Go for the classics 2020-2021 オークス展望

今春のクラシック戦線もオークスとダービーを残すのみとなりました。昨年に引き続き、牝馬牡馬ともに無敗の二冠馬が誕生するのか注目が集まるところです。まずは今週のオークス出走馬を一頭ずつ馬体考察してみたいと思います。

①ククナ

体格C 体型C 体質B 馬場:良○重○

骨格に対して肉付きのいいタイプで、マイラー体型です。一走ごとによりマイラー色が濃くなっており、成長につれ本質的な適性が出てきた印象を受けます。持ち前のパワーが生きる馬場になって展開が向くことを願いたいところです。

②スルーセブンシーズ

体格A 体型B 体質C 馬場:良〇重〇

父ドリームジャーニーに似た細身の体格で、繋も長く、長めの距離は合っているでしょう。あとは強い相手にどこまで踏ん張れるか。

③パープルレディ

体格B 体型B 体質C 馬場:良〇重〇

こちらも小柄な馬体。ただまだ緩さも感じさせます。距離はオールマイティーにこなせそうですし、2400mで勝ち星がある点は強みですね。

④タガノパッション

体格B 体型C 体質C 馬場:良○重○

余分な肉がついていないという意味では良いですね。腰高で華奢な印象も受けますが、脚が長い体型は母父シンボリクリスエスの影響でしょうし、キングカメハメハ産駒としても良い傾向です。体型的には短距離、1400mくらいに適性がありそうにすら見えますが、それでいて2000mまでこなしているというのは能力の証明なのかもしれません。切れ味を生かす競馬をしてくるのでしょうか。

⑤クールキャット

体格A 体型A 体質B 馬場:良◎重△

500キロを超す大型ですが、全体的に肉はつきすぎておらず、理想的な中距離馬の体格です。首筋がスラリと伸び、胴も長め。肩が寝て胸も深く、心肺能力も感じさせます。筋肉の伸縮性もあります。理想を言えばもう少し雄大に歩けると良いでしょうか。懸念材料は馬場でしょう。蹄が大きいタイプだけに、馬場悪化を苦にする可能性があります。

⑥ウインアグライア

体格A 体型B 体質C 馬場:良○重○

肩が寝てお尻は小さめ。体格も程よいサイズで、本質的に中長距離が向くタイプでしょう。良馬場の方が好きそうな蹄と繋の作りですが、走り方で重馬場もこなしているのかもしれません。他馬との力差を考えると重馬場の方がチャンスは広がるでしょう。大逃げを打つとか、奇襲作戦に打って出る可能性もありますね。

⑦アカイトリノムスメ

体格A 体型B 体質A 馬場:良◎重○

筋肉の質はここでもやはり上位に見えます。体格的にも距離は前走のマイルより今回の方が良いはず。肩が寝て脚も長く、ストライドの大きな走り。東京の長い直線は走りやすいでしょう。トモとお尻が少し大きい、首が少し短い、繋が少し短いなど体型の特徴から、ペースが落ちた時に道中かからず追走できるかが鍵となると思います。良馬場で気持ちよく走れれば、V候補の1頭と見て間違いないでしょう。

⑧ハギノピリナ

体格A 体型A 体質C 馬場:良〇重〇

首さしや脚が長く、体格も肉がつきすぎておらず、中距離向きの馬体です。デビューから一貫して2000m以上のレースを使われているのもうなずけますね。得意の距離と経験値でどこまで上位争いに加われるでしょうか。

⑨ユーバーレーベン

体格A 体型B 体質B 馬場:良〇重〇

お尻が大きすぎず、肩の傾斜も良く、飛節も伸びる。総合的に見て今回のメンバーでも2400mへの適性は高いと見ていいでしょう。平尻に近い傾向はあって一瞬の切れを競う瞬発力では劣りそうですが、ある程度ペースが流れて持久力を問われるレースになれば、他の有力馬を凌ぐだけの力は十分にあると思います。蹄が起き気味で馬場悪化も苦にしない点もこの馬の強みですね。陣営もここを目標に叩いてきているでしょうし、絶好調でレースを迎えたいところです。

⑩エンスージアズム

体格C 体型C 体質B 馬場:良◎重△

420キロ弱の小柄な体格で、それはいいのですが、骨格に比して肉付きが良すぎる感じ。エネルギー効率が悪くなるので中距離ではマイナスです。体型的にも短距離〜マイルに適性があるように見えます。前走よりも体の張りは増し、体質面は強化されている印象。得意の良馬場で直線一気に賭けてどこまで、といったところでしょう。

⑪ソダシ

体格A 体型B 体質A 馬場:良○重◎

父クロフネですし決して筋肉が柔らかいタイプではないのですが、それでいてストライドは並みの馬より大きく取れてますからね。肉がつきすぎているわけでもないので距離延長はそこまで問題ではありません。しかし2400mということを考えると、わずかですがフットワークに無駄があることもたしか。心肺機能の優秀さでエネルギー効率をどこまで高められるかが鍵でしょう。能力の絶対値やレース運びの上手さは折り紙付きですし、同世代の牝馬同士なら当然上位評価すべきですが、未知の距離で今回は今まで以上に苦戦を強いられる場面はありそうです。体格や体型でストライドを確保していますが、走り方としてはピッチ走法なので重馬場は苦にしないはず。

⑫ミヤビハイディ

体格B 体型B 体質C 馬場:良△重〇

エピファネイア産駒らしい胴長の体型で、中距離の適性はありそう。外殻からは心肺が大きい感じはしません。繋に余裕がなく、良馬場での瞬発力争いでは劣るかもしません。

⑬ファインルージュ

体格B 体型B 体質A 馬場:良◎重△

モコモコと筋肉がついているわけではないですが、2400mを走るには少し体格が立派すぎるかもしれません。体型的にも曲飛でやや詰まったところがあって、距離延長は歓迎材料とは言えないと思います。体質面では上位なので、道中いかに脚を溜めてこられるかでしょうね。

⑭ストライプ

体格B 体型B 体質C 馬場:良○重○

大型馬ながら血統のイメージほど肉はつきすぎていませんが、2400mとなると少し長すぎるでしょうか。肩は寝ていて前脚はやや短め、飛節は折りが深めで、今回は先行策に打って出ると持ち味が出そうな気がします。重馬場もこなせますから、天候次第で前残りを警戒したいですね。

⑮アールドヴィーヴル

体格B 体型B 体質B 馬場:良◎重○

スッキリとした体格でエネルギー効率が良いため、距離延長は問題なさそう。ただ腹目はスッキリしすぎていて少し非力にも映ります。体格の割に胸は深く、心肺能力は期待できるでしょう。背中の短い瞬発力タイプ。良馬場で切れ味を生かす競馬がベストでしょうが、繋は立っていて重馬場もある程度こなすかもしれません。

⑯ニーナドレス

体格B 体型B 体質C 馬場:良〇重〇

500キロ超えの体重ほど重量感はありませんが、2400mよりは1800mくらいがベスト距離でしょう。背中の短い瞬発力タイプですね。馬場はある程度オールマイティにこなせると見ます。

⑰スライリー

体格C 体型B 体質C 馬場:良○重○

2400mを走るにはやや肉付きが良すぎるようにも見えます。ただお尻はそんなに大きくなく、繋も長めでバネがあるので、うまく走らせればそれなりに距離はもちそう。筋肉に柔らかみは感じさせますが、まだ緩いかもしれません。

⑱ステラリア

体格A 体型A 体質C 馬場:良○重○

体格面から2400mは適性の範囲内と見ます。背中が短めで飛節は深く、差し馬タイプでしょう。大外枠は厳しそうですが、調子などを精査して穴で押さえておく手はありそうです。

総括

クラシックシーズンも佳境を迎え、やはりここにきて馬体に成長を感じさせる馬が多い印象です。それに伴って本来の適性も表れてきていますが、まだ完成度の高さでギリギリカバーもできる時期なので判断が難しいところ。注目は⑤クールキャットです。このメンバーでは2400mへの適性はかなり高いと見ます。成長も感じられますし、いままで後塵を拝してきた馬たちを十分逆転できると思います。二冠を狙う⑪ソダシも当然有力。芯力がありますし、これまでどおりの走りをすれば距離もこなせそうです。重馬場も苦にしなさそうな点も心強いですね。⑦アカイトリノムスメは桜花賞からの距離延長で逆転の目が出てきました。馬場悪化なら⑨ユーバーレーベンも怖い。大穴には奇襲に出たときの⑥ウインアグライアを取り上げたいと思います。






















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