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白蛇伝追記 弥栄13 半年後


あれから、半年

飛松・・・やあ、源蔵さんの念願どうり、なん
の邪魔も入らず、無事に名義書換えも
終わり、藤原源蔵様は大地主様です
わ。
おめでとうございます。

源蔵・・・飛松ありがとうよ。
ワシはすごい買い物をした。なんと言
ってもここの水は土地より高い名水だ
からね。これで、ワシは大金持ちよ。

飛松・・・その名水とやら、ご相伴にあずかりた
い、ものですな。

源蔵・・・では水酒で乾杯といこう。

二人さかずきを交わす。
飛松・・・えーっこれは何ですか?
しょっぱい。これが名水ですか?
源蔵・・・そんなバカな。嘘だ、嘘だ、
契約違反だ。訴えてやる。
飛松・・・水のことは契約書には書いていなかっ
たですよ。
騙したつもりが、騙されましたな。
源蔵の悔しがりかたは、大変なものでした。
そんな人間の世を知ってか知らずか。白蛇様がたは。

精霊・・・我らは今の環境に満足しておる。
言われた通り移動したところは龍門に
も、龍宮にも近く、 般若姫様をお慰め
するには大変適した場所である。
人間にもまだまだ見込みの在るものが
おったわ。

白蛇・・・私も、奈良原の地は肌にあいます。
此方にも、かつて血をわけた親族が沢
山おりました。皆里帰りを喜んでくれ
ました。我らはこの地に福音を授けよ
うと存じます。

巫女・・・人としての命尽きるまで、私のお役目
尽きるまで、私はこの歴史のルツボと
も言える、瀬戸内と共に生きて参りま
す。

よし子・・人とはいかに生きるべきか、勉強させ
ていただきました。

良平・・・人の心の安定の有り様を教えていただ
きました。

よし子・良平・・
ありがとうございました。

巫女の歌・・・

人の世の
淡き夢路に
漕ぎいでん
カイを休めて
波間に漂う

詩歌楽しみ
時を紡ぐ。

静かに夕日
暮れかけて
人の心の夢路に戻る。


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