Go for the classics 2020-2021 桜花賞展望

中央競馬の2-3歳戦を馬体面から考察し、ダービー馬を探す試み。突然始めます。もちろん、我が心の師・岡田繫幸総帥の衣鉢を継ごうというコンセプトです。

ただ、こういう馬体評価については競馬専門誌や競馬サイト等でもプロの方々がやられていますから、こちらは物量と明確さで勝負。ということで、なるべく多くの馬を取り上げる、明確な評価指標を示す、という方針でいきたいと思います。具体的には、2歳戦が始まってからですが、各馬ごとに「芝/ダート適性」「距離適性」「馬場(良/重)適性」を評価。またクラシックレースの事前展望に関しては、出走馬の「体格」「体型」「体質」「馬場適性」を当該レースの条件に照らしてA~C段階で評価してみたいと思います。

というわけでさっそく、2021年4月11日に行われる第81回桜花賞の出走馬を診断してみましょう(並びは枠順どおり)。

①ストライプ

体格A 体型A 体質C 馬場:良〇重〇

500キロ超の体格で牝馬にしてはパワフルな印象。阪神の坂も苦にしないでしょう。背中が短めで瞬発力がありそうです。繋はある程度の長さがあり、肩の角度も窮屈な感じはしないのでマイルは問題なくこなせると見ます。蹄は標準的なかたちで、良馬場のほうがいいですが重馬場になっても大丈夫そうです。ただ、晩性のルーラーシップ産駒ということもあり、まだ体質面で緩さはありそう。

②ファインルージュ

体格A  体型B 体質B 馬場:良◎重△

こちらも500キロ近い体格で坂を苦にしないパワーがありそう。繋がやや短めで体型的にもマイルが上限。今回の舞台なら問題ないですが、背中も短めなので瞬発力を生かす競馬が得意そうなので、やはり中山がベストでしょう。蹄は標準~ややベタぎみなので良馬場がベター。

③ブルーバード

体格C 体型B 体質C 馬場:良◎重△

430キロ台とやや小柄。繋にはある程度の長さがあるのでマイルがまるでダメとまでは言いませんが、全体的に詰まり気味のシルエットでベストはやはり1400m以下でしょうか。適性をカバーして突き抜けるだけの体質があるかは疑問。ベタ蹄で良馬場が良さそう。

④ソダシ

体格A 体型B 体質A 馬場:良〇重〇

ちょっと評価が難しい馬。繋は短めの立ち気味で血統からもダートもこなしそうな感じですが、首筋はすっきりとしているので芝でも走っているのでしょう。蹄はベタで良馬場向きなのですが、繋の感じから重になってもこなせえる可能性はあります。体格も問題ないですし、繋の構造から坂のあるコースでの力比べには強いでしょうね。体質は優れているのですが、パワー優先のタイプに見えます。切れ味勝負のマイラーというよりは、もう少し長めの1800m戦で持続力が生きそうな印象の体型です。仕上がりの早さもあって2歳女王まで上り詰めましたが、今回も早めの競馬で押し切れるかでしょう。

⑤アカイトリノムスメ

体格B 体型B 体質A 馬場:良◎重△

450キロ台。皮膚が薄くすぐれた体質の持ち主。体質で適性をカバーする面もありそうですが、舞台としてはスピードが生きる東京のほうがベターでしょう。背中にゆとりがある体型で、距離が伸びても良い。その意味でもむしろオークスで注目したい1頭ですね。蹄はベタぎみで良馬場がベスト。

⑥ストゥーティ

体格B 体型B 体質B 馬場:良○重○

420キロ台で腰回りはややすっきりとしていますが、そこまで非力な印象は受けません。マイルは問題なく、中距離までこなせそうな体型。繋の角度が理想的で結構瞬発力はありそう。蹄の作りから重馬場もある程度こなせるでしょう。

⑦ククナ

体格B 体型B 体質B 馬場:良○重○

450キロ台で小さくはないですが、ちょっと詰まり気味の体型かなと思います。筋肉量は豊富でマイラータイプですが、中山とか小回りでパワーと加速力を生かすほうが合っている気もします。蹄はベタ気味ですが繋の回転が速いので重馬場もこなせるかもしれません。

⑧メイケイエール

体格B 体型B 体質A 馬場:良◎重〇

危険なほど引っかかりながら最後まで粘り通して勝ってしまった前走からも、卓越した体質の持ち主であることは明らか。ただ、やや細身ですし斜尻で瞬発力がありそうな感じからも、坂があるコースよりは平坦の高速馬場のほうがより力を出せる気がします。蹄もシャープで良馬場がベストと思いますが、繋が立ち気味にも見えるので重もこなすのでしょう。

⑨エンスージアズム

体格B 体型B 体質C 馬場:良◎重△

420キロ前後の体重ですが、胴が詰まり気味で腹袋があるせいか、そこまで非力な感じはしません。体型的には一見すると短距離志向も感じさせますが、首を使って走れる点で距離をこなしていそう。ディープインパクト産駒らしいバネを秘めていそうですが、まだそれが全面には出ていない感じ。繋の角度や蹄の作りからパンパンの良馬場が良さそうに見えます。

⑩アールドヴィーヴル

体格C 体型B 体質B 馬場:良◎重△

前走で体重が減りすぎていたせいもありますが、阪神を走るには少しすっきりしすぎな印象も受けます。体型的にも中距離よりの適性がありそうです。背中の短い瞬発力タイプで、良馬場が向きそうなベタ蹄です。

⑪ジネストラ

体格B 体型B 体質C 馬場:良〇重〇

体型的にはマイルはベストですが、筋肉は強そうですが柔軟さには欠ける印象もあり、小回りで器用さが生きる舞台のほうが向くかもしれません。馬場が渋っても対応できそうな反面、良馬場の速さ比べになるとほかの有力馬にどこまで対抗できるかなといった印象です。

⑫ヨカヨカ

体格B 体型B 体質B 馬場:良◎重△

牝馬で450キロ台なので小さくはないですが、骨の感じからすると平坦コースがベターでしょう。繋は短すぎないですが、前脚が短めで前かがみなので短距離がベスト。意外とバネのある体質ですが、阪神マイルのG1で押し切るまでのイメージは持ちづらい。蹄が薄いこともあり、軽快なスピードを生かせる舞台がベストではないでしょうか。

⑬エリザベスタワー

体格A 体型A 体質B 馬場:良〇重〇

牝馬ながら骨量豊富で坂のある阪神は大歓迎のタイプでしょう。繋の長さからいってもマイルがベストで、今回の舞台への適性はかなり高いと見ます。やや硬い面があるものの、体質もかなり良いものをもっていそうです。ここで勝てなければ、G1に手が届きそうで届かないみたいなタイプになってしまうでしょう。馬場はオールマイティにこなせそうです。立ち写真を見ると、前走とは別馬かと思うくらい体格面で成長がうかがえます。

⑭ミニーアイル

体格A 体型C 体質C 馬場:良〇重△

体格は良いのですが首や繋が短めで短距離志向が強い馬体に見えます。重心が後ろ目にあるので差し追い込みが得意。蹄の作りから良馬場が希望ではないでしょうか。

⑮シゲルピンクルビー

体格A 体型B 体質B 馬場:良◎重△

モーリス産駒らしく骨量・筋肉量が豊富でパワータイプ。そのぶん繋の短い短距離体型で、前走の阪神1400mはベストの舞台でした。得意条件なら今後も重賞級で活躍して不思議ではないものの、今回はやや距離が長い気がします。蹄はベタで良馬場が希望。

⑯ソングライン

体格A 体型B 体質C 馬場:良〇重△

キズナ産駒らしく筋肉量・骨量が多く、体格的にパワーはあります。ストライドを伸ばす瞬発力よりはピッチ走法で長く良い脚を使う持続力に長けている印象。ベストは東京の1400mでしょう。蹄の作りから良馬場がよさそう。

⑰ホウオウイクセル

体格C 体型B 体質B 馬場:良〇重〇

420キロ前後で阪神のG1で勝負するならもう少し体が欲しいですね。体型的にはマイルよりは1800mで脚を溜めたいタイプに見えます。馬場は渋っても対応できそうな蹄です。

⑱サトノレイナス

体格A 体型B 体質A 馬場:良◎重△

首の長さ、肩の角度、四肢の長さなど、全体的に調和の取れた好馬体で、距離の融通がききそうな体型です。ただ、マイルは問題ないですがスペシャリストではないですね。背中も短めで体質の良さを生かした瞬発力勝負で強そうですが、わずかに繋が立ち気味な点が少し気になる。G1で求められる極限のスピードに届かない要因にもなりうる反面、阪神の坂ではプラス。ここは判断が難しいですね。蹄は薄めでシャープなので良馬場がベスト。重馬場はからっ下手とまでは言えなくても割引は必要かもしれません。前走では後ろの繋にバンドを巻いていました。問題のある馬具ではなさそうですが、外してきたほうが安心でしょう。

総括

抜けた存在のいない混戦模様ですが、ベストの条件で馬対面の成長も見えるエリザベスタワーがもっとも面白そうです。差し・追い込みの勝負になればサトノレイナスも有力でしょう。好枠に入ったソダシが今回も早めの競馬で後続を封じ込めれば連勝をさらに伸ばすかもしれません。あとは底知れないメイケイエールが極端な競馬で度肝を抜く可能性も。アカイトリノムスメはパワー不足を切れ味でどこまで補えるか。ファインルージュも前走で能力を感じたので、休み明けで成長があれば面白いですね。穴で加えるならストゥーティシゲルピンクルビーでしょうか。

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