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白蛇伝追記   弥栄1

イヤサカ。弥栄(副題・・・成就の雨)
サスペンスを絡めて今治にこの様な白蛇が居られたことを伝える。

白蛇の精霊

私はこの四国に住みます、白蛇にございます。
四国という国は固い岩盤の上を清い水が流れその上に土砂が積もり、
四国山脈が連なる自然の深い場所でございます。水害に見舞われたり
日照りのための満濃池は四国を表すにじゅうぶんでございましょう。
さて、この度此のこの家の孫な娘が徳の高いおぼうさんとごえんができたことから
この話がうごきだしました。

孫娘

私の母がほとほと、悩んでおりましたので、私の知り合いのお坊様に事態の素早い解決と母の思いの成就を願いましたところ、まずは今治の母の実家に参りましょうと言われ、ここ今治まで参りました。私の母の実家は昔は海まで自分の地所をとおって出る事ができる。大変な資産家だったそうです。三代前から稼業が傾き、世代がかわると、それまで大切にしてまいりました。白蛇様をお祭りする事も無くなりました。

白蛇様

我々は人間がこの地に住まうずーっと前から暮らして居ります。最初は家が栄える様にと
神として、崇められ、祀られました。次は商売繁盛を込めて祀られました。その頃は姿を見てその存在を知り、更なる信仰心も湧かせる事もできました。しかし、今の世になりましてからは、誰も振り返る物すらおりません。
我らも人が祀らなくなれば、ちからを発する必要も無く、力を貸す必要がなくなりました。

しかし、そんな、忘れられた存在であっても
我ら白蛇の血筋は脈々と続いおります。
この地を守る事、素晴らしいこの地の地下水脈を守ることは、我ら白蛇族が天から託された、我らの仕事で御座います。
この仕事があってこそ、精霊となりましても
この地を守る案件を任せられたと自負しております。

さて、この度、我らのこの地下水脈に異変がおこるのではないかと言う懸念がおこりました。今まで共に共存してまいりました、我らと人ですが、この屋を解体し土地を売ることになりました。我らは直系のものの夢枕に立ち何度も諌めましたが聞き入れられないため我らの世界でも名前の知れた高僧の枕元に現れました。

孫娘

お坊様とのご縁を結びましたのは私です。私のお爺様が大きな白蛇に酒蔵ででくわし射すくめられた思い出を聞いて居たからです。
お坊様に見ていただいたところ、この大蛇の子孫が生きておりこの酒蔵の水脈を未だに守っておいでである。ということです。
我らの血脈が17年もお祭りをしておりません。
怪死、変死をしたものも出ております。これがもしかしてお祭りを怠ったことに起因しているのではないでしょうか。
功明なお坊様に伺ったところ、かなりお怒りであるゆえ心からのお詫びをしなければならない。ということです。母屋と酒蔵を壊すのであればまずは、白蛇様と語らって、お怒りを解く必要があります。

僧侶

この屋の一番の問題は、白蛇様との深いご縁がありますのに、それを忘れた故に起こった白蛇様のお心を鎮める、と言う、お行を仰せつかりました。

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