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外国人スタッフ教育と受け入れがうまくいく7つのステップ

先日「外国人スタッフ教育」について率直な投稿をしたところ、いくつか印象的なリアクションをいただいたので、更に踏み込んだ内容を投稿したいと思います。

前回の投稿で、外国人スタッフ教育のポイントを2つお伝えしました。

1.教育の順番が大切
2.本質踏まえた教育内容が大切

1順番は、会社ビジョン→教育者教育→全ての日本人スタッフ→外国人スタッフ教育。外国人スタッフへの教育ありき、ではなく、受入れ体制が整っていれば、外国人スタッフ教育は最後のオマケ程度で済む。

2内容は、本質を踏まえていることがとても大切。コメント欄に前回投稿のリンクを貼っています。


こう聞くと、その通りだと思う方は多いかもしれません。しかし現実は、そのような基礎を重視した教育を取り入れるには至りにくいのではないでしょうか?理想だよね、と。最大のポイントは、ここなんです。教育内容より、教育に辿り着くまでです。自ら試してみたい!と思えるか。正論だからと押しつければ逆効果なので、自発的に必要性を感じるための取組みが必要になります。

それは、会社により異なりますが、簡単に言えば以下の流れです。

①会社が生み出す価値の自覚
②社員や経営層自身の自己承認とそこから得られる他者承認力
③質の良いビジョンの設定と共有
④多様性の理解と受容&活用意識をもつ
⑤協調性と協働の理解
⑥目標や行動目標への落とし込み
⑦行動やPDCA


しかし、たとえば人事部などで教育に精通しているスタッフが「この研修が必要だから取り入れる」と言っても、受講対象となるスタッフは抵抗するかもしれません。「必要性がまるで分からない」と言われた方もいます!


基礎構築を踏まえた教育を取り入れようと思うのは、既に改革意識がある会社や、既存の価値は守りながらも新しい風土も必要と考えている会社です。少ないかもしれません。または、研修事業を展開する会社が必要性を感じて取り入れるということもありました。


一般的には、改革の必要性を感じていない場合や、変わることへの抵抗もあると思うので、その場合は効果が薄いでしょうし、その前に見向きもしてもらえません。そこには、変化には苦痛を伴うものという思い込みもある気がします。

抵抗感を減らすための工夫としては、必要とされているスキルを全面的に伝えながら、それを支える基礎という形で伝えるのが良いと模索をしています。基礎が大切だと気づいて社内で取組みが始まれば、アプローチ方法に制限はないと思っています。しかし、そもそも、外部講師がしゃしゃり出る幕ではないと個人的には思っています。


私が感じるのは、需要と供給の一致です。良い悪いでは一切なく、会社によって理想も事情もタイミングも当然さまざまです。

・基礎構築を今は優先しないという選択をする会社は、基礎をアプローチに含まない教育へのニーズが高いようです。
・基礎構築をしておいた方がよいかな?と考える会社は、基礎を含まない教育には不足を感じています。
・基礎を疎かにしては、これからは発展できないと危機感を抱く会社は、基礎を踏まえた教育しか探していません。


今後、人的資本の開示情報には、教育の実施具合も含まれてきますが、いずれ、教育の中身も問われる流れは必至だと予測しています。

たとえば、
・「多様性の理解と活用教育」を導入しても、多様性の活用度や社員の意識が持続的に高まるかどうかは、教育内容によります。
・「ハラスメント防止教育」をしても、定着するか、半年で効果が薄れるかは、教育内容によります。
・「外国人スタッフ教育」をしても、意識向上が半年続くか、自発的成長に繋がるかは、教育内容によります。

どれも、研修タイトルは同じです。


コロナ禍を機に、日本で働く外国人の孤立が深まっていることが問題になっています。ある精神科では一日の外国人受診者がコロナ禍以前の数倍に増え、60名にものぼるそうです。そこで、企業やJICAが連携し、孤立する前に対策を打とうと、外国人を孤立させない取組みを始めています。しかし、多国籍組織作り同様、外国人を孤立させない取組みでは、本来、外国人へのアプローチは最後のオマケであるはずです。組織と日本人スタッフへの取組みが基礎を作ります。多様性を苦しめたくないのではなく、活かすための取組みなのですから、基礎こそ大切です。

私としては、基礎構築を重く受け止めず(実際重くはない)、且つ、生産性を高める上では必須だと捉える流れ(実際に必須)になると喜ばしいので、発信しています。


PK戦の末で負けたサッカーチームが、翌日からPKの練習ばかりすることはないじゃないですか。攻守両方の能力、戦略、更に、肉体やマインド作りから見直すから、チームは強くなっていきます。PK練習が外国人スタッフへの教育です。肉体やマインド作りが、受け入れの整備です。


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