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太字は重要。フリだから。――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊷


【フィリーズレビュー回顧】
不幸体質克服! 本番でも警戒必要

璃子「フィリーズレビューサブライムアンセムが勝利。うーむ、この馬の力をちょっと侮ってたか」
ハヤタ「筋肉に力がある点は評価してたけど、未勝利勝ちからの格上挑戦で一気の相手強化。その点がどうかという見立てだったもんね」
姫「もともと折り合いに難があって未勝利を勝ちあぐねてたところもあったから、重賞でペースが上がったことがかえってプラスに働いたのかもしれないわね」
璃子「レースで不利に見舞われることも多かったから『不幸体質』なんて言っちゃったけど、今回はこれまでの苦しい経験も生きたのかな?」
恵麻「馬込みに怯むことなく、馬群を割って突き抜けてきたもんね。一皮剥けたって言っていいんじゃないかな」
姫「桜花賞本番には直結しにくいトライアルと言われてるけど、この馬に関しては警戒が必要かもしれないわね」
璃子「2着には1番人気のナムラクレア。中団追走から外を回してしっかりと差し脚を伸ばしたものの、最後は勝ち馬の強襲に屈してしまった」
ハヤタ「休み明けとしては力を出せただろうし、今回は勝った馬を褒めるべきかもしれない。ただ、G1で勝ち負けをするにはもっと力をつけないと厳しいかなと感じたのも事実だね」
恵麻「そうだね。3着アネゴハダに関しても同じ印象かな」
姫「4着が私たちのPOG指名馬でもあるマイシンフォニーよ。予想通り末脚勝負で桜花賞の出走権を狙いにいったけれど、一歩及ばなかったわね」
璃子「うーん、桜花賞出走が叶わなかったのは残念。ただ、オークス出走の目はまだ残されてるし、仕切り直して頑張ってほしいね」
姫「5着には14番人気のラブリネスオーバーが健闘。この馬は展望でハヤタが名前をあげてくれたのよね」
ハヤタ「いやぁ、でも5着だから。つぎは馬券に絡む穴馬を見つけられるように頑張るよ」
璃子「おっ、ハヤタからそういう発言が出るのは嬉しいねえ。おおいにチャレンジしていきたまえ」

【アネモネS回顧】
馬体面からの不安的中……つぎは勝ち馬を見抜けますように

姫「中山でおこなわれたもうひとつの桜花賞トライアル、アネモネステークスクロスマジェスティが2番手追走から抜け出して快勝したわ。2着はラズベリームースで、この2頭に桜花賞の優先出走権が与えられることになった」
璃子「この上位2頭を含め、マイル経験のあって侮れないと言った馬で決着したわけだけど、実績上位の人気勢が崩れて波乱となった」
恵麻「ビジュノワールはゲートの立ち遅れが響いた感じ。後方から外を回すロスの多い展開になっては、5着まで差し込むのが精一杯だった」
ハヤタ「ウィズグレイスは懸念してたとおり、パワーを要する馬場がこたえたんじゃないかな……。細身のこの馬には中山のようなコースは合わないんだと思う」
璃子「レース展望としてはパッとしなかったけど、馬体面からこの馬の危険性を示せたことはよかったかな。もちろんつぎは勝ち馬を当てたいけどね」

【若葉S展望】
上位拮抗も責任取らせていただきます

璃子「若葉ステークスは上位拮抗ってかんじかな?」
姫「そうね。フィデルストロングウィルデシエルトショウナンアデイブといったあたりが人気を形成しそうかしら」
璃子「実績最上位はホープフルSで4着に追い込んできたフィデルかな」
ハヤタ「この馬は長軀短背で、飛節も直飛。瞬発力を感じさせる体型だよ。やや平尻ぎみでストライドが物足りない面はあるだけに、そこを筋肉の良さでどこまでカバーできるか
璃子「なるほど。フィデルを上回るパフォーマンスを発揮できる馬がいるかが予想の焦点になってきそうだね。逆転候補は?」
ハヤタ「デシエルトがおもしろいんじゃないかな」
恵麻「ダートで2戦2勝からの参戦する馬だね。今回は初芝が課題になる」
ハヤタ「脚長で筋肉も多すぎないし、体型からはむしろ芝向きの印象も受けるんだよね」
姫「ドゥラメンテの甥にあたる血統だしね。父ドレフォンも芝での活躍馬を出すことをすでに証明しているし、血統面からも芝での楽しみは大きいわ」
璃子「私たちの回顧でも、この馬は芝でも走れるって言い続けてきたもんね。岩田騎手だし、芝のここでも積極的に前々で運んでくれるはず。そう考えると、責任じゃないけど、この馬を本命に推すのが筋な気もする…」
恵麻「まぁ結論は急がずに、ほかの有力馬も検討してみようよ。ストロングウィルはどうかな? 新馬戦から前走きさらぎ賞まで3戦すべてで1番人気になってるように、素質は高く評価されてる1頭だと思うけど」
ハヤタ「やわらかい身のこなしをするし、飛節も伸びて、たしかにいい馬だと思う。ただ、まだ水っぽさがあって完成はされてない感じもする。ここで他馬を圧倒するだけの力をつけているか、まだ未知数なところはあるね」
璃子「前走は重い馬場もこたえたって話だし、当日の馬場状態も鍵になってきそうだね」
姫「あとはショウナンアデイブも注目の存在ね。前走で5戦目にして未勝利を脱出したわけだけど、その勝ち時計が2分0秒9と優秀だったわ。フィリーズレビューのサブライムアンセムと同じように、長いトンネルを抜けたことで一気に素質が開花しないかしら」
璃子「ディープインパクト産駒で、この時期に急成長を見せる可能性があることは認める。ただ気になるのは、未勝利で負かされたヴェローナシチーとエイカイマッケンロもここに出走してくることなんだよね。単純な対戦比較から考えると、そこまで信用していいものか……」
恵麻「逆にこれらの馬が突っ込んで一角を崩す可能性も考えられるよね」
姫「2着までの皐月賞優先出走権はどの馬も狙ってくるだろうからね……」
ハヤタ「うん。ヴェローナシチーあたりは骨太で、時計のかかる馬場状態になったら浮上しそうな気がする」
璃子「いずれにせよこのレースは激戦が予想されるね。難しい」

【ファルコンS展望】
激流に乗って栄冠をつかめ!

恵麻「中京芝1400mでおこなわれるGⅢファルコンステークス。18頭立てとあって、ここも混戦模様だねえ」
璃子「正直、道中のペースひとつで結果がガラリと変わる気がするね。だからこそここは千二から来る快速馬もいてハイペースになると踏んで、トウシンマカオを本命に推したい
恵麻「前走クロッカスSからの連勝を狙う馬だね。でも、その前走はむしろスローペースの競馬だったよ?」
璃子「たしかに前走はスローの上がり勝負を制するかたちになった。ただこの馬自身、前半は行きたがる面を見せてたからね。もともと折り合いに課題のあるタイプでもあるし、ペースが上がればむしろ競馬がしやすくなると読んだんだ」
恵麻「なるほど。馬体面からはどうなのかな?」
ハヤタ「450キロくらいでそう大きくはない体格だけど、筋肉量が多くていかにもスピードがありそうな印象だよね。胴が詰まりぎみで脚がやや長い体型だから1400mはベストの条件。前走は筋肉のハリも抜群だったから、その出来をキープできていれば今回も勝ち負けになると思う」
姫「プルパレイの逆転はないのかしら。前走クロッカスSは出遅れが響いた感じの2着だったわ。それでも勝ったトウシンマカオとは0秒2差。今回、トウシンが斤量1キロ増の57キロになるから、理屈の上ではこの着差がなくなる計算になるわよ?」
璃子「たしかにその考え方もあると思う。ただ、前走はスローペースだからこそ前半離されすぎずに追い込みが利いた、とも考えられない? もともとマイル戦のスローな流れで結果を出してきた馬だし、1400mでハイペースになると置いて行かれて自分の競馬ができない可能性もある」
恵麻「まあ前走を見ても能力上位なのは間違いなさそうだから、展開面を克服できれば逆転候補の筆頭ではあるよね」
ハヤタ「デムーロ騎手も2回連続では出遅れないだろうしね」
璃子「そこを太字にされると壮大なフリに思えなくもないけど……まあいいや。ほかに気になる馬はいる?」
姫「展開の鍵を握りそうなデュガは気になるわね。スピードは重賞のメンバーでも引けを取らないだろうし、中京の1400mはいかにも合ってそうな気がするわ」
恵麻「ルメール騎手騎乗のレディバランタインはどう? 前走の勝ち時計1分21秒6は同条件のクロッカスSを上回る好時計だよ」
ハヤタ「うん、この馬は馬体面からもおもしろいかも。筋肉量は少なめだけど、なかなか筋力が強くてバネを感じる
璃子「前走、上がり時計を要した点は底力という点で気になるけど、この馬も前走はかなり引っかかってたから、ペースアップは望むところだろうね。重賞では不振が続いていたルメール騎手も、サウジカップデーで重賞4勝と弾けた。病気療養明けになるけど初日からエンジン全開の可能性もおおいにある」
ハヤタ「あと、馬券にはならないかなあと思うけど、ニシノレバンテの走りに注目してるんだ。この馬、筋肉量が豊富でスプリンターとしての資質はかなり高いと思う。1400mは長い気もするけど……」
璃子「そういう『ちょっと気になる』馬が案外、馬券に絡んだりするから……。気になる人はヒモにでもちょっと入れてあげてください」

【フラワーC展望】
軸不動?

恵麻「今週は3日間開催で、月曜日にも中山で重賞がおこなわれるね。3歳牝馬限定のGⅢフラワーカップ。下校時刻も迫ってるし、これは簡単に注目馬をあげていこうか」
姫「まずはスタニングローズかしら。これまでに重賞を3戦して5着、3着、5着とここでは実績上位。前走は休み明けのこぶし賞を順当に勝ち上がって、ここで重賞初制覇を狙うわ」
恵麻「初の1800mが鍵になりそうだね」
ハヤタ「首はまずまず長さがあるし、そこまで胴詰まりでもないから、体型的には1800mまでならこなせると思う。背中が短い瞬発力タイプ。牝馬にしては筋肉もしっかりついていて、中山みたいな坂のあるコースも得意そうだよね」
姫「未勝利勝ちのときにコンビを組んでいた川田騎手に乗り替わるのも心強いわね」
璃子「私は横山武史騎手騎乗のシンティレーションが気になるな。前走で今回と同じ舞台の若竹賞を勝ってここに挑む」
ハヤタ「この馬も、首は長めで胴は詰まりすぎず、背中が短いという体型で、1800mは合っていそう。ただ、ちょっと細身で、力強さという点では劣るかな。本質的には軽い馬場、きれいな馬場のほうが向くタイプかもしれない」
恵麻「逆にコース替わりで勝機を見出したいのがモカフラワーかな。前走は重賞クイーンCで8着。前走は1600mが合わなかったのではとも言われていて、コースが違うとはいえ新馬勝ちした1800mに戻って巻き返しが期待されるよ。その新馬戦ではインダストリアを下し、その後もナミュールが勝った赤松賞で4着と、強い相手と戦ってきた。今回は相手も軽くなる印象はあるよね」
ハヤタ「そうだね。この馬はデビュー前からPOG指名を検討してたくらいだし、僕たちにとっても思い入れがある。筋肉の質はここでも上位だと思う。体型的にも1800mは歓迎。ただ、平尻ぎみで、瞬発力というよりは長く良い脚を使うタイプかも。直線の長いコースのほうがベターかもしれない。長い繋でクッションが利くだろうから、良馬場のほうが嬉しいね。月曜までに馬場が乾いてほしいところ」
璃子「なるほど、だいぶ見えてきたね。3歳牝馬同士だけにキャリアの浅い馬の激走にも注意は必要だろうけど、まずはスタニングローズを中心に考えたいレースかな」

【スプリングS展望】
有力馬に死角あり? ヒモ荒れ注意だ

恵麻「最後に皐月賞トライアルのスプリングステークス(GⅡ)。このレースはどんな感じ?」
璃子「まずはアサヒじゃないかな」
姫「前走、共同通信杯は出遅れが痛恨で5着。それでも勝ったダノンベルーガからは0秒8差と大きく負けていない。さらにいえばこの馬、デビュー戦から負けたのは、ジオグリフ、アスクビクターモア、イクイノックスと重賞勝ち馬ばかりなのよね。実績面ではここでは断然といっていいわ」
ハヤタ「馬体もここに入るとやっぱりいちばんよく見えるね。うしろ脚が長めで背中も強いから、瞬発力がありそう肩も寝ていてストライドを伸ばせる。本質的には直線の長いコース向きではあるけど、それこそスタートを決めて中団あたりから進められれば、中山の短い直線でも前まで届くんじゃないかな」
姫「中山は未勝利戦でアスクビクターモアの2着だから、こなせると見てもいいんじゃないかしら」
璃子「うむ。やはりここでは一番手ってことでまちがいなさそうだね。それじゃあ、この馬に対抗しうる存在は?」
ハヤタ「馬体面からはサトノヘリオスが気になる」
恵麻「前走ホープフルS13着から巻き返しをはかる馬だね。どんな馬体なの?」
ハヤタ「胴長で、前脚も後ろ脚も長くて、すらっと見せる馬体。それでいて力強さも感じさせるから、中山の芝は合いそうな気がする」
恵麻「中山と同じく、いわゆる『重い芝』の阪神コース、エリカ賞を勝っているもんね」
姫「兄のエアアンセムはオープン時代のホープフルS勝ち馬。近親にもAJCC勝ちなど中山巧者のエアシェイディがいるし、血統的にも中山はおあつらえ向きだわ」
璃子「おっと、これはなんかかなり有力な気もしてきたけど、なんか死角があるの?」
ハヤタ「死角というか、課題は距離かな。体型的には距離は2000m以上がベストだと思う」
姫「あとは単純な力比較と、仕上がりか。ホープフルSの惨敗は強行軍で仕方なかったとしても、そこからどこまで立て直せているかよね」
璃子「ほか人気を集めそうなところだと、アライバルかな」
ハヤタ「アライバルは筋肉に張りがあって、ここでは能力上位だね。ただ肩が寝て胴長、重心もやや低めの体型なだけに、直線の短い中山コースへの対応が鍵になるかな」
恵麻「実績上位馬ではソリタリオもいるよ。前走はシンザン記念で僅差の2着だね」
ハヤタ「モーリス産駒らしく筋肉量が豊富だね。競馬もうまくて安定感がある。ただ脚の長さとかを見てると、マイルがベストかな」
璃子「安定感といえば、ビーアストニッシドもここ3戦、重賞で2、着、4着、3着と続けて上位に食い込んでる」
恵麻「前走、共同通信杯ではアサヒにも先着してるしね」
ハヤタ「首が短くて筋肉質の馬体で、これもマイラーっぽいところはあるんだけど、1800m以上でもよく走っているよね。ダッシュをきかせて先手を取れるタイプだし、前残りに警戒は必要かも」
璃子「穴というほどの人気にはならないかもしれないけど、2、3着付けの馬券なんかはおもしろいかもね。なるべく前に行く馬から買う。それが競馬の鉄則だ!」


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