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皆さん良くご存じの年功序列は、戦後になって出来上がったシステムです!!

2019年5月に公益財団法人日本生産性本部が発表した「第16回 日本的雇用・人事の変容に関する調査結果」によると、2018年の年功序列を導入している企業の割合47.1%に対し、実力成果主義を導入している企業の割合は57.8%と上回る結果となっています。
年功序列制度の基礎となる考え方が生まれたのは、大正末期から昭和にかけてです。それほど古い制度ではありません。年功序列制度が導入される前の日本では、能力給が一般的でした。高い技術を持った優秀な熟練工は、より高い賃金を求め、職場を渡り歩き、賃金を上げていたのです。企業としては、せっかく育てた優秀な人材を囲い込みたい。そこで、「年功を付ける」「積立式の退職金を設置する」など、さまざまな奨励制度を設けるようになりました。その後、1950~60年代までの高度経済成長期に、年功序列制度が日本企業の人事システムとして定着しました。戦後の混乱期を経て、労働者は生活の安定と保証を求めていました。そして、企業側も経済成長に伴う業績拡大のため、人材の確保が急務だったこともあり、双方の意向が一致したのです。このような背景から、「終身雇用制度」とともに「年功序列制度」が徐々に普及・定着し、日本経済の発展を支えてきたと言われています。
このように、高度成長期には主流だった年功序列制度ですが、最近では廃止する企業が増えてきています。なぜ年功序列制度が崩壊し始めたのでしょうか??
1990年代のバブル崩壊により、「社員を定年まで雇い続ける」という「終身雇用」を維持できない企業が増加しました。停滞した経済状況の中で市場競争は激化し、コストを下げるために人件費を削減する必要があったためです。また、業績が右肩上がりに成長し続ける見通しが立たなくなり、経験や年齢に応じて昇給させるという、年功序列制度自体も現実的ではなくなったのです。
少子高齢化によって、労働力人口が減少しはじめていることも、要因の一つです。人材不足が加速していく中で、労働力の確保が死活問題である企業は、優秀な人材を確保するため、より良い条件と環境を提供するようになります。この結果、人材の流動化が進みました。また、新卒一括採用だけでは労働力を確保することが難しくなり、経験者やシニア、外国人材など、幅広い属性から人材を確保するようになり、置かれた状況も立場も違う状況下で、もはや「年功」という軸で評価できなくなってきたのです。
ITなどのテクノロジーの進化による業務内容の変化も、理由として挙げられます。テクノロジーの進化により、事業のサイクルも早くなり、企業は世の中の流れに合わせてスピーディーに事業を変化させる必要が出てきました。長年培ってきた経験やノウハウも、進化・アップデートしていくことが求められるようになってきたのです。つまり、必ずしも経験年数が長い人ほど活躍でき、成果が出せるとは言えなくなってきたのです。
というのが、一般的な話ですが、そもそもバブル崩壊ごろまでは、年功序列制度を守りつつ、自己管理という?管理されない強力な実力主義であったように思います。賃金は高くないですが、いい意味での創造的な個人活動が許されていました。失われた30年と言われる低迷時代になり、一律の労働時間管理が強化されるにつれて、能力のある人が自由に、そしてがむしゃらに成果を出すというのが難しくなり、急速に日本社会の競争力を失ってしまったと考えています。年功序列制度が、問題だったのではないと思います。
年功序列は、働く人の安定雇用や生活を支えてきた制度であり、社員の定着率を高め、育成を安定化させるなどのメリットがあり、更に、安心して、競争力を高める創造活動が可能なシステムではないでしょうか?人件費の高騰や生産性を上げにくいなどと誤った考え方や一方的な押し付けの安易な一律労働時間管理社会にしてしまったことを反省しなければなりません。世界経済の急速な変化に対応できるよう、多様な属性の人材が、不公平感を感じることなく、楽しく一生懸命働ける制度を、今一度考えていく必要が出てきたのではないでしょうか!!会社を定時に帰れるのだけが人間としてのウェルビーイングでしょうか?もう一度、本質的なところで考えてみませんか!!
パクリの実

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