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デザイン思考は、ニーズを探り、仮説を立てて検証するというサイクルを繰り返すいたってシンプルなアプローチ!!

デザイン思考とは、ユーザーも気づかない本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考のことで、デザインシンキングともいいます。
なぜ、デザイン思考がビジネスで注目されるようになっているのでしょうか?それは、時代の変化により、ビジネスのあり方も変わってきたためです。
国内の人口減少、グローバル化の進展や資源不足、AIによる産業構造の変化など、複合的な要因により、社会環境は大きく様変わりし、これまでの常識が通用しなくなっています。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をとった「VUCA」という言葉が示すように、経済状況はますます混迷を極めています。 多様化し、複雑化した昨今では、仮説を立てたら即座にプロトタイプをリリースし、高速でサイクルを回していくことが求められます。
デザイン思考のプロセスに関して、デザイン思考の5段階が参考になります。
1.共感 (Empathise) ・・ニーズを知る
まず、ビジネスの基本中の基本、ユーザーの思考を理解し、そのニーズを探ります。なぜそのサービスが欲しいのか、サービスを手に入れた先に何を求めているのかを想像します。ここで注意したいのは、ユーザーが語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当にユーザーの気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考をするのか、そこまで徹底的になりきることが大切です。特に不安、悲しみ、不満に寄り添い、ユーザーの潜在的な欲求を探り当てていきます。また、「○○なときは・・では?」という仮説を立てていきます。
2.定義 (Define)・・問題点とゴールを定める
多くの場合、ユーザーは自分が求めているニーズの本質を理解していないことが多いです。つまり、顕在的なニーズを聞いて終わるのではなく、その先の潜在的なニーズを探り、最適解を考え抜くのがここでいう定義です。概念化の下地となるので、慎重に決めていきましょう。ときには共感フェーズに立ち戻ったりすることで問題定義を繰り返し、コアとなる問題を見つけ出していきます。
3.概念化 (Ideate) ・・アイデアを生み出す
定義されたお題に対し、具体的なアプローチを洗い出します。ブレインストーミングなどの手法を使って概念化するのが一般的です。質よりも量を出すことが重要で、思いつく限り、次々とアイデアを出しましょう。その後、分類して収束させ、形にしていきます。ここでは、アイデアが現実的かどうか、斬新かどうかなどあまり気にしません。まずは思いつくままにどんどん出したアイデアの中から、使えそうなものを絞り込んでいくことで洗練されていきます。
4.試作 (Prototype)・・アイデアを形にする
試作では、概念化したものが動くように実装していきます。動かすことが第一目的であるため、なるべく時間とコストをかけずに、最初の試作品を作ります。プロトタイプは売り上げを出すのではなく、今まで見えなかった課題点を浮き彫りにすることがゴールです。
5.テスト (Test) ・・アイデアを評価する
プロトタイピングしたものを、市場にリリースし、ユーザーのフィードバックをもらいます。改めて定義で洗い出したニーズに見合ったものになっているかチェックします。最終のアウトプットは真新しいものでなくても問題ないです。大切なことは、本質を捉えてユーザーのニーズを落とし込めていることの方が重要だからです。解決できなかった場合は前工程に戻って再チャレンジを行い、試作とテストを繰り返します。試行錯誤しながら、最終的にクオリティの高いアウトプットを目指していきましょう。
万能に思えるデザイン思考にも欠点があります。まず、ゼロベースで何かプロダクトを創出するのにはやや不向きな点です。 ユーザーに共感しニーズを探るプロセスは、すでにあるプロダクトにイノベーションを起こす、飛躍させる点では非常に有効な手段ですが、例えば、ユーザーも決まっていない、将来ニーズが出るであろう画期的な商品やプロダクトを開発する際には、ユーザーの思考をベースにするデザイン思考では限界が出てきます。
もう1つが、デザイン思考に終始するあまり、プロセスよりも結果を重要視してしまうこと。デザイン思考では、「ありきたりのアウトプット」になったという状態に陥ることがあります。これは、デザイン思考においては大きな問題ではありません。大切なのは、共感と定義で、いかにユーザーが気づいていない潜在的なニーズを発見するかがカギであり、アイデアに斬新さやインパクトさがあるかとは無関係です。うまくいかないとここばかりに囚われてしまい、本質を見失い、うまくいかなくなります。
デザイン思考に役立つフレームワークをご紹介します。
1.共感マップ(エンパシーマップ)
ユーザーの考えや価値観を深く分析するのに役立つフレームワーク。ペルソナが実生活の中で何を感じ、何を考えているのか、以下の問いで明らかにします。
・聞いていること・考えていること・感じていること・言っていること・やっていること・感じているリスクやストレス・望んでいること
2.ビジネスモデルキャンバス
9つの要素から、ビジネスモデルを分析し、相関関係を描いたフレームワークです。9つの要素に分解することで、今まで目を向けていなかった課題や気づきを得られ、新たなアイデアのヒントを得ることができます。
3.事業環境マップ
事業環境マップとはその名の通り、事業を取り巻く環境を「市場」「業界」「トレンド」 「マクロ経済」の4つにカテゴライズし分析するフレームワークです。この4つを正確に理解することで、時代に合わせてビジネスモデルを再定義することができます。
これに合わせて、優位点 (Strengths)、課題 (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、外的脅威(Thread)の4つの頭文字をとったSWOT分析も合わせて使うと、より室の高いアウトプットが出せるでしょう。

デザイン思考は、ニーズを探り、仮説を立てて検証するというサイクルを繰り返すいたってシンプルなアプローチで、複雑な問題を正しく理解し、最小のリソースで人々が望むものを作ることができます。シンプルとは言え、言うは易く行うは難しで、まずは部分的なところから取り入れてみてはいかがでしょうか?

 パクリの実

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