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寒さは財布にも堪えます――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊲

恵麻「いやー、寒いねえ、このところ」
姫「全国的に寒波に見舞われて、各地で雪も降っているものね。競馬場のある地域も降雪があって、開催にも影響が出たわ」
恵麻「日曜日の中京で、第1レースの発走時刻が1時間繰り下げになったんだよね」
姫「雪が舞うなかおこなわれたレースもあったわ。結果にどの程度影響したかは判断が難しいところだけれど……」
恵麻「そのあたりも含めて、先週の3歳戦を回顧していこっか」

2/5東京6R 芝1800m  1着:ブラックノワール
評価☆6

璃子「土曜日の新馬戦は東京と中京でひと鞍ずつ。まずは東京だね。芝1800m。大外枠から小細工なしにハナを奪ったブラックノワールが直線一杯、1馬身のリードを保って逃げ切った」
恵麻「抜かされそうで、抜かせなかったよね」
ハヤタ「うん、しぶとかった。四肢が長く、すっきりと見せる芝向きの馬体。ゆったりと走れて長く良い脚を使えそうだし、距離は2000m以上になっても問題なさそう」
姫「父キタサンブラックを彷彿とさせる逃げ切り勝ちだったわね。母も秋華賞を勝ったブラックエンブレムという良血馬よ。姉のウィクトーリアも重賞を勝っているし、春のクラシックは間に合わなかったとしても、秋口以降の活躍も期待されるわね」
璃子「2着はサニーバローズ。デムーロ騎手の談話だと、前の馬を捕まえにいかずブレーキをかけていたとか。気性面の改善があればすぐに勝ち負けできそうだね」
ハヤタ「3着のエターナルタイムも最後はよく伸びてきた。筋肉の収縮力はなかなかのもので、これも次は勝ち負けになると思う」

2/5中京4R ダ1800m 1着:アキュートガール
評価☆5

恵麻「中京の新馬戦はダート1800m。舞台は違ったけど、こちらも逃げ切りだったね。じわっとハナに立ったアキュートガールが、直線では1番人気のインディバローズに迫られるもゴールまでしぶとく粘り込んだ」
ハヤタ「前脚は短めで後ろ脚が長め。腰高の体型が特徴的な馬だね。体型的に逃げるのはこの馬かなと思っていたけど、インディバローズをおさえて逃げ切ったのは意外だったよ」
恵麻「道中は2番手からプレッシャーを受けながらの逃げだったといえ、スローペースだったからね。直線まで余力は十分だったのかも」
ハヤタ「2着のインディバローズも馬体重550キロを超す大型馬で、さすがに体が重くて最後の伸びを欠いたのかも。パワフルな馬体が目を引くし、次走以降も楽しみな馬だよ」

2/6東京3R ダ1600m 1着:ストレートリターン
評価☆6

璃子「東京ダート1600mの新馬戦は、二の脚で2番手につけたストレートリターン。直線の残り100m過ぎまで逃げ馬の抵抗を受けたけど、こちらも諦めずに伸びて形勢逆転。2着エスシーカリファも怒涛の追い込みを見せたものの、すでに大勢は決していた」
ハヤタ「ストレートリターンはやっぱりパドックで馬体が目立った1頭だったよ。筋肉量は豊富。それでいてメリハリもきいた体つきで、すごく見栄えがする。パワフルな馬体だし、繋も短くてダートの適性は高いと思う。四肢の長さは並くらいで、背中が短めでスピード感もあるあたり、東京のマイルはぴったりな印象だね」
璃子「勝ち時計が1分41秒2とかかった点は気になるけど、馬体的には評価が高いってことか」
ハヤタ「このレースはあと、3着のネヴァイナフも馬体がよく見えた。これも筋肉量豊富でダート適性が高いね。1400mでもスピード負けしなさそうだし、前脚が少し長めで肩も寝ているから、逆に1800mくらいの距離でも持ち味が生きるんじゃないかな」
恵麻「3着に敗れたとはいえ逃げを打つ先行力は見せたもんね。関西馬で地元に戻れば番組選択の幅も広がるだろうし、次走ですぐ勝ち負けになってもおかしくないかもね」
ハヤタ「今回は少し体に余裕もあったから、叩いて良化も期待できそうだしね」

2/6東京6R 芝1600m 1着:ロールアップ
評価☆6

姫「東京芝マイルの新馬戦。このレースを勝ったロールアップは、北海道セレクションセールで6380万円で取引された牝馬よ。日高のセールで取引される牝馬としては結構な高額と言えるわね」
ハヤタ「首はやや短め、肩もやや立ち気味で、四肢も短めか並くらい。胴は少し詰まり気味かな。ただ全体のバランスは良いから窮屈な印象は受けない。マイラーの見本みたいなきれいな体型で、セールで高値がついたのもわかる気がする」
恵麻「レースは最内枠からのスタートで無理せず後方のポジションから。直線まで終始内内で、前が壁になるかにも見えたけど、馬群がばらけると一気に先頭まで突き抜けた。外から追い込んできた2着馬に迫られるともうひと伸びしてたし、なかなか見ごたえのある勝ちっぷりだったよね」
ハヤタ「まだ粗削りな面も見られるけど、現時点での力は出せたんじゃないかな。無駄肉もなくって馬体の完成度は高く見えた」
璃子「中内田厩舎らしく、新馬戦からきっちり仕上げてきたってことか。全体時計の短縮は必要になってくるだろうけど、33秒台の末脚は見せたし、先々まで楽しみだね」

2/6中京6R 芝1600m 1着:ゼッフィーロ
評価☆5.5

恵麻「日曜日の中京。午前中も雪がちらつく中でのレースでどうなることかと思ったけど、午後に入ると天候も回復してひと安心。ちなみにこの第6レースの時点で芝の馬場状態は稍重だったよ」
姫「差しもききそうな馬場で、このレースはゼッフィーロが『好位差し』を決めたわね。道中は3、4番手で折り合いをつけ、直線ではしっかり脚を伸ばして先行2頭を差し切ったわ」
ハヤタ「脚は長めで、背中と胴の長さは並くらいかな。パドックでは少しチャカつき気味だったけど体の仕上がりはよかったし、ディープインパクト産駒らしく筋肉も強いね。全身を使ったフットワークで、走るセンスも感じた」
璃子「池江泰寿厩舎のディープ産駒か。これも時計短縮の必要はあるけど、侮れないね」

2/6小倉5R 芝2000m 1着:ファンジオ
評価☆5

ハヤタ「このレースに勝ったファンジオはモーリスの産駒で、前脚が短めで、骨も太い。一見コロンとした体型で、短距離向き、長くてもマイルくらいまでの馬かなと思ったんだけど、なんと2000m戦を逃げ切ってしまったね」
璃子「14番人気だからなあ。どの馬も小倉まで持ってきて2000mの新馬戦ってこともあって、じっくり構えた感じだった。結果スローペースになったし、最後まで脚を残せたんじゃないかな。上がり時計では2、3着馬のほうが上回っているんだよね」
恵麻「城戸騎手の好判断も勝利につながったんじゃないかな。3、4コーナー中間あたりの勝負所でリードを少し広げられたのはよかったし、4コーナーから直線にかけては外目を回っても馬場の良いところを選んで走らせてた」
璃子「勝つときはいろいろうまくいくもんだよね」

2/6東京1R 未勝利 ダ1300m 1着:メテオフリューゲル
修正評価☆6

璃子「未勝利戦から注目の1頭ってことで、日曜東京1Rを勝ったメテオフリューゲルを取り上げたい」
ハヤタ「この馬はすごく良いね。筋肉量豊富で身の詰まった馬体。骨もしっかりしているし、筋肉の強さも一見して分かるよね」
恵麻「冬場だけど毛ヅヤもピカピカしてたもんね」
ハヤタ「うん。ダートの短距離路線ではかなり期待できる1頭だと思うんだ」
姫「母パイクーニャンは配合種牡馬を替えながらも、ダートの上級条件まで進む産駒を次々と送り出している優良繁殖牝馬よ。たとえばショームやデアフルーグがオープン級で活躍しているわ。このメテオフリューゲルは父エスポワールシチーで、血統面から考えてもいかにもダート向き。きょうだいが果てしていない重賞勝ちの期待もかかるわね」
璃子「ハイペースになっていたとはいえ、中団追走から直線ではあっさり前をとらえて4馬身差の完勝。勝ちっぷりからしてここでは力が違った感じだし、次走以降も楽しみな馬だね」

2/5東京4R 1勝クラス ダ1400m 1着:リメイク
評価☆6

璃子「土曜東京の1勝クラス平場戦はリメイクが1番人気に応えた。2番手追走から直線に入ってそうそうに先頭を奪い、そこから後続を寄せつけずゴール。完勝といえる内容だったね」
姫「デビュー戦から☆6と評価が高かった馬ね」
ハヤタ「うん。首と脚が短めで、胴に伸びがある。斜尻で飛節も伸びるし、短距離向きの軽快さを備えてる。相手も弱くはなかったはずだけど、休み明け2戦目で体も絞れて、ここは勝機をものにしたね」
恵麻「デビュー戦から一貫してダートの1400mにこだわって使われてる。早くもこの条件のスペシャリストって感じだね」
姫「新種牡馬ラニの産駒。父は現役時代、1600m以上のレースにしか出走経験がないのだけれど……」
ハヤタ「まだ産駒数も多くないからなんともいえないけど、地方馬なんかを見ててもわりと短距離向きの体型をした馬が多い気はする。このリメイクなんかは典型だから、ラニ産駒の代表格として体型を覚えておいていいかもしれないよ」

2/6中京4R 1勝クラス ダ1800m 1着:オディロン
修正評価☆6

姫「日曜中京の1勝クラス平場戦は小雪が舞う中でのレースになったわ。キタサンブラック産駒のオディロンが3番手から決め手を発揮して、2着メイショウユズルハを切って捨てたわね」
恵麻「新馬戦は函館の芝で6着。2戦目でダートに替えて初勝利をあげると、そこから2戦は門別のJBC2歳優駿、京成杯と重賞に挑戦した。重賞では壁に阻まれた感じだけど、自己条件に戻ったここで2勝目をあげたね。未勝利勝ちと同じ中京ダート1800mだし、この舞台が得意なのかな?」
ハヤタ「芝もダートも走れそうな体つきだけど、現状はダートのほうが力を出せるのかもね。パドックでは首を使った前進気勢にあふれる歩きで、活気が目立ってた。四肢は長めで胴伸びもあって、距離はこのくらいがあってると思う」
姫「直線で少しフラフラしてまだ幼い面はあるということだけど、そのぶん伸びしろはあると見たいわ」
ハヤタ「2着メイショウユズルハもこのクラスで実力上位だし、3着に追い込んできたサンライズジャストも良い馬だよ。未勝利勝ちも強い内容だったし、この馬も次走以降も勝ち負けが期待できると思う」

2/5東京9R 春菜賞 芝1400m 1着:シークルーズ
修正評価☆5.5

璃子「牝馬限定の1勝クラス特別、春菜賞は、後方追走から直線は外に持ち出したシークルーズが豪快な追い込みで前の馬群を一気に飲み込んだ」
恵麻「新馬勝ちから阪神JFをはさみ、3戦目で自己条件に戻って即結果を出したね。デビュー2戦目でGⅠにぶつけてきたあたり、やっぱり陣営の見込みどおり能力が高かったってことかな」
璃子「阪神JFが12着で人気を落としてた感じもあったし、こういうローテの馬はひとつの狙い目だよね」
ハヤタ「新馬戦を勝った東京コースに戻ったのもよかったのかもね。首と前脚は短くて、胴や背中もそれほど長くない、コンパクトな体型。420キロ台と小柄だけど、モーリス産駒で骨は案外しっかりしてる。キレがありそうだし、こうやって後方からのレースでハマると良い脚を使うよね」
璃子「なるほど。ただ新馬戦はマイルで2番手から勝ってるし、1600mだともう少し前にもつけられるのかもしれない。まあ、まだ成長途上だろうし、陣営がどういう馬に育てていくか見物だね」

2/5小倉9R かささぎ賞 芝1200m 1着:ゼットレヨン 17着:バーニングアイズ

璃子「このレースの時点で天候は雪。中継画面はほぼ真っ白で、3コーナーあたりではもはやなにも見えなかったわけだけど……」
恵麻「実際、視界も悪いだろうし、怖くないのかなあって思っちゃうよね。あんな中でちゃんと馬を走らせてる騎手の人たちには頭が下がる思いだよ」
姫「そんな中で勝利をおさめたのはゼットレヨンよ。前走と同じくここも速いスタートからハナを奪って逃げ切ったわ。小倉で連戦して見事、デビューから2連勝。この馬もモーリス産駒なのね」
ハヤタ「モーリス産駒の特徴もよく出ていて、首が短く、胴も詰まった短距離向きの体型。体のハリも維持していて、前走からの疲れなんかも感じさせなかった」
璃子「天候や荒れ馬場もあって意外にもすんなり先行できたのは奏功した感じだね。逆に我々のPOG指名馬バーニングアイはこの荒れ馬場でいつもの先行力が削がれたこともあって、17着と惨敗……」
恵麻「みんな同じ条件とはいえ、自分のかたちに持ち込めなかったのは厳しかったよね。逆に馬場を味方につけた感じだったのが、2着に追い込んできたエクロール」
姫「猛烈な追い込みだったわよね。最後は首の上げ下げで涙を呑んだけど、勢いでは完全に勝ち馬を上回っていたわ」
璃子「特殊な状況での極端な競馬だっただけに次も続けて同じ結果が出るかは難しいところだけど、この競馬が先々に繋がっていくといいよね」

2/5中京10R エルフィンS 芝1600m 1着:アルーリングウェイ
修正評価☆6

姫「芝1600mのリステッド競走エルフィンステークスは、牝馬クラシックにもつながる重要な1戦よ。げんに一昨年の勝ち馬デアリングタクトはここから桜花賞に直行して三冠ロードに乗っていったわ」
璃子「上位拮抗の混戦模様で、直線でも三つ巴の争いになったけど、ゴール前でぐいと抜け出したのはアルーリングウェイだった」
ハヤタ「前脚より後ろ脚が長い、スピード型の体型だね。パドックではキビキビと動けていて、バネを感じさせた」
恵麻「デビューは阪神の芝1200mで、2戦目の前走は1400mの千両賞。そしてさらに1ハロン延長となったこのレースで2勝目をあげた。今回含め安定して先行できているし、順調にステップアップしてる感じだね」
璃子「千両賞ではのちにシンザン記念を制するマテンロウオリオンとタイム差なしだったからね。実績は伊達じゃなかったってことか」
姫「前も言ったと思うけど、2歳戦から走る血統で、仕上がりの早さも強調できるわ。なんとなく軽視されそうだけど、桜花賞でも意外と穴になるかも」

2/6東京9R ゆりかもめ賞 芝2400m 1着:レヴァンジル 修正評価☆6
 6着:レッドランメルト

恵麻「ゆりかもめ賞はダービーやオークスと同じ東京芝2400mでおこなわれる1勝クラス特別だよ。クラシック直結ってわけじゃないけど、2018年にはブラストワンピースが勝ってるし、2014年にはゴールドアクターが2着と、先々に中長距離のG1を制する馬も輩出してるよ」
璃子「3歳のこの時期に2400mで勝ち負けできるならスタミナの裏付けは十分ってことなんだろうね」
姫「今年、この1戦を制したのはレヴァンジルだったわ。好位追走から直線はしぶとく脚を伸ばし、内で逃げ粘るポットボレットをゴール寸前でクビ差とらえた。前走は中山芝2000mの1勝クラスで2着だったけど、距離延長でさらに良さが出たみたいね」
ハヤタ「馬体重は480キロくらいで、横から見るとそう大きくは見えないんだけど、前から見ると意外と胸前の幅があるんだよね。心臓や肺が大きくて心肺能力が高いのかも。父のドゥラメンテはシャープな感じの馬体だったけど、産駒はあまり細身には感じさせない馬が多い気がする」
姫「そのあたりはキングカメハメハの血がうまく隔世遺伝しているのかもしれないわね。このレヴァンジルは母父フランケルで、パワーも十分にありそう」
恵麻「父と同じサンデーRの所有馬で、厩舎も同じ堀厩舎。父の主戦だったデムーロ騎手も縁を感じて喜んでたみたいだね」
璃子「縁のある馬。ウ〇ポだったら確実に能力プラス補正かかるやつだ」
姫「乗り替わりもめずらしくない時代ではあるけど、次走以降もコンビ継続になるといいわね」
恵麻「あと、このレースにはPOG指名馬のレッドランメルトも出走したよ。距離延長はプラスに働くんじゃないかとも言われて4番人気になってたけど……道中折り合いを欠いて脚が溜まらなかったのか、直線で伸びを欠いて6着」
ハヤタ「うーん、折り合いもそうだけど、パドックを見てると、まだ少しトモの送りが甘い感じがする。距離はこなせておかしくないと思うけど……」
恵麻「心身ともにまだ成長待ちの段階かな」

2/6中京11R きさらぎ賞(GⅢ)芝2000m 1着:マテンロウレオ
修正評価☆6.5

璃子「最後は重賞のきさらぎ賞だ。京都競馬場が改修中のため、2年続けて中京の芝2000mが舞台となった。開催が続いてることに加えて雪の影響もあって、稍重の発表以上に下はボコボコしてタフな馬場になっていたと考えられるね。となると、初戦から『持続力タイプでタフな馬場で強い』と評価していたマテンロウレオが勝つのは当然だったといえるでしょう」
ハヤタ「混戦模様だっただけに、馬場適性の差が結果となってあらわれた面はありそうだよね。マテンロウレオは繋が短めでパワーもある筋肉の持ち主だから、荒れた馬場も苦にしなかったんだろうね。首と四肢が長く、中距離向き。背中と胴はやや詰まりつつ、斜尻の体型で、差して良い脚を使うタイプだよ。極端な切れ味勝負になるとどうかなと思うけど、素質は高いと思う」
姫「父ハーツクライ、母父ブライアンズタイムで、成長力も感じさせる血統だものね。前走ホープフルSも6着とはいえ最後は伸びていたし、最近は意外ときさらぎ賞と皐月賞の結果は連動しなくなってるけど、馬場状態次第ではもちろんこの馬にチャンスが巡ってきても驚けないわ」
璃子「それにしても、昆厩舎×マテンロウ×横山典騎手のスリーマンセルは、マテンロウオリオンに続きこれで今冬中京での3歳重賞2連勝か……。典さん、中京で張り切りすぎだろ……」
姫「レースも道中はじっくりと後方から脚を溜め、直線もしっかり脚を使わせて接戦をものにする、ベテランらしい味のある競馬だったものね。やっぱり頼りになるジョッキーだし、特に懇意の厩舎とのコンビでは目が離せないわ」
恵麻「この勝ち馬に僅差で敗れたのがダンテスビュー」
ハヤタ「ダンテスビューは立ち写真の印象から少し腰高な体型なのかなと思っていたけど、パドックで歩く姿を見たらその点はあまり気にならなかったね。とはいえ後ろ脚は長めで背中も短いから、やっぱり切れ味を身上とするタイプかな。そのぶん、ゴール前で競り合いになったのは少し分が悪かったのかもしれない」
恵麻「東スポ杯2歳S4着以来の実戦だったし、シーズン初戦としては悪くない内容だったんじゃないかな。重賞でも十分に通用する力は示したよね」
璃子「3着のメイショウゲキリンは逃げの手がハマって穴をあけた。ただここ3戦はつねに前へ行って相手なりにしぶとさを見せてるし、穴党が好きそうなタイプだよね。たぶん次もそんな人気にはならないでしょう、これは」
姫「1番人気になっていたストロングウィルは荒れた馬場が合わなかったみたいね。大差で10着となってしまったエアアモネイはレース後、福永騎手が『雪で気温が低くなったせいで、もともと喉が弱い影響が出た』とコメントしていたわ」
宮子「もともと喉が弱いって……そういうことはレース前に教えておいてほしかったんだけど……」
璃子「おお、宮姉、いたんだ……。ちなみにきさらぎ賞はどんな馬券を買ってたの?」
宮子「上位人気の中でフォースクエアはマイル向きってことだったから切れたんだけど、そこからなかなか絞り切れなくてね。切った馬が来そうなニオイもしてたから、少しひねって、ダンテスビューを思い切って切りつつ、ストロング、マテンロウ、エアのワイドボックス、加えて人気のないアスクワイルドモアの複勝をおさえたの。これなら仮にダンテスビューがきても、1個は引っかかる万全の構えだと思ったんだけど……」
璃子「うわー、ダンテスビューがきて、しかもメイショウにも割られるという最悪のケース……。どうせ思い切るなら、軸は絞って3連複総流しにするとかさあ……」
宮子「ひねりすぎて失敗したわ……。来週はもうシンプルに、単勝勝負で行くわよ!」
璃子「気温だけじゃなく、財布まで寒くならなきゃいけど……。まあ、来週はクラシックへ向けた最重要ステップレース、共同通信杯があるからね。それこそ皐月賞、ダービーまでぶっこぬくような強い馬が出てこれば、単勝勝負もありかも。我々の狙いは……もちろんあの馬だっ!」
ハヤタ「いや、まだなにも決めてないんだけどね……。回顧はしっかりとやるので、次回もよろしくお願いします」

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