フィスト・オブ・ノーススター 北斗の拳②

今さらだけど、自分の忘備録として。

そもそもなんだけど、私の中では信用信頼の加藤和樹くんがトキってだけで「勝ったな」と心の中でガッツポーズしていたのです。
キャスト発表あったときに、こりゃトキを観ながら号泣する自分の姿が脳裏に浮かんだ。
加藤和樹なら理想のトキをつくるはず!
加藤和樹は裏切らない。
キャストビジュアルから、まんまトキ。
ご本人も原作好きらしいので、決めポーズも漫画の一コマの再現率が高い。

実際みて、もう最初のシェルターを自らの手で閉める背中見て泣いた。
前にも書いたかもしれないけど、加藤和樹くんは本当に人に対する"愛"を表現するのがうまい。
この背中にも、ケンシロウとユリアを守りたいという愛に溢れていた。
たぶん、加藤和樹くん優しさと思いやりで出来てるからじゃないだろうか。
頭痛を治すならバファリンより加藤和樹。
中の人の持ち味は、キャラクターを作っていてもにじみ出てくるもんだ。
死の灰を浴び、死兆星の見えるトキは生きながらも死にしか向かえない人。これも和樹くんの真骨頂!舞台上で死なせたら右にでる人はいない(笑)
トキに抱かれて天に昇る姿は、微笑みを浮かべ、天使迎えにきた…と思うくらいに光に包まれていた。
死なのに光が見える、これも和樹くん独特なんだよな~。
こういう表現できるのだから、きっと死そのものを演じるトートは面白いことになると思う。
なので

加藤和樹のトートください!!!

話がそれた。

あと、和樹くんはカーテンコールも役が抜けないとご自身が語るように、最後までトキだった。
北斗の拳のカーテンコールはわりと祭り感が強くて、他の方はさっさと仮面を脱いで盛り上がってるんだけど、和樹くんはトキのまんま静かで。ひとりフワフワとしているような感じだった。
でも、徐々にトキから加藤和樹に戻っていく様子も伺えて
「あ、加藤和樹がでてきた!」と思う、役と本人の混ざっている瞬間を見るのが私はとても好きで、なんだかとても幸せなカーテンコールだった。

もうひとりの期待のキャストが植原卓也くんのシン。
植原くんは"狂気"を表現するのが上手いなと思っている。
和樹くんとは逆で、中の人が狂気の人というわけじゃありません(笑)
ご本人をちゃんと知ってるわけじゃないけど、普段わりとフワッとした人だと思うのだけど(私の印象)、役を演じるとわりと男っぽいしなぜかいつも影と狂気が似合う。
まぁ、だから私が好きな俳優さんなのですけど。
もともと、シンは私が北斗の拳で一番好きなキャラクター。
ユリアへの愛だけに生きた男。
狂うほどの愛が報われなくて、悲しい男。
ミュージカルでは設定が改編されていて、いまいちシンの存在が薄まってしまって残念な気はするが、最後にラオウには絶対に敵いそうにないのに、ボロボロになりながらもユリアのために闘う姿には、シン…おまえってやつは…と泣けた。

たっくんは王家の紋章でライアン兄さんだったけど、おそらくイズミルもできるぞ。
ライアン兄さんもある意味報われない愛を抱えている人だけど。

あと、とにかく植原くんはダンスが綺麗なので、ラオウwithシンと仲間たちのシーンが良かったです。
かっこよかった~。
カーテンコールの決めポーズかっこ良すぎてときめいたもんね。

あと、千秋楽に伏兵がいた。

宮尾俊太郎さんのラオウ!!!

いや、もう、まさに私の理想のラオウがそこにいた。
もともと、宮尾さんのことはかなり好きなのでカッコいいんだろうなと思っていたけど、カッコいいなんてもんじゃなかった。
立ち居ふるまいが王者の風格。
威厳というやつだよね。
もともとバレエのかたはマイムが上手いから、台詞なき台詞で感情を伝えるのが上手い。
眉の動かし方ひとつにラオウの心のうちを見た。
ラオウにはベラベラしゃべって欲しくないという私の気持ちもある。
所作の美しさは大いなる武器。
歩き方、マントの使い方、馬上での姿勢、降り方、パーフェクト。
堂々としたラオウ。でも、その中に奢りと弱さも見えるようで。
お歌に関してはまだまだなのはご本人もわかってると思うけど、その点を補う芝居はあったと思う。
私は宮尾ラオウは千秋楽にしか見れなかったのだけど、昇天のシーンでは客席から拍手が起きた。
「わが生涯に一片の悔い無し!」
ラオウの強さが客席に伝わったのだと思う。

実はこの3人の組合せで観ることができなかった。

私の観劇には悔いあり!
なので、再演待ってます。


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