見出し画像

バンダくんよ永遠に。僕たちはきみのことをキャンセルしない――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊴

璃子「納得いかないんだよなあ」
ハヤタ「どうしたの、室谷さん。やけにぷりぷりしてるけど」
璃子「いやね、納得いかないんだよ、バンダくんの番組卒業」
ハヤタ「ああ……。JRA-VANのマスコットキャラクターで、グリーンチャンネル『VANで勝ち馬さがしてみませんか』の進行アシスタントを務めていたバンダくんが、先ごろ番組から卒業すると発表された件ね」
璃子「ひどいよなあ。写真だけの出演が続いたあげく、ついに卒業って。バンダくんあっての『VANで勝ち馬さがしてみませんか』なのに」
ハヤタ「いやそこはバンダくんメインじゃない気もするけど……」
璃子「そもそもさあ、前々から私は、グリーンチャンネルにおけるバンダくんの扱いがちょっとひどすぎる気がしてたんだよ。炎の十番勝負でもなぜかずっと隔離されてるしさあ」
ハヤタ「あれは……なんでなんだろうね?」
璃子「意味ないよね。この2年間でおこなわれてきた数々のコ□ナ対策の中でも一番意味がないと言っても過言ではないよ。だって、バンダくんが飛沫を飛ばしますか? 一滴だりとも飛ばさないでしょ?」
ハヤタ「まあ、そもそもしゃべらないからねえ」
璃子「これはもう、バンダくんのやつ、グリーンチャンネルの上層部に目をつけられてるとしか思えないよ。あいつ、持続〇給〇金絡みでなんかしたん?」
ハヤタ「そこに絡んでたらもっと早い段階で干されてるって! バンダくんはべつに税理士事務所とつながってないから」
璃子「だったら多目〇トイレに誰か呼び出したとか……」
ハヤタ「それはバンダじゃなくて渡〇だよ! チバテレで〇島さんに公開説教くらうゲス不〇だよ!」
璃子「バンダくんの処遇をめぐって、社内で社長派と反社長派の対立が激化したとも聞くよ?」
ハヤタ「伊〇院! それ、伊〇院さんの話だから!」
璃子「バンダくんに人権はないの?」
ハヤタ「あるよ!? いや、ないのか? そもそもバンダくんってなんなの? 人間なの? パンダなの?」
璃子「私たちはバンダくんの帰りをいつまでも待ってるからね! ちゃんと戻ってくるんだよ、バンダくん~!」
ハヤタ「自分探しの旅って、『VANで自分を探してみませんか?』って話なの!?」

2/19東京4R ダ1600m 1着:ミッキーレタス
評価☆5

璃子「ふう、今回も無事、脱線が終了したね。本編いくよ~」
ハヤタ「毎度のことだけど、室谷さん、自由だよね……。まあもう慣れたけど……。それで、まずは土曜日の新馬戦?」
璃子「うん。土曜東京、ダートの1600m戦だよ。好スタートから軽快な足取りでハナを奪ったミッキーレタスがそのまま逃げ切った」
ハヤタ「前脚は少し短めで、後ろ脚はやや長め。先行力があってマイル向きの体型だし、ダート馬にしては軽さもあるから湿った馬場も合ったんだと思う」
璃子「勝ちタイムは1分41秒7とかかったね。結局前につけた3頭で決着しているし、展開に恵まれた面もあるかもしれない。血統的には近親にトゥザヴィクトリーがいる。父はミッキーアイルだし、やはり軽いダートは向きそうだね」

2/19阪神5R ダ1800m 1着:メイショウオグマ
評価☆5

恵麻「阪神のほうはダートの1800mだったね。勝ったのは武豊騎手騎乗のメイショウオグマ。道中は行く気をなだめられながら2番手を進み、4角を回ったところで完全に先頭を奪った。抜け出してからは後続を寄せつけず、終わってみれば3馬身半差の楽勝」
ハヤタ「胴長の体型で、バテにくいタイプだよね。筋肉もなかなか繊細で、これも先行してスピードを生かすタイプだね」
恵麻「ダートなら小回りの1700mや京都の1800mでも良さそうだよね。競馬場を問わず力を出せるタイプかも」

2/20東京3R ダ1400m 1着:フォトスフィア
評価☆5.5

姫「1番人気のフォトスフィアは先行勢を見ながら好位を追走。直線に入ると一歩一歩前に迫っていき、ゴール直線で先頭をとらえた。2着馬も先行抜け出しでしっかり脚を使っていたけど、それを上回る瞬発力を見せたわね」
ハヤタ「ダート馬らしい、大振りの筋肉が目立つね。骨もしっかりしてる。胴が長くてお尻が大きい体型は父ヘニーヒューズ譲り。少し背中が反っているから距離はあまり延びないほうがいいけど、なかなか見どころのある馬だと思うよ」
姫「走り方も一歩一歩力強くて、いかにもダート馬って感じだったものね。500キロで馬格もあるし今後も楽しみな1頭だわ」

2/20阪神4R ダ1400m 1着:レオノーレ
評価☆5.5

璃子「さて、これがいよいよこの世代最後の新馬戦だよ。阪神のダート1400m、勝ったのは2番人気のレオノーレだった。内枠からじわりと先手をうかがい、芝の切れ目からダートに入るあたりでハナに。2番手に半馬身くらいの差でついてこられる引き付けた逃げで、直線では外からモズリッキーに勢いよく襲いかかられたけど、残り200mから逆に突き放してみせた。あざやかな二枚腰だったね」
ハヤタ「うん。重心が少し低めの胴長、平尻の体型で、先行力と持続力に長けたタイプだよね。その持ち味が存分に生きたレースだったと思う」
璃子「1400mはベストっぽいよね。ここでは力が一枚上って勝ちっぷりだったし、ダート路線の層は厚いけど頑張ってほしいね」

2/20東京4R 未勝利 芝1800m 1着:スガオノママデ
評価☆6

姫「ここは未勝利戦だったけど、初出走のスガオノママデが快勝したわ」
ハヤタ「パドックでも小気味よく歩けていたし、デビューは遅れたけど万全の態勢で臨めたんじゃないかな。背中も短めで瞬発力のありそうな体型だし、上のクラスでも楽しみがあると思うよ」
姫「中団から徐々に押し上げつつ、直線では瞬発力を見せる正攻法の競馬で経験馬をねじ伏せたわけだから、価値のある勝利よね。祖母は強烈な追い込みを武器に重賞を3勝した女傑ビハインドザマスク。その娘、マスクオフの子どもだから、スガオノママデ。なかなか粋な命名よね」
ハヤタ「ちなみに今回は名前どおり、パドックでもレースでもメンコの着用はなし。いまのところ気性面で大きな問題はないって証だろうし、このまま『素顔のままで』出走を続けていけるといいね」

2/19東京6R 未勝利 芝1600m 5着:ヴァロンダンス

璃子「POG指名馬ヴァロンダンスが4ヶ月半ぶり出走で2戦目に挑んだ。ゲートの出がやや悪くて後方から。道中はなだめられつつ脚を溜めたけど、スローペースの瞬発力勝負は分が悪かったみたいで、5着まで上がるのが精一杯だった。ただ、ゲートの課題は改善されてきてるっていうし、今回で左回りもこなせた。出走権も取れて、状態からも続戦できるみたいだね。次は1800m戦を予定してるらしいから、距離延長に対応できるかがカギになるかな。3着、5着と悪くない戦績だし、次は初勝利も期待できるかもね」

2/19阪神4R 未勝利 ダ1400m 5着:ザビッグマン

ハヤタ「阪神の未勝利戦にもPOG指名馬の1頭、ザビッグマンが出走したよ。デビューから前走まで二桁着順が続いていたけれど、今回は押してハナに行かせる積極的な競馬を試み、5着と前進。まだ馬体が緩くて踏ん張りきれないみたいだけど、やるべき競馬の形は見えてきたんじゃないかな」
璃子「じつは今週末のレースにも連闘で出走予定なんだよね。中山のダート1200m戦で、相手関係からもハナを取り切れればチャンスがありそう。関西遠征の直後の連闘で日程的には厳しいけど、頑張ってほしいところだね」

2/19小倉2R 未勝利 芝1200m 8着:ルナエルモッサ

姫「土曜小倉2Rの未勝利戦に出走したのはルナエルモッサよ。芝に戻って控える競馬を試みたけど、最後は苦しくなって8着。荒れた馬場は合うという話だったけど、やはりもう少し力をつけてほしいところね。この馬も連闘をほのめかしていたけれど、今週末の想定に名前はないから、出走は見送ったみたいね。未勝利2着はある馬だし、またどこかでチャンスをつかみたいわね」

2/19東京2R 1勝クラス ダ1400m 1着:ウラヤ
修正評価☆6

恵麻「土曜東京は第2レースに3歳1勝クラスの平場戦が組まれていたよ。ダート1400mのこの1戦を制したのはウラヤ。前走未勝利勝ちからの昇級初戦だったけど、見事1番人気に応えたね」
ハヤタ「短背長躯の瞬発力タイプ。トモの運びにもキレがあったし、ダートが合ったのもあるけど、力もつけてきているんじゃないかな」
恵麻「出遅れた後方からの競馬になったけど、最後は1頭だけ次元の違う脚で差し切ったもんね。上がり3ハロンのタイムも36秒4で突出してる。これでダートに替えて2連勝だし、前途洋洋だね」
ハヤタ「マイルまでなら距離も対応できそうだから、重賞も狙っていけそうだよね」

2/19阪神7R 1勝クラス ダ1800m 1着:ハセドン
修正評価☆6

璃子「未勝利勝ちからの昇級初戦馬が多数を占め、混戦模様の中で、1番人気に推されたのはハセドン。スタートしてすぐすっと控え、序盤は最後方で『ぽつん』。ところが第3コーナーあたりからすっとまくりあげて4角では外目の3番手まで取りつき、直線で力強く抜け出してみせた」
ハヤタ「モーリス産駒らしく筋肉量は豊富。体型的には少しコロっと見せてマイラー寄りなんだけど、前半で脚を溜めたことでスピードを機動力にうまく転換できた感じかな」
璃子「馬の能力もさることながら、横山典騎手の手綱さばきも光ったよね。中京開催に引き続き関西圏で騎乗するノリさんの活躍からまだまだ目を離せないよ」

2/20東京5R 1勝クラス 芝1600m 1着:ラスール
修正評価☆6.5

姫「前走シンザン記念に挑むも7着に敗れたラスールが単勝1.5倍と大きな支持を集めた。レースも好スタートから好位につけ、直線では楽に抜け出してみせたわ。ここでは素質が一枚上というところを見せつけたわね」
ハヤタ「パドックではまだ厩務員さんに甘えるようなしぐさを見せていたけど、チャカついてはいなかったし、レース振りにも成長がうかがえたよね。うん、やっぱり素質はたしかな馬だと思う」
姫「仕切り直しの1戦を制したわけだし、ここからあらためて牝馬クラシック戦線に加わりたいわね。次のトライアルでも結果を残せたら、桜花賞本番でも一気に主役級に躍り出るわよ」
璃子「2月末で勇退する名伯楽、藤澤和雄調教師の管理馬。ルメール騎手も相当気合が入ってたっぽいよね。これからは別の厩舎でクラシック戦線に挑むことになるけど、『藤澤イズム』を胸に頑張ってほしいね」

2/20阪神6R 1勝クラス 芝1400m 1着:アネゴハダ 修正評価☆6.5
10着:バーニングアイズ

恵麻「このレースはPOG指名馬のバーニングアイズが出走。大外枠からでも得意の逃げに持ち込んだけど、さすがに相手が強かったのか、8着が精一杯。でも1400mでも大バテはしなかったし、今回はいい経験になったんじゃないかな」
姫「次につながるといいわよね。そしてここで力を見せたのがアネゴハダ。前走はダート戦で1番人気を裏切ったけれど、芝に戻ったここは、重賞やGⅠでも健闘してきた実績がものを言ったわ。直線は馬の間をひるむことなく抜けてくる根性も見せた」
ハヤタ「デビュー戦のときから芝向きの印象があったけど、やっぱり切れ味があるね。距離もこのくらいが合ってるんじゃないかな」
恵麻「ここまでいろんな条件で走っても大崩れはないし、安定感があるよね。今回の競馬を見ると、この阪神芝1400mはベストにも思えるし、同条件のフィリーズレビューに出てきたら重賞でも好勝負できるかも」

2/19東京9R フリージア賞 芝2000m 1着:ジャスティンスカイ
評価☆6.5

姫「9月の札幌戦以来、5ヵ月半ぶりの出走となったジャスティンスカイ。馬体重はプラス22キロと大幅に増えていたけれど、ほとんどは成長分だったようね。内枠から行く構えも見せたけど外からハナを叩いた馬に譲って2番手。直線では悠々と抜け出して快勝したわ」
ハヤタ「パドックでは全身運動で歩けていて、休養効果も抜群だったんじゃないかな。キタサンブラック産駒らしく、首や手足、胴が長くて長く良い脚を使えるタイプ。500キロを超える体格になっても素軽さは失われてないし、これも素質が高い馬だと思う」
姫「北海道シリーズで小回りコースも経験しているし、トライアルの結果次第ではこの馬も皐月賞有力候補の一角に加わってきそうね。少なくともここでは力が一枚上という印象だったわ」

2/19阪神9R つばき賞 芝1800m 1着:テンダンス
修正評価☆6

恵麻「阪神でおこなわれたつばき賞は、クラシック戦線への飛躍を狙う7頭での争いとなったよ。勝ったのはルメール騎手騎乗のテンダンス。行く馬がいなかった今回は積極的にハナへ。スローペースに持ち込めたこともあって、32秒9の上がり最速タイを使って後続を振り切った」
ハヤタ「展開が楽だった面もあるけど、32秒9は早いよね。カデナの弟だけど、父がディープインパクトからジャスタウェイに替わって、体格は大きく、筋肉量も豊富になってる。もう少し骨が太いとベストだけど、距離は合うしスピードもあるね」
恵麻「東スポ杯2着、京成杯5着の実績は伊達じゃなかったね。先行タイプだし、皐月賞出走が叶えば、展開の鍵を握る1頭になりそうな気がする」

2/20小倉9R あざみ賞 芝1200m 1着:テイエムスパーダ
修正評価☆6

璃子「あざみ賞のテイエムスパーダは、前走フェニックス賞2着以来、半年ぶりの出走だった。相手も小倉で勝ってきた馬が揃っていたけど、ここは2番手から抜け出して3馬身差の楽勝」
ハヤタ「半年ぶりでも仕上がりは上々だったよね。胴長で重心が低め、トモも張っていてスピード体型。強い内容だった」
璃子「フェニックス賞は不良馬場で2着、今回も芝の塊が飛ぶような荒れた稍重馬場だったけど、この馬は苦にする様子はなかったね。良馬場でも時計を詰めていけるなら、今後も短距離路線での活躍が見込めそう。もちろん小倉ならばなおよしだね」

2/20東京9R ヒヤシンスS ダ1600m 1着:コンバスチョン
修正評価☆6.5

恵麻「東京でおこわなわれたヒヤシンスステークスは、ケンタッキーダービーの出走選定ポイントも与えられるリステッド競走だよ。この1戦を制したのは川田騎手騎乗のコンバスチョン。道中は内の好位を立ち回り、直線も内ラチ沿いから抜け出して後続の追撃を振り切った」
璃子「着差はクビと接戦ではあったけど、この馬はほかの牡馬よりも1キロ重い斤量57キロを背負っていたからね。その点を考えると、着差以上に強い内容だったと言えそうだね」
ハヤタ「ダート馬らしい骨太感はもちろんあるんだけど、同時に脚もすらっと長く見せて、格好いい見た目だよね。マイルのここなら他の有力馬とくらべてスピード面で上回っていたし、重賞で強い相手と戦ってきた経験も生きた感じだね」
姫「このあとはUAEダービーへの出走を目指すみたいよ。1900mで海外の強豪馬が相手と、厳しい戦いになるけど、ケンタッキーダービーを目指して日本代表として頑張ってほしいわね」

璃子「さて、今回でこの世代の新馬戦もすべて終了したわけだけど、8ヶ月やってみてどうだった?」
ハヤタ「大変だったけど、いろいろ勉強になったよね」
姫「そうね。各路線で楽しみな馬も見つけられたし、クラシックシーズンがより楽しみになったわ」
恵麻「贔屓目からもしれないけど、この世代、特に牡馬のクラシック路線は実力馬の層が厚い気がする」
ハヤタ「そうだね。素質馬が続々登場しているし、皐月賞やダービーがいまから楽しみだよ」
璃子「この先はトライアルレースも続々とおこなわれるし、今後はその結果を中心に回顧していく流れになるかな。もちろん未勝利戦や1勝クラスで注目の馬が出てくればそれにも触れるよ」
恵麻「新馬戦がなくなって未勝利戦に回るデビュー馬が勝つってパターンも増えてきそうだしね」
璃子「それね! 馬券的にも狙い目になってくるんだよね、それ。馬柱は真っ白でも、調教時計や血統、それにパドック映像も見て吟味すれば、きっと初出走馬の馬券も獲れるはず。というわけでみなさんも、バンで勝ち馬、探してみませんか?」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?