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働き方改革の阻害要因

働き方改革とは、日本政府が発表した「一億総活躍社会」実現に向けて労働環境を見直す取り組みのことを指し、「長時間労働の是正」「多様で柔軟な働き方の実現」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」の3つを軸とした取り組みのことを言います。日本では少子高齢化により人口が減少し、2013年に12,730万人だったのが2060年には8,674万人まで大きく減少することが予測されています。そこで政府は労働者が多様な働き方をすることで、労働人口を確保するために働き方改革を打ち出しています。
2019年4月に働き方改革関連法案が施行され、生産性向上に向けて多くの会社で業務効率化や、残業削減などの取り組みが行われてきました。しかし、本当に「働き方改革」は機能しているのでしょうか。短期的目標が重視され、形式上の改革にとどまっている会社も多いのではないでしょうか。
「働き方改革」の阻害要因は何かという設問では、「企業文化・経営者の意識」という回答が67.2%を占め、「本人の意識」43.4%や「業務量」39.5%、「デジタル機器やサービス」9.1%を大きく上回っています。
一生懸命働いていると思っているのに、日本は欧米よりも生産性が低い、と言われています。日本の生産性の低さを改善するには規制緩和が必要であるということにも違和感を覚えます。過度の規制が社会的な生産性を低くすることは確かですが、日々の仕事の中で、規制のために生産性が落ちていると感じる局面が極端に多いとは思えません。日本の生産性の低さの大きな原因は企業の中にあると考えるべきです。
例えば、一握りの優秀な人材が考えればいいものを、会議を開催して何時間も議論しているようなケースはないでしょうか。ハンコの行列で誰が責任を取っているのか分からない書類がいまだに残っていないでしょうか。トップの指示を過剰解釈してリスク管理がインフレしていることはないでしょうか。実務面の判断を下すべき人が社内会議に追われて現場に足を運べなくなっていないでしょうか。会議や上申が形式化して、実質的な議論より、準備にばかり時間がかかるようになっていないでしょうか。
今、もてはやされているITやプロジェクトマネジメントなどのスキルが生産性に寄与するのは確かです。流行に飛びつくのもいいですが、本質は、生産性向上の源泉は、無駄だと思うこと、過剰だと思うことは止める姿勢を徹底することだと思います。規制の緩和は政府に任せ、過去を思い出して日本企業ならではの工夫を発揮し、一方通行ではなく多くの人が一丸となって、無駄なこと、過剰なことを払しょくすれば、日本ならではの働き方改革、生産性改革が進むはずです。
 パクリの実 

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