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プロダクト名「miHub」が決まるまで

こんにちは。MI-6プロダクトチームの平下です。

MI-6では長期的な文化形成を行うために定期的な記事発信をしており、今回は、弊社が提供しているプロダクトの名称がどのように決まったかについて、試行錯誤や意思決定のプロセスを交えながら紹介したいと思います!

弊社の雰囲気やプロダクト事業の裏側を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

miHubとはどのようなプロダクトか

MI-6ではmiHub(エムアイハブ)というプロダクトを2020年4月から提供しています。
miHubは、MI(マテリアルズ・インフォマティクス)を活用して材料開発における「実験条件の最適化」を効率的に行うためのソフトウェア(SaaS:Software as a Service)です。
研究開発の現場が抱える、
 ・実験データが多次元かつ複雑なため実験設計が困難
 ・勘や経験に頼った試行錯誤を繰り返しており非効率
といった課題を解決し、少ない試行回数で最適な組成やプロセス条件の設計が可能となります。

ここからは少し専門的になりますが、背景を理解いただくために詳細にサービスを紹介します。

miHubが対象としているユーザーは、材料開発の現場で日々実験をくり返しながら目標物性値を達成しようと試みる研究開発職の方々です。
すぐれた製品や材料を世の中に出し続けるために、より短期間で高度かつ複雑な材料特性が各素材・化学メーカーに求められる中、研究者の経験や勘に頼った開発手法のみでは対応が難しくなってきています。

この状況に対し、MIを使ったアプローチにより効率的にターゲット物性の実験条件を最適化することが可能となります。研究者の勘や経験とMIを組み合わせることで、材料開発スピードをより上げることが期待できます。

miHubは、MIやデータ科学的手法やプログラミングといった経験がない方でもすぐに研究開発の現場で使えるよう、シンプルでわかりやすいUIと、MI活用を成功に導くための継続的な支援(カスタマーサクセス)を特長としています。
そして「miHub」というプロダクト名には、材料開発に関するあらゆるデータ、技術、そしてユーザーの知見をつなげて材料開発をより加速させるためのハブとなりたい、という意味が込められています。

プロダクト名を決めることになったきっかけ

プロダクト名の検討を始めたのは、クローズド提供開始後まもなくです。

開発中は仮のプロダクト名を使っていました。しかしこれから幅広いお客様に知っていただくにあたり、社内でしっかり決めたプロダクト名で提供したい。そんな思いを社内で共有し、本格的に検討に入ることになりました。

プロダクト名が決まるまでのプロセス

プロダクト名は、関係者全員が関わる形で決めたいという思いがありました。というのも、当時はまだ社員数も10名以下と少なく、全員がプロダクトに密接に関わっている形だったからです。

とはいえ、プロダクトはまだ開発初期フェーズ。最初の提供価値の検証やロードマップの策定も行いながらプロダクト名を決めていくプロセスは、試行錯誤の連続でした。
検討開始からプロダクト名決定までかかった期間は1ヶ月。最初は広く意見をつのり、その後アンケートや議論を経て徐々に絞り込んでいきました。

プロダクト決定までの過程では、進め方や考え方で迷うタイミングがいくつかありました。その中でも決定プロセスに特に影響を与えた重要ポイントとその乗り越え方を、下記にまとめてみます。

①「プロダクト」が指す範囲とは?

そもそもこの取組みが始まる前、「いま名前をつけようとしているプロダクトはいったいどこまでを見据えたらいいのか」という問題がありました。大まかなロードマップはあったものの、実際にできているのはその最小限の部分でしかなかったからです。

そんな中、弊社の社外アドバイザーの方から頂いた意見がとても参考になりました。

  • BtoBではサービス名が売れ行きに影響を与えることは発生しにくい

  • リブランディングもBtoBはしやすい

  • よって、いまのフェーズではプロダクト名決めに時間をかけすぎないほうが良い

「いずれプロダクトが成長しプロダクト名に違和感が出てくるだろうからそこで変えることを検討すれば良い!」そのアドバイスに納得感が得られたため、現状共有できていることをベースに進めることにしました。

②全員が納得できる合意形成のプロセスとは?

まだ少ないとはいえ、多様なバックグラウンドをもつ十数名の意見をどうまとめるかがいちばんの手探りでした。それを乗り越えたポイントは、アイデアや意見をすべて可視化し、全員の場で合意していったプロセスです。スピード感と効率性には欠けていたものの、ひとつつひとつのステップを丁寧にすり合わせていったことで、最後の3候補の最終投票時点では、全員が「もうどれに決まっても違和感なし」という状態にまでなっていました。

具体的な進め方は下記の通りです:

1:アイデア出し

まずはプロダクト名のアイデアを思いつく限り出してもらいます(1人3個以上)。アイデア出し状況の途中経過も整理して共有し、お互いの案からインスピレーションを得てさらにアイデアを絞り出せるようにもしました。

10日間で100個以上の案が集まりました。

2:各候補の推しポイントプレゼン

出してもらったプロダクト名候補に、簡単なアピールポイントや解説を追加してもらいました。他の人が参考にしながら検討するためです。
ミーティングで、特にこれはというプロダクト名候補について推しポイントプレゼンする場もありました。

一見シンプルに見える案に、MIを通じて材料開発を効率化させたいという熱意や、MIを気軽にとりいれて日々活用したくなるようにという思いが込められており、一人ひとりの思いや期待を知る機会になりました。

3:投票

次に全員投票です。良いと思ったものに個数無制限で◯をつけます。
事前に下記論点を議論し軽くバイアスをかけた上で、各自の判断で投票してもらいました。

  • 「MI」を入れるかどうか(➔入れたほうがいいという意見が多数)

  • 日本語っぽいか英語っぽいか/オリジナルか既存の言葉か/1単語か2単語以上か(➔センスや好みによって分かれるので方針決めず)

  • 簡単に読めるか/発音しやすいか(➔重要だが「簡単」の尺度が人それぞれのため方針決めず)

  • パっと見て何のサービスか分かるか(➔重要だがどうなればよいのかは一概に言えないため、重視するという観点のみ共有)

4:絞り込み

3票以上獲得した候補案で、下記判断指標をもとに全員でPros/Consを出し合いました。

判断指標:中身が伝わるか、シンプルで読みやすいか、呼びやすいか、間違えにくいか、入力しやすいか、ググラビリティ(類似サービス、検索上位)、商標登録されていないか

全員集まるオンラインミーティングでわいわいしながら1時間議論したのち、最終的に自然に磨かれて絞り込まれた候補は3つ。特に「シンプルでユーザーが入力しやすい」「読み間違いが起こりにくい」という観点が反映されました。

5:最終投票

最後に3候補で決選投票を行い、多数決でmiHubに無事決定しました!

ここまでかなり議論を尽くしてきたため、「もうどれになっても異論はない」と、全員が納得感を持てている状態だったと思います。

まとめ

弊社のプロダクト名「miHub」が決まるまでのプロセスを紹介しました。

「miHub」というプロダクトが、材料開発に関わる人・技術・データ・知見をさまざまな形でつなげるハブとなり、材料開発のさらなる加速、新しい材料や事業へ展開していけるよう、日々試行錯誤しながら開発を進めています。

プロダクト名やサービス名を決める経験はほぼ全員が初めてでしたが、アドバイザーの助言も頂きながら、自分たちの腹落ちする進め方ができたように思います。

スピードという観点では課題感が残りましたが、もし今後同じような機会があれば、全員の意見を意思決定プロセスのどこで反映させるかをしっかり設計することで、よりスピード感のある意思決定ができそうです。

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