AJIRAトーナメント まとめ

第一回AJIRAトーナメント終了!!どの対局も非常に見ごたえがあり、楽しませていただきました!!
ということで今回は対局者の皆様へのリスペクトの思いを込めてさらっと全局振り返っていこうと思います!!
なお、僕の独断と偏見で好局と判断した対局は局面図を付けて少し細かく振り返りしようと思います。
ところで、最近の幼稚園のかけっこなどではみんなでゴールテープを切って「みんな優勝だね!」などとやってるようですが、そんなものゴミだと思ってるので(暴言)ちゃんと最も優れたものは決めなければと思っています。
ということで、最後には完全に自分の見解だけで最優秀棋士と最優秀リーダーを決めて発表したいと思います。


第一試合 チーム常盤台 対 チーム公人


第一局  はにみちゃん  対  常盤台メイ
本局ははにみちゃんの筋違い角から始まり、メイさんが位取りから盛り上がりの作戦で対抗しました。
終始隙のない指し手でメイさんが中盤でリードをとり終盤へ、そこからはにみちゃんが飛車の頭に銀を打つ驚きの勝負手で猛追しましたが、最後はメイさんが逃げ切り、大きな一勝をあげました!!
はにみちゃんも悪いところからかなり追い上げたのですが、メイさんの難攻不落の指し手が光った一局でした。

第二局   公人直人  対  菜々河れい  (好局)

ということで、最初の好局は公人さん対れいさんです。本局は筋違い角スペシャリストのれいさんに公人さんが筋違い角を打つという意表の展開で始まりました。

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6五歩がツウな対策、以下、同歩、6六角、6四歩,9九角成で後手が香をとる展開に、一方的に香をとって後手が気持ちいようですが、実はこの作戦は正しく対処されるとよくはなりません。しかし、この短時間、そして公人さんが筋違い角エアプであることを考えると十分に勝算のある作戦だと思って決行したのではないでしょうか。しかし、以下8八銀、9八馬、7七銀、8七馬、7八金、9八馬、8八金,9九馬、9八金、と知ってか知らずか公務員は最善で対処し、馬の捕獲に成功します、恐るべし。
以下は角を手持ちにした先手がやはり指しやすく、後手は苦労する展開に。
中盤では公人さんが鋭い指し手を見せ、飛車をとりきり優勢で迎えた終盤の入り口。

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 れいさんが4八金と張り付いたところ、ここで公人さんは8一飛成!!
大丈夫か、と思いますがやはり大丈夫ではありません、3八金、同玉、4八金2八玉、3九角、1八玉、3八金とすれば典型的な必至で先手負けです。
しかし、そこは公人直人、8一飛成以下3八金、同玉、4九角、2八玉とこの手を通し切ります。れいさんの時間がなかったことと公務員の圧力が飛車成を見事に通すという、公人直人の勝負師としての強さがよくわかる一局となりました。
以下は正確に指した公人さんが最後は即詰みに打ち取り、大金星。
本局は公人さんの勝負強さ、そしてチームにとっての大きな一勝ということで好局と思いました。

第三局  はにみちゃん  対  川山一誠
本気モードの侍が角道を開けづに筋違い角を回避し、三間飛車 対 ミレニアムの戦形となりました。
中盤からじりじりとリードを広げた川山さんが最後は飛車切りから華麗に先手玉を寄せ見事な一勝。
つまらん将棋指しやがって!などといわれる中この一勝はやはり大きかったでしょう。

第四局  世良祭  対  常盤台メイ
世良さんの筋違い角に対してメイさんが相筋違い角で対抗しました。中盤で銀と角を刺し違えた世良さんが馬を作り指しやすい形勢になってから、飛車を真ん中に持っていき猛攻。
最後は公人直人の師匠の貫禄で無理攻めを通し切り世良さんが勝利。
2-2に持ち込んで大変熱い戦いになりました。

第五局  川山一誠  対  公人直人
2-2で迎えた大事な一戦。戦形は三間飛車になるかと思えば公人さんは角を交換した後、やはり例の場所へ。もはや狂気を感じる一歩損(?)筋違い角の誕生の瞬間でした。当然形勢は川山さんに傾きますがやはり公人直人、なぜか角も飛車もさばくことに成功してからはほぼ互角の形勢に。しかし、負けられない侍が底力を発揮、玉頭攻めで一気に後手玉に迫り、一瞬で寄せ切った川山さんの勝ち。

第六局  世良祭  対  菜々河れい
チーム公人は後のないところ、六局目にしてS級同士の対決です。
戦形は相居飛車の力戦模様、中盤で世良さんが鋭い銀打ちからリードを奪ったように見えましたが、れいさんも馬を引き付けた耐えます。その後、世良さんの激しい猛攻をがっちりと受け止め、最後は即詰みに打ち取りれいさんの勝ち。決勝点を決め切り、4-2でチーム常盤台の勝ちとなりました!


第二試合 チームヒナちゃん 対 チーム素敵やん


第一局  鹿角ほたる  対  沙久那
初戦は鹿角ほたるさん 対 沙久那さん。戦形は四間飛車穴熊 対 右玉に。
終盤の入り口で沙久那さんがほたるさんの攻めを徹底的に受け止め入玉党の名の通り入玉へ、しかし、入玉間近でほたるさんが7六飛!!
強烈な飛車で入玉を許さず、見事に後手の玉を寄せ切りほたるさんの勝ち。
初戦で大きな勝ち星をあげました。

第二局  沙久那  対  素敵やん  (好局)

二局目の好局は沙久那さん 対 素敵やんさんの一戦。先ほどあれだけの熱戦を繰り広げながら二戦目も出てくるとは思ってもいませんでした。沙久那さんの体力のすごさがうかがえます。
戦形は相右玉になりましたが5筋の位をとった素敵やんさんがじりじりと優勢を広げて迎えたこの局面

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松岡修造ですら「諦めろ!!」といってしまいそうな苦しい局面、ここに至るまで先手はずっと指し手が難しく苦しい時間が続いてました。しかし、それでも先手はじっと耐え、この局面も以下5八玉として後手に決定打を与えません。そして、その辛抱が時間という形で実ります。ただでさえ難しい局面で時間のなくなった素敵やんさんが今度は苦しくなり、その隙をついて沙久那さんが反撃、一気に形勢を盛り返し、最後は後手玉を詰まして見事に逆転勝ちを収めました。一勝はもちろん、この勝ちでチームの士気も高まったという意味ではこの勝ちは非常に貴重だったと思います。

第三局  グラン亭栄酒蔵  対  ヒナちゃん
沙久那さんの活躍を受け、三戦目にしてチームリーダーヒナちゃんの登場です。栄酒蔵さんがいつも通りの向い飛車で対抗するとヒナちゃんは早指しで対応し先手のスキをついて序盤早々に大きく優勢になり、なんと時間を増やしての勝利となりました。リーダーの力を忌憚なく発揮し、堂々の勝利でした。

第四局  鹿角ほたる  対  ヒナちゃん
なんとヒナちゃん二連投、ここで勝ちに王手をかけて勢いそのままに勝ってしまおうということでしょうか。戦形は四間飛車 対 穴熊のオーソドックスな戦いになりましたが中盤から積極的に動いたヒナちゃんが優勢に。ほたるさんも端を絡めてアヤを求めますが終始安定した差し回しでヒナちゃんの貫禄勝ち。この勝利でチームヒナちゃんは勝ちに王手をかけました。

第五局  素敵やん  対  五反田えぬ
五局目にしていよいよ電迅五反田えぬさんの登場です。戦形はえぬさんの袖飛車穴熊(?)という珍しい戦いとなりました。中盤でさばきあってからは穴熊の硬さと遠さが生きえぬさんが優勢に。終盤、金打で竜をとりきったえぬさんが着実に差を広げ、盤石の勝利を上げました。
二局目から勢いに乗り4連勝を決めたチームヒナちゃんが4-1で堂々の決勝進出を決めました!


決勝戦 チーム常盤台 対 チームヒナちゃん


第一局  常盤台メイ  対  五反田えぬ
初戦はチームリーダーが自ら出陣、迎え撃つはルーキーのえぬさんです。
戦形は66歩型矢倉をメイさんが選択し、たいしてえぬさんが左美濃で対抗
プロ棋戦ではすっかり見ない6六歩の矢倉ですが、人間的には左美濃を持って攻め切らなければ反撃が厳しいので相当難しいです。
ただでさえ時間のないフィッシャールール、苦しい後手の攻めを的確にメイさんが受け止め、難敵相手に大きな一勝をあげました。
メイさんの作戦がうまく決まった一局でした。

第二局  菜々河れい  対  沙久那
リーダーの勝利を受けて流れを付けるようにれいさんが出てきました、沙久那さんがどこまで食いつけるかということで戦形はれいさんの十八番の筋違い角。中盤の応酬で6六桂という痛打を食らい後手が一気に苦しくなりました。後手は馬を切って懸命に粘りましたがれいさんの寄せに全く隙が無く、きれいに寄せ切りれいさんの勝ち。
筋違い角が見事にはまった時の破壊力が見れた一局でした。

第三局  常盤台メイ  対  ヒナちゃん  (好局)

三局目にしてリーダー対決が実現、チームヒナちゃんとしては何としても勝ちたいところ。
戦形は相がかり模様から大駒交換で横歩取り急戦のような模様。

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先手メイさんが9二飛と打ったところ。極端な人ならすでに先手勝ちという人もいるというくらいこの局面では後手が相当苦しいです。
7七香では8一馬のほうが明らかに早く勝負になりませんし、7一金は7三香で受けになっていません。ということで以下ヒナちゃんは4一玉として苦しく辛抱します。以下7三香に8三銀が好手で打たせた香を重くしながら手を稼いで77香を何とか間に合わせようとします。
しかし、苦しいものは苦しく、差はどんどん広がり迎えたこの局面。

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先手にとにかく悪いところがなく、ここは明確に後手敗勢で、時間もヒナちゃんが押されていました。しかし、ここでヒナちゃんの執念がわずかな残り時間の中でとんでもない勝負手を放ちました。局面図以下7二銀、同龍、5四香、7四馬。時間が少ない中、ついつい馬を逃げながら歩もとってしまおうと見えてしまう7四馬が毒りんご、まるで用意されたように後手の駒大に残された最後の一歩が7七の地点にたたきこまれました。以下3六香、7八歩成、4八玉、6九と、3九玉,2七銀と一切緩むことなく寄せ切ったヒナちゃんが大逆転で勝利を上げました。メイさんの序盤のうまさが光りながらもヒナちゃんの絶対に負けられないという意思が逆転を生んだ本トーナメントでも屈指の好局でした。

第四局  五反田えぬ  対  川山一誠
チームヒナちゃんはこの流れで何とか星を並べたいところ、戦形はえぬシステム(?)と呼ばれる独特な戦い方に対して、侍はオーソドックスに左美濃で対抗です。えぬさんが陣形の組み方に苦労する中、川山さんがそれを逃さないと鋭く攻めに出て優勢に。果敢に勝負手を放って粘るえぬさんでしたが遊び無しの侍はとにかく間違えず、優勢そのままに決め切り、チームの優勝に王手をかける勝利を上げました。

第五局  ヒナちゃん  対  菜々河れい
決め切りたいチーム常盤台はフィニッシャーとしてれいさん、負けられないチームヒナちゃんはリーダー自ら出てきました。
戦形は菜々河流向い飛車に。中盤、ポイントを取りに行こうと角を切ったヒナちゃんに対し、れいさんがうまく切り返し後手優勢に。
そこからヒナちゃんも必死にアヤを求めますが、れいさんのその後の指し手にとにかく隙が無く、最後は明快に寄せ切って指し切りました。
これによりチーム常盤台が4-1で優勝となりました!


最優秀棋士

川山一誠

完全に独断で決めました。対局中も対局後も「つまらない将棋指しやがって」「切腹しろ」「口座番号教えろ(捏造)」などなどいろいろ言われていましたが、本トーナメント唯一の全勝者であり急所の場面で安定した勝ちを見せた川山さんの活躍はやはり無視できません。
他の場所で難癖つけられている分、ここでは最優秀の棋士としたいと思います。


最優秀リーダー

ヒナちゃん

やはりリーダーはマネジメント力が大切なので決勝に行った御二方のどちらかでとても迷いました。オーダーにせよ将棋にせよ良い作戦披露し、チームをまとめ上げたメイさんは素晴らしかったです。しかし、全体的にアツい将棋を見せてくれたチームとヒナちゃん自身、そして最後に「三人でチームを組めてよかった」という言葉が深く刺さりました(感情論)。

さて、ひとまずこれで総まとめを占めたいと思いますがトーナメント出場者のみなさん一人一人が個性を出して輝かれていたので結局はみんな優勝だね!



すぺしゃるさんくす

真澤千星V名人、紫陽花さくらさん

長時間の解説本当にお疲れ様でした、とても楽しく中継を見させていただきました。

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