名もない花
名も無い花でいい。
誰かが見つけてくれればそれでいい。
嵐も頬を撫でていき、
散々と刺すお日様も一時の恵。
ゆらゆらと、けむる露の玉も
静かな時の憩い。
心が萎えても、そっとそこに佇んで、ジット空をみつめる。
名もない花だって好きと言う、一言を夢見て
そっと、そっと、その時を待つ。
名もない花も夢を見る。
好きと言われる日が来る前に
天に召されるかも、しれないと。
小さな小さな蛍火の様に天に召されて行くのだと。
名も無い花も夢を見る。
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