以下、真逆なようで似ている3話と8話の比較と感想です。


①スランプ

3話 拓海の告白シーンが上手く演じられない白崎くん
8話 涼二に感情を上手くのせられなくなった羽山さん

ここが一番最初に対比になっているんだなと思ったシーン。
白崎くんは羽山さんによって「好き」という感情を知り、拓海の気持ちになることが出来たけれど、羽山さんは白崎くんが自分から離れた事で、涼二の気持ちになれなくなっていく。
「好き」という感情は一致しているのに、現実の2人の距離、2人の状況は反転している。それがとても切ないなぁ…と思いました。

②予定外の訪問者

3話 羽山さん(真夜中)
8話 山瀬くん(昼)

白崎くんが芝居のことや羽山さんのことで悩みながらベッドの上で天を仰いでいると、(白崎くん曰く)普段お客さんなんて来ないアパートに訪問者がやって来るところも両話共通。
訪問者があまりにも違ったけれど。

山瀬くんの登場の仕方には、ちょっと笑った。
ピンポンとドンドンと由岐!の三重騒音。
8話に切ないシーンが多い中、希少な癒しシーンでした。私にとって。

山瀬くん、ドアは突き破る勢いで叩くし(新原くん曰く借金の取り立て)(表現が上手い)、大声で名前連呼するし、ドアが開けば勝手に上がるし。ベッドの上も歩いちゃうし。
羽山さんの時とはまるで真逆。
応対する白崎くんの声のトーンも全然違う。
でも、そんな正反対な羽山さんと山瀬くんの台詞が重なるんですよね。

羽山さん「ご飯は?」
山瀬くん「飯でも食おうよ」

羽山さん「俺たち恋人だしね」
山瀬くん「いいじゃん、俺たち恋人同士だし」

(「忘れさせてくれるんだろ」な大和とのキスシーンは、その短い恋人期間の出来事ってことでよろしいの……?)(昼のゆめの完パケが欲しいなあ)

ドラマの羽山さんと山瀬くんって、敢えて対比しやすいよう描かれていると思っているのですが(立ち位置的に必然なのかもしれないけれど)、
山瀬くんの取ってる行動って、「羽山さんが白崎くんに出来ないこと」なんだよなぁって。
山瀬くんは招かれざるドアを相手が応じるまで叩ける人で、相手の態度とか都合なんて気にしないで追いかけられる人。
対する羽山さんは「招き入れられる側の人」で、多分、相手に求められなければ手を伸ばせない人。
羽山さんは白崎くんにドアを閉められたら、追いかけるのを躊躇ってしまうんだよなぁ……(6話のラストシーンはつらかった)

だからこそ山瀬くんは「羽山さんを嫉妬させる人物」として、とても効果的なんだろうな、と思う。
羽山さんと全く正反対な訳ではなく、芝居への熱量が高いとか、白崎くんに対して結構面倒見が良かったりするところとか、似たところも持っているところがまた大きなポイントなんじゃないかな。

あと、羽山さんの「褒め方が独特だなあ……」と山瀬くんの「おもろ」にも、ちょっぴり通じるものを感じました。
白崎由岐は、ちょっと「へんないきもの」で面白い。

③2人にとっての芝居

3話 羽山さんと2人で、「昼のゆめ」の初回放送をみる白崎くん。
8話 映研部室で1人、学生時代撮った作品をみる羽山さん。

白崎くん「うわぁ……俺全然駄目じゃん」「顔は引き攣ってるし、動きも硬いし」
羽山さん「俺ってこんなに下手だったのか」「泣き芝居も全然駄目だな」

このシーン、ああ羽山さんも白崎くんも芝居が大好きなんだよなあ…と改めて実感した。2人の芝居に対する姿勢が、台詞が似通っている事もあって、なんだか重なってみえるなあと思いました。
3話・8話内に各々芝居が好きだと明確に発言する台詞もあるけれど、2人にとって共通して大切で、譲れないものが芝居なんだよなって。
2人の始まりも「芝居」だったしね。

羽山さん、映研部室でも寝てしまってたね。
悩んで眠れてなかったのかもしれないけれど、
映像を観ているうちに寝てしまいがちだよね。
よく寝る男、羽山麻水。

④好きなものの話

3話 羽山さんに好きなものを問われて、「なんだろ…」とぽつりぽつりと自分の好きなものを挙げていった白崎くん。
8話 羽山麻水の演技の素晴らしさを、山瀬くんと佐久間さんに自ら饒舌に語る白崎くん。

白崎くん……
あるじゃん……好きなものいっぱい……(羽山さん限定だと)
羽山さんの芝居が、昔からずっと1番好きなんだろうなあ……
羽山麻水の演技を熱く語る白崎くんを、羽山さんに見せてあげたかった。切実に。

白崎くんが悩んでぐるぐるしている時、羽山さんが予想外に登場するのも両話共通だなぁと。
3話は白崎くんのアパート、8話は佐久間さん・山瀬さんと飲んでいたバーでしたけど、
扉から現れた羽山さんに驚く白崎くんの、羽山さんの姿を目にした時の反応は似ているのに、「麻水さん」が「羽山さん」に変わっているのがつらかった……

今 白崎くんの「麻水さん」を聞いたら、私は多分泣く。


⑤坂道

3話 羽山さんと白崎くんが2人並んで(朝)
8話 羽山さんが白崎くんをおぶって(真夜中)
こんなに切ない対比ある……?って思いました。

3話の坂道のシーンの2人って、特に白崎くんの纏う空気が、凄く柔らかいんですよね。
少しはしゃいだように羽山さんに大好きな坂道を見せようとする白崎くんと、それを見て嬉しそうに少し早足になる羽山さん。
2人の心が近付いたのがよく伝わってくるシーンだし、2人の並ぶ姿と朝の街並みが希望に満ちて輝いているように見えて、凄く素敵な光景だった。
2人にとっての「好き」って感情も、そういう朝の街並みみたいな、とても綺麗な感情なんだろうなって。


対する8話の坂道のシーンの、切ないことといったら……
どう触れたらいいのか分からなくなった白崎くんを、おぶってゆっくりと歩く羽山さん。
背中に重みを感じる分、3話の2人より体の距離こそ近いのに、あの頃より凄く離れてみえてしまうのが本当に心に痛かった。
お互いへの想いは強くなっているはずなのに、こんなに拗れているのなんでなんだろう。

東京ナイトロンリーがいつもより少し早いタイミングで流れるところも、両方一緒でしたね。本当にこの楽曲、最高ですよね。

⑥背中の体温と寝息

3話 白崎くんを背中から抱き締めて眠ってしまう羽山さん
8話 羽山さんの背中で眠っている白崎くん

監督が、8話の坂道でおぶわれた白崎くんは寝ている、というポストをされていて、ああじゃあ羽山さんも白崎くんの寝息を感じていたのね、と思ったら、余計に泣きたくなった。


⑦白崎くんの部屋

8話、白崎くんにお水を用意しようとする羽山さんの「ちょっと待ってて」の台詞が、3話の「もうちょっとで出来るから待っててね」と重なって、少し切なくなってしまった。
羽山さん、「なんで白崎くんのこと、こんなに放っておけないんだろう」なんて思いながら、仕事終わってから買い物して、白崎くんのアパートへ来て、カレーつくってくれたんだよ。
思えば「羽山さんのカレー羨ましい」なんてXにポストしてたあの頃は平和だった。

3話と8話で、白崎くんの「(ドラマの放送が)いよいよ始まっちゃうんだ」は「もう終わっちゃいますね、このドラマ」へ変わったし、
羽山さんの「今日泊まってこうかな」は「そろそろ行くね」に変わってしまった。
嫌でも感じてしまう物語の終わりと、関係性の変化がつらい。

3話では、羽山さんは白崎くんをベッドに引っ張り込んで抱き枕みたいにしてたし、対する白崎くんも「俺のこと犬だと思ってますよね」なんて返せてたんだよなあ……
8話になると、羽山さんは白崎くんに触れられなくなってしまっているし、対する白崎くんは最後に衝撃発言。
8話の白崎くんの「俺と寝て欲しいんです」は、3話の羽山さんの「2人寝られるでしょ?」とは、明らかに色が違った。ふと3話の白崎くんの無垢な顔が浮かんで、8話の色気を纏ったような表情との差に、みているこちらまでくらくらした。
羽山さんと過ごしたこれまでの時間によって、白崎くんがいかに変化したかを痛感してしまう。
羽山さんも、前はあんなに抱き締めてたのにね。今では白崎くんと並んで座ってはいるけれど、極力触れないようにしてるっていうのが、みていて凄く伝わってきて。
駒木根さん演技上手いという感動と、羽山さんから感じずにはいられない痛みで、私の情緒は最近よく分からないことになりがちです。新原くんにも同じ事が言える。2人とも凄い。芝居が凄いから、より羽山さんと白崎くんをみていて心が痛い。

私、こんなにすれ違いを極めてる2人、他に知らない。
「何でこんなことになってるの…?両思いだよね…?」って時折思ってしまうけれど、多分原因は、2人が真逆のようで似たもの同士だから なんですかね。
(絶対にちょっと間の悪い佐久間さんのせいだったりはしない)

早く盛大にボタンを掛け違ってる事に気付いて、幸せになってくれるといいな。


対比させるように作られたのかな?と個人的に思った大まかなポイントでした。
ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございました……!

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