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新たな時代の社会変革 グリーントランスフォーメーション(GX)

グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)とは、産業革命、IT革命に次ぐ世界的な社会変革です。これは、再生可能エネルギーへの移行をはじめとした先進的な取り組みを通じ、経済活動を止めずに脱炭素化社会を実現する、というもので、GはGreenの頭文字、Xは英語で「Trans」を略するときに使われる文字です。
産業の発展で人々の暮らしは豊かで便利になりましたが、その一方で温室効果ガスの排出量が増え、地球温暖化に拍車がかかっています。気候変動による被害は、もはや無視できないほど深刻です。度重なる森林火災に、人命を脅かす巨大台風、干ばつによる水不足・・自然災害による経済損失は、2030年には全世界で2兆4,000億ドルにのぼるとみられています。
このまま環境問題が悪化すると、農作物の収穫量が不安定になり、飢餓で苦しむ人が急増してしまいます。すでに世界には栄養不足で苦しんでいる人が約7億人もいるのです。みんなが安全な環境下で幸せに暮らせるようにするためには、経済のあり方やライフスタイルをサステナブルな方向に変える他ない状況に来ているのです。
政府は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を提言。企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させていこうとしています。今後、国内の全ての業種の企業においてGXは避けることができない経営アジェンダのひとつとなってくるのです。
経済成長をつづけながら、環境保護を推進していくのがポイントで、EUのほかにも日本やカナダ、オーストラリアなど、多くの国々が産業政策に取り入れています。たとえば、EUはプラスチックなどのバイオベース製品への転換や、クリーンな水素エネルギーの導入などに精力的に取り組んでいます。
グリーントランスフォーメーションの柱となるのが、CO2の排出量を実質的にゼロにする「カーボンオフセット」で、取り組みを評価する指標の一つに「炭素負債」というものがあります。これは、炭素税や排出量取引などCO2排出量に価格をつけるカーボンプライシングから推定されるもので、これが本格導入されるとCO2排出量の多い世界主要1000社は2050年までに計42兆ドルを負担することになると言われています。「炭素負債」を抱える企業の多くが、エネルギー・鉄鋼・化学分野の製造業なのです。
日本の製造業において、DX(デジタル・トランスフォーメーション)のようにビジネスの抜本的な改革が取りざたされている中で、環境保護への取り組み推進も改めて注目・重要視されているというわけです。DXの推進のみならずこのGXを推進することが、現代の市場変化を先読みしリードする「切り札」になるといえるのです。
日本社会を、持続可能なものとして見られるような社会に変革していきましょう。
 パクリの実

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