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群雄割拠だから名前を挙げていなくても怒られないシステムでいく――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊻

【4/10阪神11R桜花賞(GⅠ)回顧】
まさかのノータッチ……すみませんでした

ハヤタ「桜花賞は本当に、ホントーに、すみませんでした……」
恵麻「わぉ、今週もまた謝罪から。しかも本当に五体投地してます」
璃子「まあたしかに、勝ったスターズオンアース展望でひと言も触れてないっていうのはお粗末だったよね……。私も反省してます」
姫「ここ3戦、赤松賞、フェアリーS、クイーンCで負けていて、しかもその相手がここにも出走してる馬たちだったから、もう勝負付けは済んだと判断しちゃってたのよね……」
ハヤタ「馬体としては胴がやや詰まり気味の体型でマイル適性は高いから、この好走も決して驚けないのだけど……」
璃子「デビューからここまで3着を外していないし、人気馬との力差はなかったわけだ。ちょっと人気の盲点になってたかぁ」
恵麻「1着から18着までのタイム差はわずか1秒4。結果論だけど、全体的にも力差は少ないメンバーだったと見てよさそう。ここは見立てどおり『百花繚乱』の戦況だったわけだね」
璃子「となると、オークスでは着順ががらりと入れ替わってもおかしくない。勝ったスターズオンアースはもちろん人気にもなるだろうけど」
ハヤタ「さっきも言ったとおり1600~1800mあたりがベストのマイラー体型だけど、首差しにゆとりがあるからある程度距離もこなせそうだね」
姫「父ドゥラメンテで祖母はスタセリタ。オークスを勝ったソウルスターリングの近親にあたり、血統的にも距離はもちそうよね」
恵麻「次走はオークスに向かうってことだし、当然2冠の期待はかかるね」
ハヤタ「2着ウォーターナビレラと3着ナムラクレアはマイル以下が良さそうな印象。距離延長はやっぱり疑問かな」
姫「ナムラクレアは短距離路線に向かうことを表明したわ。ウォーターナビレラの次走はまだ未定だけど、オークス行きを明言しないってことは陣営も距離には不安を感じているのかもしれないわね」
璃子「本命に推したナミュールは末脚不発でまさかの10着敗退。大外枠が響いたとか、馬体重4キロ減の影響とか敗因はいろいろ言われてるけど……」
ハヤタ「4キロくらいならそう大きな影響ではないと思うけど……小柄は小柄だからね。毎回レースで安定してパフォーマンスを出せるほどにはまだ馬体が成長していないのかもしれない」
恵麻「10着とは言っても33秒7の末脚を使えていて、勝ち馬とのタイム差も0秒3だからね。依然としてスタートや折り合いは課題になりそうだけど、オークスでの巻き返しは当然期待していいよね」
姫「同じことは4着のサークルオブライフにも言えそうね。外枠からロスの多い競馬を強いられたけど、最後の伸び脚は目立っていたわ。もともと距離延長は歓迎と見られている馬だし、オークスでも中心の1頭になることは確実ね」
璃子「あとはスタートで遅れて力を出しきれなかった感のあるプレサージュリフトライラックもまだ見限れないでしょ。日曜阪神9R忘れな草賞アートハウスも馬の間を割って抜け出す味な内容で勝ち上がったし、樫も桜に引き続き『百花繚乱』になりそうだ」

【4/9中山11R ニュージーランドT(GⅡ)回顧】
上積みしだいでは本番で逆転も

恵麻「先週の展望では触れなかったけど、土曜日の中山ではニュージーランドトロフィー(GⅡ)がおこなわれたね」
姫「NHKマイルカップのトライアルでもある芝1600m戦。ここは武豊騎手のジャングロが強靭な逃げ粘りで重賞初制覇を決めたわ」
璃子「4コーナーから直線にかけての脚色ではマテンロウオリオンがかわすかなと思ったんだけどね。最後はジャングロが差し返す感じすらあった。さすがに東京に舞台が変わる本番で同じ競馬が通用するかと言われると疑問だけど……」
恵麻「そういう意味ではマテンロウオリオンの叩いた上積みのほうにも期待したいよね」

【POG指名馬回顧&展望】
1勝って遠いですよね……

璃子「先週のPOG指名馬は、シェンフォンが10着、ゴールデンベッセルが7着、ザビッグマンが14着。覚悟していたとはいえ、厳しいね、どうも……」
恵麻「必ずしも出たい条件のレースに出走できるわけでもないし、未勝利とはいえ勝つのはなかなか難しいよね」
璃子「で、今週もまた皐月賞イクイノックスを含め、POG指名馬の出走が控えてるわけだけど、どんなもんかな?」
姫「まずは4/16中山1Rに出走するルナエルモッサね。前走8着後は外厩で調整され、中7週での出走よ」
ハヤタ「小柄な馬だけに今回はダート替わりが鍵になるね」
姫「たしかに。2走前に今回と同じ中山ダート1200mで15着と大敗しているのは気になるわね」
璃子「ただ今回は外枠を引いたんだよね。持ち前の先行力を生かしやすいだろうし、残り目くらいなら期待してもいいんじゃないか」
ハヤタ「雨が降って脚抜きの良い馬場になりそうなのもプラスだね。あとは前走減っていた馬体重も戻ってきてほしい」
恵麻「次に4/17福島2Rに出走するクリノマジン。中間ソエが出てたって話が気になるね」
ハヤタ「ソエは管骨に生じる炎症のこと。骨が固まっていない若い馬によく見られる症状で、軽いものだとチクチクとした痛みがあるみたい。競走能力に直接影響はないと思うけど、調教はどうしたって控えめにならざるをえないしね。ソエが収まってからが本領発揮かもしれない」
恵麻「いちおう追い切り後はソエを気にする素振りは見せてないって話だけど、さて今回は力を出しきれるか」
ハヤタ「あとは今回のレース条件だね。この馬のベストは左回りの芝1400m。今回の福島芝1200mにうまく対応できるといいけど……」
恵麻「相手関係としては既走馬よりも初出走馬に警戒が必要かな」
姫「土曜日に戻って4/16中山9R山藤賞には2勝目を狙うレッドランメルトが出走するわ」
ハヤタ「すらりと脚の長い体型のディープインパクト産駒で、前走の東京芝2400mはベスト条件かなとも思ったんだけど、結果が出なかった」
恵麻「中山の2000mに条件が戻るのはちょっとマイナスかな?」
ハヤタ「そうだね。ただ今回も9頭立てと少頭数なのはいいと思う」
恵麻「ごちゃつく心配は少なくなるもんね」
璃子「重賞帰りの馬や未勝利圧勝の馬もいて相手も楽ではないけど、この馬自身のコンディションは悪くないみたいだし、ダービー出走に望みをつなげるためにも頑張ってほしいところだね」

【4/17中山11R皐月賞(GⅠ)展望】
群雄割拠の皐月賞! 「注目馬」はこの5頭だ

璃子「というわけでお待ちかね、皐月賞の展望だよ! 桜花賞もそうだったけど、今年の牡馬クラシック路線もトライアルや主要ステップレースの上位勢がこぞって参戦してきて、すごい強力なメンバーになってる」
恵麻「桜花賞は『百花繚乱』と表現したけど、今年の皐月賞はまさに『群雄割拠』って言葉がぴったりだよね」
璃子「展望しようにもシルシがいくつあっても足りそうにない……というわけで今回はおもいきって私たちが特に気になる5頭に絞って期待度をはじきだしてみようと思います。これなら取り上げた馬以外が勝っても『あくまで期待度を言っただけだから』って言い訳もきくしね!」
姫「そういうズルい思惑はせめて黙っておきなさいよ……」
恵麻「まあまあ。もちろん私たちの挙げる5頭から勝ち馬が出る可能性だって十分あるわけだし。それで、1頭目はイクイノックスでいいんだよね?」
璃子「もちろん。なんたってPOG指名馬だからね」
姫「今回の鍵はなんといっても、東スポ杯2歳ステークス以来5ヵ月ぶりの出走という点よね。トライアルを使わないぶっつけローテが浸透してきてるといっても、ここまで間隔が開くのは異例よ。どうしても順調さを欠いたのかなと勘繰りたくなるけど……」
恵麻「陣営の談話によると、レース後の消耗が激しいタイプで、暮れの2歳GⅠや皐月賞トライアルをはさむとダービーまで体がもちそうにない。だから東スポ杯後は皐月賞まで間隔を開けると早くから決めてたみたいだね」
璃子「予定通りのローテではあるってことか。とはいえ久々の出走になるのは間違いないわけだし、仕上がりが肝になるんじゃない?」
姫「直前調教は2週続けてルメール騎手が騎乗。好感触をつかめたようで、記者会見では『GⅠ級』『中山でも』と勝算をうかがわせるコメントが並んだわ」
恵麻「『皐月賞は勝てなくても次のレースでは勝てます』って断言してたもんね」
璃子「皐月賞勝てなくてもって……ルメール!?
恵麻「まあポロっと漏れちゃった感はあるけど……馬体的にはどうなんだろ?」
ハヤタ「長躯短背の瞬発力体型で、直線の短い中山でも力は出せそうな気はする。仕上がりも良いなら普通に有力候補だと思うけどなあ」
璃子「休み明け、初の中山、それに大外18番と克服すべき課題が多い一方、未知の魅力もたっぷり。これは本当に取捨が難しいだろうね。期待度としては75%くらいかな?」
姫「つづいて2頭目の注目馬にいくわよ。ダノンベルーガよ。直前まで皐月賞への出走は未定だったけど、1週前追い切りに乗った川田騎手の進言もあって、出走を決めたわ」
璃子「皐月賞出走を迷ってたのって、やっぱり右回りに不安があるから?」
恵麻「右回りだとトモが流れてうまく走れない感じがするって話みたい。ただそのあたりも解消されてきたからこそ出走に踏み切ったんだろうけど」
姫「まあ堀調教師だし、ノーチャンスならここを見送ってダービー1本に絞ったはずよね。実際、私たちもこの馬は皐月賞には出てこないかなって思っていたくらいだし」
ハヤタ「ストライドが大きくて持続力のある末脚が武器の馬ではあるから、たしかにダービーのほうが条件は向くんだよね。筋肉の質は本当にすばらしい馬だから、この舞台で素質がどこまで通用するかだね。立ち写真で見るよりも動かしてみて良さがわかるタイプの馬だよ」
璃子「共同通信杯から皐月賞直行ってローテは近年の王道ではあるんだけどねえ。この馬も体質が弱めみたいだし、仕上がりも鍵になるね。それでも『世代最強』の可能性は秘めるし、期待度は70%としておこうか」
恵麻「3頭目の注目馬はジオグリフ。昨年夏に新馬、重賞と2連勝を飾った頃はこの世代の主役だったけど、ここ2戦の敗戦ですっかり影が薄くなった感じもあるねえ」
ハヤタ「お尻が大きめの体型で、距離的には2000mくらいまでが合っているかな。問題は喉だね」
姫「喉に疾患を持っているのよね、この馬。いまのところは大丈夫という話だけど、大きな不安要素ではある」
璃子「それこそデビューした時から注目してきた馬だから今回取り上げたけど、力を出しきれるかは喉の調子にかかってるってことか。こればかりは当日やってみないと分からない。ってことで期待度は50%
恵麻「4頭目。これもある意味デビュー戦から注目してきた1頭である、デシエルト
ハヤタ「ダートでのデビューだったけど、むしろ芝での走りに可能性を感じたんだよね。だから前走、若葉ステークスで結果を出してくれたのは嬉しかった」
璃子「戦歴が戦歴だけに今回、一気に相手が強くなる点は気になるけど、未知の魅力にはあふれてる。前に行ける脚質だし、中山は合いそうだよね」
恵麻「揉まれる競馬になった時にどうかって心配はあるよ。同型馬をどうさばくか、位置取りが鍵になりそう」
ハヤタ「馬場は重に近い稍重くらいになって、少し時計がかかってくれるとありがたいんじゃないかな。期待度は60%くらいでいいと思う」
璃子「注目馬最後の1頭はドウデュースとしたい。臨戦態勢としてはこいつがいちばん不安要素が少ない。というか皆無。昨年は朝日杯FSまで3連勝。今年は弥生賞から始動して、ここは2着と敗れたものの、今回と同じ条件を経験できたのは大きい。普通に考えてここは勝ち負けだよね」
ハヤタ「うん。この馬もダノンベルーガと同じくハーツクライ産駒で筋肉の質や動きの柔らかさがすばらしい馬体も良い意味でどっしりとした安定感があって、どんな展開でも力を出せそう
姫「ただ血統的にはハーツクライ産駒って皐月賞ではイマイチなのよね。この馬も安定感があるだけにかえって取りこぼしもありそうなイメージ。3連複の軸なんかには最適なんだろうけど」
璃子「前走弥生賞組も2、3着には来るものの勝ち切れない傾向なんだよね。今年も上位拮抗だけに果たして……それでも期待度は85%くらいあるでしょ」
恵麻「というわけでまとめると今年の皐月賞、私たち的にはイクイノックス(期待度75%)ダノンベルーガ(期待度70%)ジオグリフ(期待度50%)デシエルト(期待度60%)ドウデュース(期待度85%)の5頭に注目ってことだね」
璃子「自分たちで期待度を出しておいてなんだけど、この5頭以外から勝ち馬が出そうなニオイがプンプンだな……。でも最初に5頭って言ったからあえてほかの馬の名前は挙げない! 天邪鬼な人はこの5頭を外した馬券を買ってください! もちろん自己責任で!」
姫「堂々の逆神様宣言じゃない……」
恵麻「でも当たるといいよね」
ハヤタ「ほかの出走馬の評価については公開する評価シートでご確認ください……」


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