競馬場に来るカメオンナあるある早く言いたい――長柄高校馬事文化研究部活動記録㉑

恵麻「競馬場に来るカメオンナあるある言いたい!」
ハヤタ「渡辺さん!? どうしたの、急に!?」
恵麻「服は地味目のトーンでまとめがち」
ハヤタ「まあ、カメラ好きって落ち着いた印象の人が多いよね」
恵麻「キャスケット帽かぶりがち」
ハヤタ「たしかになんとなくイメージはあるけど」
恵麻「足首丈のロングスカート履きがち」
ハヤタ「競馬場にミニスカート履いてくる人もそんなにいないと思うけどね」
恵麻「そこにローテクスニーカーを合わせがち」
ハヤタ「定番のコーディネートだよね」
恵麻「コンデジだと舐められるから最低でもデジタル一眼持っていきがち」
ハヤタ「舐められるからって理由で!? 機能性の問題でしょ」
恵麻「望遠レンズの大きさでマウントとりがち」
ハヤタ「うがった見方だって。さっきからカメオンナに対して妙な悪意がない?」
恵麻「YOUTUBEだかインスタライブだかを生配信してるギャルのことを敵視しがち」
ハヤタ「最近はそんな人もいるんだねえ。同じ競馬好きとして、仲良くしよう?」
恵麻「ひとり、もしくは同じ趣味の女二人組で来場しがち」
ハヤタ「べつに友達がいないとかじゃないからね? じっくりと趣味を楽しみにきてるんですよ」
恵麻「若い男のナンパは意外とないけど、陽気なおじいちゃんに声かけられがち」
ハヤタ「おじいちゃんは競馬場で若い子を見かけると嬉しくなっちゃうから」
恵麻「ひとりで来てる競馬オタクっぽい男子のむっつりスケベな視線には気づいていがち」
ハヤタ「みんな気をつけて! 気づかれてるよ!」
恵麻「いろいろと面倒なこともあるけど、早く思う存分競馬場で写真を撮れるようになってほしいなと思いがち」
ハヤタ「それはカメオンナだけじゃなくて、みんな同じ気持ちだよ。ナンパ男もおじいちゃんもむっつりスケベな競馬オタクも」
恵麻「ありがとうございました」

10/23 阪神4R ダ1400m 1着:ペルアア
評価☆5

恵麻「よーし、それじゃあ今回もはりきって、新馬戦回顧といきますか!」
姫「脱線から本線への戻り方が急ハンドルすぎる気もするけど……まあ、いいわ。まずは土曜阪神4Rからね。勝ったのはペルアア。アメリカンファラオ産駒の外国産馬よ」
ハヤタ「最内枠からハナを主張してそのまま逃げ切ってたね。最後は追ってきた2着馬と同じ脚色を保ててたように、ずっと同じペースを刻んで走るのが得意なタイプだよ。この馬みたいに平尻のスピードタイプに多いよね」
璃子「たしかにレースラップを見ても、坂の分、加速もしてるとはいえ、ほぼ一貫したラップを刻んでるもんね。逆に道中緩んで再加速みたいなレース展開だと苦しいのか? そういう意味でも前で運んで自分でペースを作りたい馬かもね」

10/23 東京4R 芝1400m 1着:スクラトゥーラ
評価☆5

姫「やや混戦模様ではあったけれど、ルメール騎手騎乗の1番人気、スクラトゥーラが勝ち切ったわ。前半は先行集団を見る好位でじっくり追走。スローペースのわりに4コーナー~直線入口で馬群がばらけたこともあって、楽に外目の進路を確保できたわ。追われてからはさすがに1頭脚色が違った感じだったものの、メンバーや展開に恵まれた面があったことも否めないかしら」
ハヤタ「この中ではやっぱり筋肉の質が違ってたからね。良質のゴムといった感じで気持ちよく伸び縮みする歩様をパドック映像でぜひ確認してほしい。小柄なだけに上のクラスのメンバーとどこまで伍していけるかだけど、瞬発力が生きる軽い馬場が良さそうだね。緩急もつけられそうだしスローな流れのマイル戦でも差し脚を発揮できるんじゃないかな」

10/23 阪神5R 芝1200m 1着:ナムラデイリリー
評価☆4.5

璃子「ナムラデイリリーのロケットスタートがとにかく目を引いたよねえ。二の脚も早くて序盤から3馬身くらいのリード。そのアドバンテージを生かして直線でも後続の追撃を振り切って逃げ切り勝ちだった」
ハヤタ「筋肉の強さという意味ではこのメンバーでは一番で、その馬が減量騎手で1キロ軽いわけだから、スタートさえ決まればそれは逃げ切るよね」
璃子「泉谷騎手も調教でスピードを感じてたみたいだし、いわゆる新馬向きのタイプだったのかもしれないね」
ハヤタ「そうだね。筋肉が硬くなりやすそうなタイプにも見えるから、そのあたりは注意が必要かもしれない」

10/23 東京5R 芝2000m 1着:デリカテス
評価☆4.5

姫「デリカテスは外枠だったけどスローペースになったこともあって無理せず4番手の好位で進められたわ。4コーナーから直線の入口でも自然な隊列で進路を確保。残り400mから追われるとしっかりと反応してそのまま押し切った。終始、ロスのない競馬ができたわね」
ハヤタ「キズナ産駒らしく胸が広くて心肺能力は良いものを持っていそうだよね。トップスピードは抜群に早くないけど、スピードの持続力があるタイプかな」
璃子「東京の芝は持続力タイプが来るバイアスにシフトしてたみたいだから、馬場も味方したってところかな」

10/24 阪神4R 芝1600m 1着:スプリットザシー
評価☆5

恵麻「スローペースだけど直線入口までにそれなりに馬群が詰まったこともあって差し、追い込み勢が台頭する決着になったね。外目から伸びてきたスプリットザシーの脚は目立ってた」
ハヤタ「400キロを切る小柄な牝馬だけど、脚さばきの軽さはさすがディープインパクト産駒といった感じ。体型もミスがなくて筋肉の良さを効率よく推進力に転換できてる。機動性もあって、緩急がつくペースで瞬発力を生かせそうなタイプだね」
璃子「ハヤタがパドックから注目と言っていたアメリカンスターが大外から2着に追い込んできたね。結果論だけど、スタートの出遅れがなければこっちが勝っていたかも」
ハヤタ「注目と言ったのは、ダート馬かなと思ったからなんだ。ただ、まだ肉付きに余裕がある分ダート馬っぽく見えるところもあるから、どうなんだろうって」
璃子「この結果を見ると、やっぱり芝?」
ハヤタ「いや、もちろん芝でもやれることは証明されたと思うけど、やっぱりダートでの走りも見てみたいかな。体型はマイル向きだから、東京コースで走らせてみたいね。あと、4着のシルバーリングもダート適性がありそうで、こちらは1800mくらいが良さそうだね」
璃子「2頭とも次走以降でダート替わりなら注目したいね」

10/24 東京4R ダ1600m 1着:オメガブルーム
評価☆4.5

姫「ここは1番人気のオメガブルームが関西からの遠征を実らせたわね。外枠からすんなりと2番手を追走できて、コーナーリングもロスなし。直線はしっかり脚を使ってしぶとく粘る逃げ馬を競り落としたわ。外枠先行の有利さをフルに生かせた印象かしら」
ハヤタ「そうだね。少し低調なメンバーかなと思うけど、この馬はよく見えた1頭だよ。筋肉量があってマッチョな体つきはいかにもダート向き。胴が詰まった体型だからピッチ走法でダートをしっかりつかんで走れそうだね。距離はマイルまでだけど、もう少し短くてもいけると思うよ。短距離では中団に構えて差してくるかも」

10/24 新潟5R ダ1200m 1着:アルファマム
評価☆5

璃子「好スタートから楽にハナを切って勝ちパターンに持ち込んだのは2着のメイショウツガミネだったけど、それを並ぶ間もなく差し切ったのがアルファマム。直線は内にササリぎみでジョッキーが鞭も使えないような状況だったけど、脚色の違いで勝利をもぎ取ったね」
ハヤタ「そうだね。走りが粗削りでまだはっきり適性も言えない感じだけど、背中や胴が長い体型の短距離馬だね。脚力は見せたし、短距離でハイペースになって前が止まるような展開で押し上げるように差し込んでくるタイプかな」

10/24 阪神5R 芝1800m 1着:リアド
評価☆6

姫「さて、先週デビューの新馬のなかでも最注目の存在が登場ね。セレクトセール5億円取引のディープインパクト産駒、リアドよ。話題性もあってPOGでも人気の1頭だったわ」
恵麻「レースを振り返ろう。スタートは無難に切って3、4番手の好位を確保。中盤で逃げ馬がリードを広げる展開になったけど、勝負所からジョッキーのアクションに応えて追い上げ、直線でもしっかり加速する感じで前をとらえて、最後は2着との差を3馬身までゴールしたよ」
璃子「折り合いもついてジョッキーの指示にもしっかり従ってたし、全体的に真面目というか、優等生的なレース振りって感じだったよね。ただ、超1流馬特有の『凄み』みたいなものはどうなのかなあ」
ハヤタ「パドックで体つきを見てると、まだ皮1枚厚いのかなって印象も抱かせるから、完成途上の状態ではあるんだろうね。追われてからストライドを広げられる芝向きの走りだったし、調教も順調で着実に成長していきそうな雰囲気ではあったよ」
璃子「これだけの高馬だと当然ダービー候補と騒がれるんだろうけど、距離とかそのあたりはどうなのかな?」
ハヤタ「距離はむしろ延びたほうが力を出せるんじゃないかと思うよ」
姫「へえ、どうして?」
ハヤタ「前脚も長さがあるし肩も長くて、いわゆる『前』で走れる体型だと思うんだよね。『前』で走れるならエネルギーロスが少なくなって距離延長に対応できるというわけ。胸の広さから心肺能力の高さも期待できるし、気性的に折り合いがつきやすい印象もあるしね」
恵麻「それじゃあやっぱりダービーの有力候補?」
ハヤタ「今年は他にも強い馬が何頭かいるからまだなんとも言えないかな。室谷さんが言ったような『凄み』を見せてる馬たちもいるし、それらにどう立ち向かっていけるかがポイントだね。背中が短いタイプだけど、意外に瞬発力よりは長く良い脚を使う持続力とか、動きたいときに動いていいポジションを確保できる機動力とかが武器になりそうな気はする」
璃子「となると、この馬自身の成長と、馬場やレース展開しだいになる、ってところか。絶対的な存在とはまだ見なせない、と」
恵麻「まあ楽しみは大きいってことだね。ちなみにこのレースは『菊花賞デー当日の新馬戦』で『伝説』になるかもって注目もあったんだけど、ほかの人気馬はどうだったかな? たとえば、アルアイン、シャフリヤールの弟・アルファヒデイとか。レースでは5着だったけど」
ハヤタ「軽さとパワーを同時に感じさせる脚さばきで、素質は感じる。ただ、まだ精神的に目覚めてないのかな? 体型はマイラーだから距離は少し短くなったほうがいいかも」
恵麻「上がり3ハロンの時計じたいは勝ち馬と同じ33秒5だもんね。今回は出遅れもあったし、前半で位置が取れるようになれば勝機はありそうだね」
ハヤタ「あと2着のトルナヴァも筋肉の質はなかなか。平尻に近くてスピードの持続力に長けていそうだよ。あとは馬は……うーん、そこまでレベルが高いってわけじゃないかな」
璃子「なるほど。何頭かはすぐに勝ち上がってきそうだけど、『伝説』とまでは言えないってところかな」

10/24 東京5R 芝1600m 1着:プレサージュリフト
評価☆5

璃子「大外枠のプレサージュリフトはスタートで出遅れたものの慌てず騒がず。最後方からスローペースに乗じてじわじわとポジションを上げていって、直線も外に出して追い込み態勢に入り、勢いそのままに突き抜けた」
恵麻「上がり3ハロンのタイムも33秒3で最速。2番目の馬の上がり時計が34秒7だから、1秒4も上回ってる。これは1頭だけ力が違ったと見ていいんじゃない?」
ハヤタ「そうだね。少し低調なメンバーではあったけど、この馬自身は水準以上の力があると見ていいんじゃないかな。まだ牝馬らしい線の細さはあるけど、皮膚は薄くて筋肉の良さを感じさせる」
姫「長く良い脚を使ったわね。今年のアイビスSDを勝ったオールアットワンスの下よ。こちらは父がハービンジャーに替わったぶん、距離適性も長めにシフトしたかしら」
ハヤタ「うん。持続力タイプなのもハービンジャー産駒っぽいよね。重賞クラスでも牝馬同士なら上位に差し込んでくるかも」

10/24 東京6R 1勝クラス 芝1400m 1着:キミワクイーン
修正評価☆4.5

恵麻「日曜日の東京6Rで2歳1勝クラスの平場戦が組まれてたね。1勝クラスの平場戦は今年初なのかな?」
姫「たしかそうよね」
璃子「勝ったのは新潟2歳S6着から中7週で参戦したキミワクイーン。内枠から2、3番手を追走し、直線では逃げたオタルエバーとの叩き合いをゴール寸前で制した。新馬戦時点では評価☆3だったけど、短距離での活躍を期待ということだったよね?」
ハヤタ「うん。体型的にはやっぱり1400mくらいがちょうどいいよね。2着のオタルエバーには距離適性の差で上回ったんじゃないかな」
姫「祖母のチェリーフォレストも母のチェリーペトルズも現役時は1200m、1400mで勝ち星を上げた馬だったし、血統のイメージが素直に出たってところかしら」

10/24 阪神9R なでしこ賞 ダ1400m 1着:セキフウ
修正評価☆4.5

姫「阪神の1勝クラス戦は特別のなでしこ賞ね。ダートの1400m。普通は先行有利な条件だけど、逃げ・先行馬がそろう2歳戦に限ってはハイペースになって差し・追い込み馬の台頭も見られるわ。このレースも、2ハロン目が10秒7とペースが上がり、そこからだんだんラップが落ちていくハイペースの消耗戦となった。セキフウはスタートで出遅れて後方追走となったけど、ペースが落ちだした後半から追い上げを開始して、直線は大外から先行勢を飲み込んだわね」
恵麻「勝ちパターンにはまった面もあるけど、この馬、2戦目でダート転向してからこれで3着、1着、1着と好調なんだよね」
璃子「そのセキフウさんを芝の新馬戦時点でダート向きと見抜いておられたのが、こちらのハヤタ様です」
ハヤタ「いやいや、でも評価は☆3で低めにつけちゃってたから。胴伸びがあって持続力を生かしてバテあいの競馬に強いタイプだよ。脚元の馬具からまだ蹄が気になるところはあるのかなとも推察できるけど、今回はこの馬の特性が生きる良い競馬ができたんじゃないかな」
璃子「評価は少し上方修正だね」

10/23 東京9R アイビーS 芝1800m 1着ドウデュース
修正評価☆6.5

恵麻「最後はこのレース、土曜東京でおこなわれたリステッドのオープン戦、アイビーステークスだね。8頭立てと少し寂しくなったけど、新馬戦や未勝利戦をきっちり勝ち上がってきた馬が上位人気を形成して、それなりのメンバーにはなったかな。中盤でペースが緩む典型的な瞬発力勝負を制したのは、小倉で新馬勝ちのドウデュース。デビュー2連勝で、暮れのG1やクラシックに向けても視界が広がったね」
璃子「新馬戦から評価☆6と、私たちも注目してた1頭だった。その前走は楽な競馬だったから、次は馬群で揉まれてどうかって話だったんだよね。8頭立てでそこまで厳しくはなかったけど、いちおう前半で両隣から挟まれる経験はできた。道中で手綱が引っ張り切りだったのは気になるけど、これはペースが遅すぎたためで、むしろ追走力がある証拠と考えていいかな?」
ハヤタ「勝ち切ったし、能力の高さはまちがいないよね。ただ、パワータイプで、瞬発力には限界があるのかもしれない。距離が延びていいタイプというより、一貫したスピード勝負になるマイル戦のほうがいいかも。2000mくらいならある程度ペースが流れて瞬発力より持続力が問われる展開がベターじゃないかな」
璃子「なるほど。そうなると、今回は適性のズレたレースで勝ち切ったともいえるから、評価は少し上乗せしておこうか」
姫「オーナーのキーファーズとしては武豊騎手とこの馬でダービーと目論んでいるかもしれないけど、そこに向かうまでのレースのほうがチャンスが大きいかもしれないわね。まだ次走の予定は確定していないみたいだけど、同行に注目したいわ」

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