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第1号「子ども食堂平野学区のぞみ」  梶村康子さん、細川英子さん

取材日 令和3年11月25日(木)

取材者
滋賀短期大学ビジネスコミュニケーション学科 大川 莉奈、堀 美子

今回のテーマは子ども食堂です。
子ども食堂とは「子どもが気軽に立ち寄り食事ができる場所」です。現在、滋賀県には子ども食堂が143か所あります(2021年6月4日時点)。
今回はそのうちの一つ、滋賀県における子ども食堂のさきがけである「平野学区子ども食堂のぞみ」の梶村康子さん、細川英子さんを取材させていただきました。

取材したいと思った理由

私(大川)は、将来無料で元気な高齢者や一人で過ごす高齢者が集まってご飯を食べたり、物を作ったりして遊べる施設を作りたいと考えています。
そのため、子ども食堂は私が将来作りたいと思っている施設と共通点があり、お話を聞き参考にしたいと思い、取材をお願いすることにしました。

訪問した第一印象

制服を着た高校生や大学生の皆さんが、子供たちと遊んでいて、とても賑やかで楽しそうでした。

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私たちの他にも取材に来られている方が何人かいらっしゃいました。
これまでも全国様々な地域から、市役所の職員や、これから子ども食堂をやろうという人たちが視察に来られているそうです。
大津市社会福祉協議会に問い合わせがあると、大抵平野学区のぞみが紹介されるそうです。

子ども食堂平野学区のぞみ」概要

「子ども食堂平野学区のぞみ」は子供たちの居場所づくりを目的としています。
活動日は、毎月第4木曜日です。
同食堂では、利用者の基準は設けておらず、基本的に、誰でも自由に利用できます。
いつも来ているスタッフは7名。黄色いエプロン、マスク、三角巾の3セットをつけています。地域の方も参加されています。

スタッフ

多くの子ども食堂では事前申し込みが必要ですが、のぞみでは行っていません。来てもらった人には、毎回の出席者に名前と連絡先を書いてもらっているため、だいたいの参加状況は把握できているそうです。
中止や実施の仕方の変更については、各参加者に直接しています。現在の利用者は、子供が15人とその親、そしてボランティアの皆さんです。毎回、合計約40~50食を用意しています。

「子ども食堂平野学区のぞみ」の願い

子供たちは、学校帰りに夕食を食べに来て、母親は仕事終わりに、子供を迎えに来がてら少し遅い時間に食べて帰ります。
たとえ、ひと月に1回でも、食事を作らなくていい日を作り、くつろいでもらいたいという願いで行っています。

基本的に無料での提供

有料で実施している子ども食堂もありますが、のぞみの場合は、地域の人たちの食材提供などにより、無料で提供できています。カゴメ、平和堂、JAなど、企業などからの支援もあります。
滋賀県で無料で提供できているのは、おそらく「のぞみ」だけとのことです。

代表 梶村康子さんへのインタビュー

代表の梶村さんは、子ども食堂に関わり始めて約8年になります。
ご主人を亡くされたことをきっかけに、母子家庭などの支援を目的とする「のぞみ会」での活動をはじめられました。
梶村さんが滋賀県のぞみ会の副会長や大津市のぞみ会の会長をしていた際、大津市社会福祉協議会から子ども食堂づくり事業を行えないか打診があり、平成26年(2014年)4月から始められました。
大津で最初に子ども食堂を立ち上げたのが梶村さんです。
平成27年から前市民センターで行うようになり、令和元年(2019年)から現市民センターで、月に一回のペースで実施されています。

細川英子さんへのインタビュー

細川さんは、梶村さんをサポートする立場です。
健康推進委員をされていて、滋賀短期大学付属幼稚園で子育て支援も行っておられます。幼稚園の園長をされていたという経歴をお持ちです。
健康推進委員をされている関係で主に調理関係を担当されています。

[細川さんからのメッセージ]
子供同士で誘い合ってきて欲しい。子供同士のつながりで広がって欲しいと思っている。
子どもたちが、楽しんできてくれている姿を見るのがうれしい。

今回のメニュー

かやくご飯
かぼちゃ
カレーコロッケ
ウィンナー
湯なます
みかん

今回のメニュー

今回のメニュー2

多くは地域の方から提供された食材です。
提供してもらった食材からメニューを考えます。
ワカメをいただいたのでキュウリとあえて酢の物をつくろう、五目御飯の元をいただいたので、五目ご飯にしよう、付け合わせは、前回子供たちが喜んだカレーコロッケとウィンナー、いただいたかぼちゃを煮たものを付け合わせよう、など。

みんなで楽しい食事

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メニュー作り


メニューは、梶村さんと細川さんが考えて、それをスタッフの皆さんに伝えるそうです。
毎回約50食作るので、食材を切るのも大変だそうです。

子どもに喜んでもらうために

9月に提供したデミグラスソースのハヤシライスが大人気でした。子供たちの反応を見ながら、人気があればもう一度作るそうです。
母親が普段作れないような栄養バランスの良いメニューを提供できれば一番良いとのことです。
嫌いなものでも、仲間と食べればおいしく感じるという効果も子ども食堂にはあるので、出来るだけ野菜を多くしています。

さまざまな心遣い

子どもの分は量を控えめにして、「お代わりしたよ」と自慢できるようにしているそうです。
アレルギーがある場合は、何を使っているかを伝えるなどお母さんと連携して対応しているとのことです。
コロナ禍にはテイクアウト方式にするなど、様々な工夫をされています。

地域の人々の支援

「孫がお世話になっているから」と手伝いを申し出る女性、お米を提供してくれる人、エプロンを提供してくれる人、様々な形での協力があるそうです。

学生・生徒のボランティア参加

<龍谷大学生>
ボランティアの一人、龍谷大学社会学部社会コミュニティマネジメント学科の3回生 横山 夏愛(かえ)さんが声を掛けてくださいました。
ボランティア活動と、大学の授業の実習を兼ねた活動として参加されているです。子どもたちの勉強を手伝ったり、遊び相手になっているとのことでした。
10月は、龍谷大学の学生さんたちが、ハロウィンイベントを企画しました。
若い人の感覚で子供が喜ぶことを考えてくれるのが嬉しいとのことです。
お菓子などの提供もしてくれています。
12月はクリスマスイベントをされる予定だそうです。

<大津高校生>
大津高校家庭科の生徒さんが、実習とボランティアを兼ねて参加しているそうです。
食材の切り方や、おいしく見える盛り付け方などを実践しながら勉強しているとのことです。
この活動が高校内で口コミが広がり、普通科の学生も手伝いに来てくれるようになったそうです。
子ども食堂の取組みが口コミで広がり、あたたかい支援の輪が広がっています。

取材して考えたこと

子ども食堂は児童館のように遊んだりご飯を食べたりしているイメージでしたがまさにその通りでした。
ご飯を用意している間に大学生のボランティアの人たちは子どもと遊んだり勉強を支援したりしていました。子どもも学生もみんな笑顔で楽しそうでした。
また、ご飯を作っている人たちも忙しそうにはしていたがみんな楽しそうに見えました。とても笑顔があふれた場所だと思いました。

 テレビなどで食材などの寄付が集まらず困っていると聞いたことがありましたが「のぞみ」では地域からの提供で運営できているので素晴らしいと思います。
子ども食堂でご飯を無料で提供するには食材などの提供が必要です。自分が役に立てることは小さなことですが、今回のような記事を書いたり、ボランティアに参加することで、少しでも役に立てたらと思います。





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