ミュージカルは一目惚れしてなんぼの世界

一目惚れってしたことないんですよ。
FCに入るのでさえ3年かかる女。
好みの男性像もちょっと変わっている自覚はある。

愛というものにも懐疑的。
そんな簡単に愛なんて生まれる?って思っている。
情はわりと深い方だと思うんだけど(自画自賛)
情に重きをおくのは日本人だからか?

ジャック・ザ・リッパーの千秋楽を見納めてきた。計6回、短期間上演のわりにはわりと通った。
とはいえ、すごく好きなのか?と聞かれても、自分でもよくわからない。
楽曲は毎日歌うくらい好き、役者の演技はみんな良い、セットも照明も好みだしよくできてると思う、衣装めっちゃ可愛い。
なのに、やはり最後まで話が好きになれなかった。
あれは…愛なのか?
愛というなら陳腐だなーと心の底から思っている。
どうしても、他人の不幸の上に成り立たせようとする幸福は大嫌い。ふざけんなって思う。しかも命だよ、ありえん。
愛のために他人を不幸にする男なんて願い下げだ。100年の恋も冷めるわ。

だけど…ちょっと考えてみた。
ミュージカル、一目惚れから始まらないと話がなりたたん(笑)
どうやって好きになったかっていう説明をする尺がない。
とにかく好きなものは好きなのだ!っていう勢いが大事なのね(笑)
エリザベートだって、ロミジュリだって、始まるのは一目惚れ!
ここを許容しなければミュージカルなんて観れないのよな。

しかし、だ。
一目惚れから始まったあとの展開なんだよな。
ロミジュリは苦手だけど、エリザベートが面白いのはトート閣下が一目惚れしたあとずっと片想いだからだ(しかも、距離のつめかた下手くそ)
私が好きな恋愛模様はきゃっきゃうふふ的なものじゃないんだな。

私にとって究極の愛のかたちってどんな物語かな?と考えてみた。
真っ先に思い付いたのが、NHK大河ドラマ「女城主直虎」の高橋一生さん演じた政次だ。
あえて憎まれ役を引き受け罪をかぶって愛する女の手で殺されるっていう壮絶な最期だった。究極の自己犠牲愛。

ミュージカルだとレディベスのロビンが好き。でもこれ、加藤和樹くんじゃなきゃダメなのよね。
ベスを愛していても、ベスのためには別れを選ぶしかない。
そして、別れたあと和樹ロビンは死ぬまでずっとイモーテルの花をみかけては、ベスのことを思って生きていくような気がする。
実際に結ばれることはなくても、永遠に続く愛。

逆に刹那的な愛は苦手でねぇ。
ロミジュリとか。とくにウエストサイドストーリーのほうが苦手かな。
んー、愚かさを伴う感じが苦手なのかも。

でも、JTR観て思ったのは、その辺り(恋愛可動域)をもうちょい柔らかくしたほうが、ミュージカルを楽しめるのかしらね~ってこと。
理由とか求めちゃうと素直に楽しめない部分は出てきてしまう。

でもなー、苦手は苦手だし。

ま、舞台の感想も好みも人ぞれぞれだしな。
開き直り。

ジャック・ザ・リッパー、キャストが変わらなかったら再演も観に行くかな。
ぶーぶーと文句をたれながらも、楽しかった。
中毒性は確実にあるね。

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