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もし就活中の自分に会えるなら伝えたいことを書いておく

自分が就職で悩んでたときにお世話になった方の従妹が出版業界に興味があるということで、OG訪問的なサムシングを受けることになったのですが、たぶん相手は私が編集者やってるということしか知らない気がするんだけど、私なんかでいいんでしょうかね、だって私ちゃんとした就活を制覇してないし、私と話したからってどっかの採用に有利になるわけでもないし……と思いつつも、少しでも役に立つことを話してあげたいので悩んでいる。

自分が手当たり次第に編集者の方に話を聞きに行っていたときは、とにかくエントリーシートはどう書けばいいのか時事問題はどうすればいいのか、とか具体的なことばかり知りたかったけど、そういうことは話せないし、そもそもそういうことが根本的な合否を決めるわけではない気がしていて、だいたい以下のようなことを伝えようと思って、書き留めてみた。 私が今でもできていないことも含む……。いわば自戒です。

・結局合否は「いっしょに働きたいと思ってもらえるか」が決める  
いっしょに働きたいと思ってもらえるためにどうすればいいかを考える。 (理想は、その会社の人たちに「いっしょに働きたいと思ってもらえる」自分と、自分にとってこうありたい自分に、ズレが少ない会社に入ることだとは思う)

・時間には本当に本当に余裕を持って行動する。
結果的に選考に遅刻するしないにかかわらず、現場に20分前に着いていたほうが、そのあとの自分の言動に余裕がでる。  (ゆめゆめ、締切日の深夜に最寄りの郵便局までダッシュして局員さんに郵便番号聞きながらES提出するとか、時間ギリギリすぎるわ道わからないわで最寄駅まで来てるのに面接会場までタクるとかいうアホなことしないように。マジで。) (「別にプライベートの用事だから……」と日々の遅刻に寛容でいると、身体の時間感覚ががそのペースに慣れきって、まちがいなく自分の大切な面接で遅刻します)

・服装、髪型、しゃべり方も本当に本当に本当に大事。
「私服で」「自分らしい格好で」と言われたときも、 あくまで「いっしょに働きたいと思ってもらえる」ことを忘れないようにする。 (お願いだから「私服できてください」と言われてMILKのうさ耳パーカーを面接に着て行ったりしないように、本当に……お姉さんからのお願いです) (タイムマシンが使えるなら、あのときの自分を撲殺しに行かせてくれ)

・文章は必ず誰かに見てもらう。
自分しか読んでいない文章には圧倒的に客観性が欠けていることが多い。たとえプロのライターの方でも、基本的には人に文章をチェックしてもらったうえで文章を世に出していることを考えれば、いわんや就活生(と駆け出しの編集者)をや。 

・ウソやごまかし、言い訳はしない。絶対バレる。  
相手は自分の100倍も業界のことを知っているし、いろいろな学生を見ているから、ウソやごまかし、言い訳、相手をなめた気持ちがあれば100%バレる。第一印象でバレなくても絶対ボロが出る。 「いっしょに働きたいと思われる自分」を演出する必要はあるが、それはウソを言えということではなくて、あくまで自分の持っている要素のなかから、相手が望むものを抽出して前面に見せる、ということなのだと思う。

・別に行きたい会社に行けなくてもやりたい仕事につけなくても、死なない。
行きたい会社とかやりたい仕事とかは、一過性のはしかのようなものである。そもそも、うまく採用されたとしても、そこに一生いるつもりではいないほうがいい。あとそんなに入りたければ、(特に出版の場合は)裏道がたくさんあるので、潜り込めばいい。 (とはいえ、やりたくない仕事をやり続けることは、自分の何かしらの寿命を縮める、とは思う)

なんにしても、私が日々マジでもっと頑張らないといけないなと痛感していることばかりをここでエラソーに書いてもしかたないのですが、就活にあたって一人でいろいろ背負い込んで「もっと早く周りに相談すればよかった……」とつぶやいている人が周りにあまりにも多いので、とりあえずESなり面接の練習なり恥ずかしがらずに人に見てもらうのが絶対にいいということだけ言っておきます……。あとOB訪問とかで時事対策なんか聞くよりも、その人が仕事をしているときに大事にしていることとか聞くのがいいんじゃないかと……。就活の合否は「いかに自分がその仕事をやりたいか」ではなくて、「いかに相手から見て自分がその会社に向いているっぽいか」で決まると思うので……。

私もがんばります。

以下、おまけ

・朝井リョウさんの『何者』は、就職が決まった直後に読んで、ああこの時期に読めてよかったな、でも就活前に読んでたらもっとよかったなと思いました。心臓のよわい人は就活終わってからでもいいかもしれないですが、あの本は就活から時間のたっていない時期に読んだ人と、そうでない人や、もっと上の世代が読んだ場合とでは全然実感が違うと思います。

・三浦しをんさんの『格闘する者に◯』もすごく好きなのですが、あれを読むと就活とかよりもっと広い世界いこうぜって気になってしまうのでちょっと注意……。

※前に書いたやつをちょっと修正。

いつもありがとうございます。より良い浪費に使います。