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コックリさん  1

             作アマノコトネ

始めに
コックリさんで子供の頃遊んだ思い出がある方もおありだろう。この話は実家の隣の家で本当に起こった話です。昔からあるこのコックリさんの遊びかたには
ルールがあります。
それを知らないからと無視したら、貴方にも大きな祟りがいつやって来るかわかりませんよ。そろそろ話を始めましょう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

犬の狂った様な吠え声。
キャンと言って逃げ去る音。

道子 お母さん又、梅ちゃんがおかしく
なった。

植村夫人 なんで、うちの犬は皆、変になって
しまうのしら。これで何匹めだろ
う。

道子 ねえ、隣のお姉さんに聞いてみな
い。

植村夫人 隣の吉田さんば変な人ではないしご
近所さんにいい付ける人ではないけ
れど、でも進んでお願いするのもね。

そこに、回覧板を持って隣の老女が現れる。

吉田  回覧板ですよ。あら、梅ちゃんさっ
き おかしな様子だったけど何かあり
まし たか?

植村 夫人(困ったように。)
うちは、どんな犬を飼ってもみんな
狂うのですよ。

吉田  貴女から頼まれないと、娘もどう
なってるかは見てくれないでしょうけ
ど、いよいよ何かあれば、遠慮なく
来て下さい。

そう言って帰って行きました。
それからしばらくは何もなく過ぎて行ったのですか?この家の大事な長男が大阪から東京の本社に戻ってきた時から異変が起きはじめました。
実家に戻り、泊まりますとすごい頭痛に襲われます。仕事も上手くいきません。
悩みに悩む息子をみていられず。植村夫人は吉田さんの門にたちました。
ピンポーン。
しばらくして、爽やかな声が帰って来また。

吉田  はい、どちら様てすか?

植村夫人 隣の植村ですが。

吉田   あら、ハイハイ今
開けますよ。
植村夫人 ありがとうございます。
先日お声をかけていただきまして、
ありがとうございます。実は・・
吉田   まぁまあ、玄関先では何ですから、
お入り下さい。

応接間にとうされる。

ヒロコ あら、植村のおばさまお久しぶりで
ございます。
道子さんも繁さんもおじさまもお元
気ですか?
植村夫人 ありがとう実は繁の事でお願いがあ
ります。変な話なのでビックリしな
いでね。
ヒロコ 多少の事は驚きませんからご安心下
さい。

じっと向き合うヒロコに一部のすきは無い。
何か神々しくさえ感じて植村夫人は話始めた。

植村夫人 この前お母様が内に来られたとき
声をかけてくたさったので藁をも
掴みたい気持ちで伺ったの。
じつは、東京の本社に戻ってきた繁
が何かおかしいんです。
特に内に来ると酷い頭痛に襲われる
らしいんです。
理由があるのでしょうか?
ヒロコ お家に帰ると起こるのですか?

植村夫人 はい、激しい痛みで、家には来れ
ないといいます。結婚ももうすぐ
ですので、心配しています。
ヒロコ わかりました。このままお宅にお
連れ下さい。

植村夫人 わかりました。家を片付けておよ
びします。

しばらくして、電話がかかる。

ヒロコ ハイ今から参ります。

植村邸の中、ヒロコの後に植村夫人、道子が続く。ヒロコ襖のしまった前に立ち。目をつむり、何かを読み解いているようだ。

ヒロコ よくわかりました。
植村夫人 何なのかおしえて?
道子 何なんですか?

ヒロコ この部屋には巨大な佐賀稲荷の狐
様が随分昔からおられます。
道子 佐賀稲荷の狐?何で ?又狐なんで
すか?
ヒロコ 繁さんが、一部始終ご存知かと思
います。
道子 えー、繁が知って居るんですね。
植村夫人 息子に今日来るように言います。
それまでに、私達が出来ることは
ありませんか?
道子 繁は治るのですか?
ヒロコ 約束さえ守ればなおります。
植村夫人 何か用意するものを教えてくださ
い。
ヒロコ 榊の大きい枝を2本〜3本。道子さ
んも手伝ってください。
道子 庭の榊でも良いですか?
ヒロコ それと短い花屋で売っている榊を2
束。
富士の冷水というような薬局かコ
ンビニで売っているお水を10本ほ
ど。
綺麗な雑巾。箒と塵取り。ゴミを
出す袋。バケツ。塩。
私はそのほかのものを家に取りに
行ってまいります。
その間決してこの襖は開けないで
ください。

植村夫人 、道子、怪訝な顔をするがヒロコのいうことに従う。
ヒロコ忙しく出て行く。

暗転

続きは「コックリさん」2に続きます。

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