イ〇スタ〇スイ〇スがすでに火遊びという説も――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊸
【3/19阪神11R若葉S回顧】
岩田の腕に抱かれなよ
璃子「イエス！ タカス！ イエス！」
恵麻「わお。これはまた、もはや誰も覚えてなさそうなネタで喜びを表現してるねえ」
璃子「いやあ、先週の若葉Sが会心の予想だったからさ」
恵麻「『芝でも走れる』と言い続けた責任をもって本命に推したデシエルトが逃げて快勝。2着にも『荒れた馬場で浮上』と見立てたヴェローナシチーが突っ込んできてくれたもんね」
璃子「雨の影響で稍重馬場だったからね。逆に1番人気だったフィデルは緩い馬場も合わなかったのか、苦しい走りになってたみたい。それでも3着だから立派だけど、今回は適性の差が出たかな」
恵麻「デシエルトはこれで3戦3勝。無敗で皐月賞に挑むわけだけど、チャンスはあるのかな？」
璃子「ここまでの3戦はすべて逃げ切り。今回も道中でやや行きたがる素振りも見せてたし、強い相手に揉まれたときの不安はあるよね」
恵麻「ハヤタくんも『強いけどフットワークはまだ粗削り』って言ってたね」
璃子「でもやっぱり本番でも魅力はある馬だと思う。ほかの有力馬もローテーションや馬場の面で不安を抱えてるわけだから、この馬だって本命候補の1頭にしていいと思うんだよね」
恵麻「枠順や馬場、展開しだいではチャンスありと。ダービーでのディープブリランテのように、岩田康成騎手によるつきっきり調教で頂点まで上り詰めるかもね」
【3/19中京11RファルコンS回顧】
出遅れるなよ？ 絶対だぞ？
璃子「イエス、タカス、イエス……」
恵麻「わお。今度はまた、わかりやすくがっくり肩を落としてるねえ」
璃子「いやあ、ファルコンSの予想が見事に裏目でさあ……」
恵麻「ああ、1400mの早い流れがどうかってことでちょっと軽視したプルパレイが内枠からスパッと突き抜けちゃったんだよね。ハイペースになるって見立ては合っていたんだけど……」
璃子「スタートが決まったのが大きかったよね。流れに乗って中団を追走できたし、直線もこの馬がいた最内付近のほうがむしろ空いていたというか……」
恵麻「たしかに。隊列で見るとそのすぐ後ろの好位勢あたりがかなりごちゃついてた。トウシンマカオはそこで渋滞に巻き込まれる形になって、進路を探して立て直しているうちに大勢が決しちゃったね」
璃子「とはいえ勝ったプルパレイもやっぱり強かったよ。前走クロッカスSの走りっぷりを見たら素直にこっちが本命でよかったか……」
恵麻「まあ予想としては紙一重だよ。次に生かしていこう。プルパレイは切れ味も見せたし、マイルもこなせるから、NHKマイルカップでも侮れない存在といえるんじゃないかな」
璃子「依然としてスタートが課題になりそうだけど、デムーロ騎手ももう出遅れることはないでしょう」
恵麻「フリじゃないよね？」
【3/20中山11RスプリングS回顧】
内枠からのオラオラ逃げ！ これが岩田だ！
璃子「イエス？ タカス、イエス……？」
恵麻「おおっと、今度はなにか微妙な感じの口ぶりだねえ。スプリングS、本命ははずれちゃったんだよね？」
璃子「うん。本命にしたアサヒは、ゲート内で落ち着きがなく、またもスタートが悪く最後方から。それでもわずかな可能性に賭けて早めに押し上げていく競馬を試みたけど、さすがに直線で脚を伸ばすことができなかった。11着と惨敗だね」
恵麻「で、勝ったのは『2、3着付けでおもしろいのでは』と推奨していたビーアストニッシドなんだよね。内枠からハナを奪って1000m60秒8の平均～ややスローな流れに持ち込み、直線でも2着アライバルの追撃を振り切った」
璃子「アライバルも道中2番手で、いわゆる『行った行った』の決着になったとはいえ、ビーアストニッシドは予想以上にしぶとかった。この馬の逃げは予想できてただけに、もっと積極的に狙ってもよかったんだよ。内枠岩田の逃げはやはり脅威……」
恵麻「若葉Sのデシエルトに続き、2日連続でトライアルを逃げ切りで勝利だもんね。皐月賞ではデシエルトのほうに騎乗するみたいだけど、同じ脚質のビーアストニッシドも本番に出走してくれば展開の鍵を握る1頭になるだろうね」
璃子「余談だけど、レース後の岩田騎手の談話はちょっとよかったよね」
恵麻「ああ、この馬の調教をつけてくれた厩舎関係者や柴田未崎騎手をねぎらうコメントだね」
璃子「康成もああいうこと言えるようになったんだなあ、と。幅〇せさえしなきゃ、基本いいやつなんだよ」
恵麻「人柄はともかく、レースでの作戦や乗り方について的確にコメントしてくれてるからわかりやすいよね。普段のレース後はあまりしゃべってくれないみたいだけど、もっと話を聴いてみたいなって思う」
璃子「うん。で、レースの回顧に戻ると、3着にハヤタが馬対面から、姫が血統面から推していたサトノヘリオス。6番人気と意外に低評価でもあったから、少しはみなさんの馬券のお役に立てたんじゃないかと思ってはいるんだけど……」
恵麻「2着のアライバルは直線でのエンジンのかかりが遅かったとルメール騎手がコメントしていて、これも馬体面から想定してたんだよね。そういう意味では全体的なレースの見立てははずれていないんだけど、本命馬が力を出せなかったこともあって、馬券としては組み合てが合ってなかった感じか」
璃子「そうそう。だから、イエス？ タカス、イエス……？ と」
【3/22中山11Rフラワーカップ回顧】
最内からオレ様系エスコート！ これが川田だ！
璃子「イエス！ カワダ！ イエス！」
恵麻「これはわかりやすい。フラワーカップ、的中したんだね。おめでとう～」
璃子「本命に推した2番人気のスタニングローズが1着。初の中山、初の1800mだったけど、ハヤタが馬体面からともに問題ないとジャッジしてくれていたから、自信をもって単勝勝負にいけたよ」
恵麻「内枠からロスなく立ち回った川田騎手の手綱さばきも見事だったよね。がっちり先行から直線で相手を競り落とす。川田騎手お得意のレースで、まさにイエス、カワダ、イエス！ だった」
璃子「接戦での強さと後輩への当たりの強さには定評がある騎手だからね」
恵麻「2着のニシノラブウインクは9番人気の低評価ながら勝ち馬にしぶとく食い下がった。ハヤタ君によると『パドックではチャカついていた点は気になったけど、首や胴の長い、エピファネイア産駒らしい体型で、距離が延びて良さが出そう』とのことだよ」
璃子「なるほど。ならオークス路線に乗ってきたらちょっとおもしろいかもしれないね。3着のシンティレーションについては？」
恵麻「『だんだんと筋肉がついてきている印象なのは良い傾向。ただ骨の細さがあって中山コースで強いメンバーに伍するのはまだ厳しかったのかも』とのこと」
璃子「とはいえ重賞で3着。成長に期待だね」
恵麻「4番人気だったモカフラワーは直線での伸びがなく8着。広いコースのほうが合うタイプとはいえ、はっきりした敗因がつかめないね。立て直しが必要かも」
璃子「なお、1着のスタニングローズはこのあとは放牧。桜花賞はパスしてオークスかNHKマイルカップに向かうらしい。マイルカップが本線かなという気はしつつ、千八はこなせたし牝馬同士ならさらに距離が延びるオークスでも勝負になると陣営が踏んでいる可能性もある。動向には注意を払いたい」
【伏竜S展望】
ダートの頂上決戦は三つ巴
姫「……なんか回顧編にちょこちょこ危ない発言が入っていた気がするんだけど……」
ハヤタ「うん……なんというか、子どもがライターで遊んでるのを見てる気がして、ハラハラしたよね……」
姫「せめて私たちは真面目にいくわよ。まずは伏竜ステークスの展望からね。中山のダート1800m。3歳ダート路線としては貴重としてオープンクラスの1戦とあって、楽しみなメンバーがそろったわね」
ハヤタ「うん。なかでもホウオウルーレット、ノットゥルノ、デリカダの3頭が中心になりそうだね」
姫「1番人気はホウオウルーレットになりそうかしら。ここまでデビュー2戦、今回と同じ中山ダート1800mで新馬、黒竹賞と2連勝。着差もそれぞれ1秒1、1秒0で圧勝してるわ。さあ3連勝なるか、注目ね」
ハヤタ「ここ2戦のパドックを見ていると、まだ上がありそうな仕上がりにも見えるんだけど、それでこのパフォーマンスだからレベルはかなり高いと思う。490キロ台で体格は十分だし、胴回りはダート馬らしくどっしり。それでいて平尻だから、どちらかといえばダート馬でもスピードタイプかな。当日、湿った馬場でスピードが要求されるようになればかなり有利だと思う」
姫「このレースがおこなわれる土曜日は関東で雨予報も出てるけど、馬場への影響には注意したいわね。対抗する2頭は逆に良馬場向きなのかしら？」
ハヤタ「もちろんノットゥルノもデリカダも馬場が湿っても問題はない。あとは展開とペースが鍵になるんじゃないかな。ノットゥルノは背中が長くて斜尻の体型で、差し脚を持続させるタイプ。前が速くなって上がりがかかれば逆転もありえる。デリカダも斜尻で鋭い脚を使えそうなタイプで、早い上がり時計を要求される展開になればチャンスがあるかもしれない」
姫「あとは、ノットゥルノとデリカダの2頭は阪神で2連勝だけど今回は初の中山で遠征になる点も鍵ね。そう考えるとやっぱりホウオウルーレットの優位は揺るがないのかとも思えるけど……」
ハヤタ「馬体面からはノットゥルノもデリカダもダート路線で頂点を極められる可能性を秘めてるから、好レースを期待したいね」
【毎日杯（GⅢ）展望】
馬体的には抜けた存在だ
璃子「毎日杯の展望は私たちに付き合ってもらうよ！」
恵麻「よろしくね～」
ハヤタ「よろしく……（心配だなあ）」
恵麻「さて、毎日杯。皐月賞のトライアルレースではないんだけど、ここで賞金を加算できればGⅠ出走のチャンスも生まれてくるということで、古くは『東上最終便』的な位置づけにもなってたレースだよね」
璃子「ここで是が非でも賞金が欲しいのは、ドゥラドーレス、リアド、テンダンス、ピースオブエイトあたりかなあ」
恵麻「そうだね。ドゥラドーレス、テンダンス、ピースオブエイトの3頭は1勝クラス勝ちで獲得賞金900万円、リアドは若駒S2着はあるけど獲得賞金は400万円。皐月賞、ダービーを目指すならここは勝っておきたい1戦だよね」
璃子「まずドゥラドーレスは東京1800mでデビュー2連勝。今回は初の阪神コースが鍵になりそうだね」
ハヤタ「胴長で平尻という体型の差し馬。長く良い脚を使うタイプだね。そういう意味では東京コースはぴったりだけど、直線の長い阪神の外回りコースなら対応できると思う。あとは直線後半に急坂があるから、そこでどれだけ止まらずに前を捕まえられるかだね」
恵麻「テンダンスも似たタイプ？」
ハヤタ「うん。これも体型的には持続力がありそう。少し前かがみの体型でもあるから、こちらは前に行けそうだね」
恵麻「前走は同じ阪神芝1800mで逃げ切ってるしね。リアドも新馬戦はこのコースで勝っていて、コースは経験済み」
ハヤタ「これはマイラー寄りの体型で1800mはベストの距離じゃないかな。母父Tiznowの影響か筋肉量も豊富で、パワーも感じる。登坂能力を問われるような展開になれば上位を脅かしそうだよ。ピースオブエイトもちょっと重心低めでトルクが売りのタイプ。阪神芝1800mはいかにも合う条件だよね」
璃子「ほほう、ライバルも強力そうだねえ。これらを実績上位のコマンドラインが迎え撃つ構図かな」
ハヤタ「うん。POG指名馬で贔屓目もあるかもしれないけど、馬体面ではこの馬が抜けてよく見える。520キロ台の雄大な体格だし、筋肉も張りがあって動きは軽やか。マイル～2000mくらいの距離ならやっぱりGⅠ級の能力があると思う。サウジアラビアRCくらいのデキがあればここは圧巻の走りを見せても驚けないよ」
璃子「まあもちろん目標はこの先にあるから、今回は仕上がりが鍵にはなるかな。あとは前走で出遅れたスタートか。中間、ゲート練習は積んできたってことだけど、久々の実戦だけにそこは気をほしいね」
恵麻「余談だけど、このあとのローテーションも気になるよね。毎日杯から始動ってことは、間隔が詰まる皐月賞はパスして、NHKマイルカップかダービーを目指すのかな？」
璃子「個人的にはマイルカップで名より実を取ってほしいけど、国枝先生のダービー制覇も期待したいしなあ」
恵麻「まあ建前的には今回の走りを見て決める、ってことになるんだろうね」
璃子「だね。とりあえず今回はコマンドラインを本命にして応援しよう。最後にハヤタ、馬体面から気になる1頭を挙げてくれる？」
ハヤタ「そうだね……ベジャールかな。560キロ近い超大型馬。モーリス産駒は筋肉量が多いタイプが目立つけど、この馬は骨格の大きさに出た感じかな。広いコースが合いそうだし、パワフルな走りで上位を脅かすイメージは湧くよね」
璃子「ハヤタの穴馬指名は結構いい線行くから、これも注目だね」
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