悪気がない人ほどタチが悪い

子供の頃や若い頃、よく言われた。

「わざとしたわけではない(悪気はなかった)から、○○くんのこと許してあげなさい。」

「あの人は悪気がなくしている。だから許してあげるべき。」

当時は納得した。100%納得というわけではないが、「仕方ないか•••」と。

でも最近つくづく思う。

「悪気がない人こそタチが悪い。」

今、周りにはいろいろな人がいる。日々、関わっている。関わらざるを得ない。

そんな人たちの中で、なぜか周りの人をイラッとさせる人が何割か存在する。自分自身の経験では•••5人に1人ぐらい。

その人達は2つに分類できる。悪気がある(わざと)か、ないか(無意識)。

冒頭に話したように、「悪気がない=仕方ない」「悪気がある=悪い」と思っていたが、世の中、そうではないように思う。

「悪気がある人」は自分が悪さ、相手に不快な思いをさせているという自覚はある。自覚があっても抑えられない、という人。「抑えられない」というのが大事なポイント。「抑えられない」•••本人もいろいろ悩みを抱えている。自分のプライドを保つため。「つい、やってしまう。」•••イラッとはするが、少し可愛くもあり、少し同情する。

ところが•••「仕方ない」「許してあげよう」の対象だった「悪気のない人」。こっちの方が問題だ。

「悪気がない」人は多くの場合、自分の言動が正しいと思っている。少し表現を変えると、「悪いことだと思っていない」

「悪いことだと思っていない」ことで、知らず知らずの間に、人をイラッとさせている。だから、人をイラっとさせたときに、謝罪することはほぼない。仮に謝罪しても、心からの謝罪ではない。そう考えると、心から謝罪することは皆無と言っても言い過ぎではない。

さらに•••「悪いことだと思っていない」「悪気がない」人は、周りから指摘されたときに、改善が非常に難しい。指摘されたときに「確かにそうですね。すみませんでした。」という言葉が返ってくることは、稀である。しかも、心からの言葉ではない。

心の中では•••「私、良かれと思ってしたのに。なんで?」と、素直に受け取るどころか、反感を持つことも少なくない。指摘することで、改善するどころか、頑固になったり、「もっと頑張らなければ!」と行動のモードを上げてしまうこともある。

「悪気がない人をイラッとさせる行動」モードが上がる。

人をイラッとさせている言動が改善されない。

とてもタチが悪い。